中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

2023年を振り返る④・・課題が残る投資

1.課題が残る投資とは何か 今回の記事のタイトルは「うまく行かなかった投資」の予定だったが、「課題が残る投資」に変更した。 「うまく行かなかった投資」は「お金が減った投資」というわけではない。 500円で買った株を700円で売ればお金は増えるが、そ…

2023年を振り返る③・・上手くいった投資

1.2023年の総括 あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。 2023年の年初来パフォは+55.81%だった。運と地合いとご縁に恵まれて数年ぶりの上昇幅だったのだけど、Twitterのタイムラインでは全然目立たないレベルでもあった。 これは…

2023年を振り返る②・・セルシス(アートスパークHD)への投資について(後編)

1.DC3事業への10億円投資は予見できたか UI/UX事業の売却のニュースが発表されたのは2023年2月10日だ。 それと同時にDC3事業への10億円の開発投資を行う計画も発表された。 営業利益14億円の企業が新規事業に10億円投資する訳だから、当然株価は地に落…

2023年を振り返る①・・セルシス(アートスパークHD)への投資について(前編)

1.年末と総括 12月も半ばを過ぎた。年末といえば今年の反省だ。 ことしの私の株式投資はとても上手くいった。コロナ禍からの復活に加えてアズームの上昇に上手く乗れた2020年以来のパフォなんじゃないかと思う。 まあこれから崩れる可能性は十分あるけど。…

INFORICHを買ったわけ⑥・・・沖縄の話

1.競合他社その⑤ 充電GO 「充電GO」もモバイルバッテリーシェアリングサービスのひとつだ。 サービス内容もINFORICHとほぼ同じ。料金は24時間で220円から。 充電GOのサービスを提供しているのはインタラクティブ株式会社だ。スマホバッテリーレンタル以外…

INFORICHを買ったわけ⑤・・競合他社について

INFORICHの競合他社 INFORICHの競合他社は数社ある。 直接の競合となるのは①POWER NOW、②HESTAチャージ、③充レン、④mocha、⑤充電Go、の5社だろう。 どの競合他社もINFORICHと似たような機材を使っており、似たようなシステムで運用されている。 それ以外に…

INFORICHを買ったわけ④・・コンビニとカップヌードル

1.コンビニエンスストアとの出会い 私はけっこうなイナカに生まれたので、あと結構な年齢なので、中学生の頃はまだコンビニの存在を知らなかった。初めてコンビニの店内に入ったのは高2の時だった。 その時の感想は 「なんだこの店は?商品が定価でしか売…

INFORICHを買ったわけ③・・先行する香港

1.新規事業と海外進出 これは私の偏見なのだけど、決算説明会資料に、始めたばかりでまともに売上も立っていないような新規事業の事をでかでかと書いている企業は警戒してしまう。 また、まだ事務所を開いた程度の海外進出の事をでかでかと書いている企業…

INFORICHを買ったわけ②・・先行する中国の事情

1.タイムマシン経営 「アメリカで流行したことは数年遅れで日本でも流行する。アメリカで上手くいったビジネスを日本に持ち込めばうまくいく可能性が高い」 このように考えて海外の成功したビジネスモデルを日本で再構築する経営手法がある。 タイムマシン…

INFORICHを買ったわけ①

1.INFORICHを買った INFORICHというモバイルバッテリーシェアリングの企業がある。 その企業の株を買った。 買ったのは6月7日から7月24日までの間だ。最初はPFの2%程度だったが、8月10日の決算発表前の段階でPFの17%を占めるまでになった。 投資の初期…

2022年を振り返る⑦・・今後どうしたらいいのか

1.2022年にお金を減らした投資先の共通点 2022年にお金を減らしたのは、モビルス、THECOO、CINCの3つだ。 この3つには共通点がいくつかある。 まず、3つともクラウドでサービスを提供しているSaaS企業だ。 そして、3つとも若い企業だ。 モビルスは2011…

2022年を振り返る⑥・・モビルス以外の投資について

1.2022年の総括 既に2023年がスタートして4週間ほど経過している。 その反省はもうしばらく続きそうだけど、ここでいったん全体を振り返る。 Twitterでは大納会の日につぶやいたが、今年の年初来パフォは-0.05%だった。 2017年のはじめを100とした年足を…

2022年を振り返る⑤・・どうしてこうなった?

1.引き出される様々な教訓 前回、モビルスの株を買ってさんざんお金を減らした話を書いた。 ただ損をした事実を書いただけなのになかなか反響があった。とくに小型成長株を長期で触ってる投資家の魂に刺さってた感じがする。株はツラいのだ。 前回の記事を…

2022年を振り返る④・・モビルスへ投資したお金が減っていった過程

1.暴落に次ぐ暴落 株価が下がり続けていたモビルスを買い向かった。その結果お金は減った。 一番最初の打診買いから見ると五分の二まで減っている。ロットもそこそこ入れていたのでダメージは甚大だった。 チャートに入れた赤い矢印が買ったところだ。 株…

2022年を振り返る③・・モビルスの競合と強み

1.前回のまとめ ・企業と消費者のコンタクトは重要だが、そこには大きな痛みがある ・電話はつながらない。オペレーターはストレスフルで離職する。 ・コストも莫大 ・モビルスはこれらの諸問題をテキスト化で解決する 今回はモビルスの競合と強みについて…

2022年を振り返る②・・モビルスを買ったわけ

1.メリークリスマス みなさんクリスマスを楽しんでいますか? 私は仕事です。昨日は券売機でチケットを買うタイプの店でひとり夕食を済ませました。 そして今日も、自分の古傷をえぐるような記事を書いてます。ツラい。 でも気にせずに本題に入りましょう…

2022年を振り返る①・・モビルスへの投資について

1.年末がやってきた、さあ反省だ! あと10日くらいで今年も終わる。 ことしの株式投資のパフォーマンスは12月18日現在のところ+6%くらいだろう。あまり褒められた成績ではない。 1月にがっつり下げて、その後年初来パフォがプラスに転じたのは10月くらい…

学研HDときずなHDの合弁会社「学研ファミーユ」について

1.学研HDとの合弁会社 2022年8月10日、きずなHDと学研HDが合弁会社を設立するという開示があった。 https://contents.xj-storage.jp/xcontents/AS98294/6dcfc1cc/cb91/4f7f/9a62/d7abbe8f2444/140120220810517503.pdf この開示の内容は以下の3点。 ① 学研…

きずなHDの中計2022

1.きずなHDの中計ローリング 2022年7月15日、きずなHDは中期経営計画をローリングした。 またブログ書かないと、と思いながら既に10月も半ば。3ヶ月近く経過している。のれんの事を優先して書いていたとはいえ遅すぎる。 しかも「毎年ローリングして7月に…

のれんは爆発するか②・・ルールは人が決めるもの

1.のれん償却ルールの変更 IFRSの会計ではのれんが償却されない。 IFRSの会計でのれんが償却されるとしたら、業績が悪化するか、会計ルールが変更されるかのいずれかが起こった時だ。 前回は業績が悪化した時の話を書いた。今回はルールの変更の可能性につ…

のれんは爆発するか①・・きずなHDについて

1.IFRSではのれんを償却しない タイトルを見ただけでこの記事を読むのを止める方は多いと思う。マイナーで不人気な企業のBSにかかわる地味な話など需要がないことくらいは知っている。 それでもこれから2回ほど「のれん」の話を書くことにした。 会計の素…

きずなHD、旧中経の答え合わせ

1.きずなHDの中経ローリング きずなHDは7月15日に2022年度の4Q決算を発表した。 同時に中期経営計画をローリングし、今後3年間のホール出店計画や売上等の見通しを修正した。 中経の具体的な内容や実現可能性については気になるが、その前に今期の決…

ファブリカを買った訳⑨・・U-CARソリューションの競合について

1.Symphonyの機能について U-CARソリューショングループが提供しているSaaSは「Symphony」という。 中古車販売業者向けの業務支援ソフトなのだが、ファブリカが自社のオートサービス事業で使用するソフトでもある。元々自社で使用していた業務支援ソフトを…

ファブリカを買った訳⑧・・U-CARソリューショングループについて

1.U-CARソリューショングループとは SMSソリューショングループはファブリカの売上構成比55.8%を占める。 それに次いで大きいセグメントは「U-CARソリューショングループ」だ。 U-CARソリューショングループは、ファブリカの2022年度における売上構成比の…

ファブリカを買った訳⑦・・SMSの差別化と競合

1.利益率の維持は価格決定力の有無による 「SMS事業は利益率を維持できるか」について、前回は原価の面から考察してみた。 しかし原価がいくら上昇しても唯一無二のサービスならば価格に転嫁できる。絶対に必要なサービスなら多少高くても使い続けるしかな…

ファブリカを買った訳⑥・・利益率と原価について

1.利益率と原価 ファブリカのSMS事業の成長を考える上での3つの検討事項 ① 業務用SMSの市場が拡大するのは本当か? ② ファブリカはシェアを維持できるのか? ③ 利益率は維持できるのか? この、③の利益率について考えてみる。 営業利益は売上から原価と販…

ファブリカを買った訳⑤・・キャリア直は脅威になるか?

1.キャリア直とは何か ファブリカやアクリートなどが提供している国内業務用SMSサービスは、ドコモやauなどのキャリアの回線を利用して個人に送られる。 上の図はファブリカの決算説明会資料だ。 ファブリカは顧客企業のシステムに接続してクライアント顧…

ファブリカを買った訳④・・SMSのシェアについて

1.はじめに ファブリカのSMS事業の成長を考える上での3つの検討事項 ① 業務用SMSの市場が拡大するのは本当か? ② ファブリカはシェアを維持できるのか? ③ 利益率は維持できるのか? 今回は②について考えてみる。いくら市場が成長しても自社のシェアが下…

ファブリカを買ったわけ③・・・SMSの市場拡大について(後編)

前回のまとめ ・ファブリカのSMS事業は、業務用SMS市場の拡大により大きな恩恵を受ける ・海外と比較すると、日本国内の業務用SMSはまだまだ伸びそうだ ・デロイトトーマツも矢野経済研究所も、業務用SMS市場の大幅な伸びを予想している 1.はじめに 前回に…

ファブリカを買ったわけ②・・SMSの市場拡大について(前編)

1.SMS市場は大幅な拡大が予想されてるが・・ ファブリカにおけるSMSソリューショングループの売上構成比は51.5%だ。セグメント利益率は28.0%と高い。 この業務用SMSの市場だが、年平均成長率41.5%と大幅な拡大が予想されている。 年間41.5%の成長が続…