1.課題が残る投資とは何か
今回の記事のタイトルは「うまく行かなかった投資」の予定だったが、「課題が残る投資」に変更した。
「うまく行かなかった投資」は「お金が減った投資」というわけではない。
500円で買った株を700円で売ればお金は増えるが、その後3,000円まで値上がりした場合は「上手く行った投資」とはならないだろう。むしろ早売りしてしまった事を反省すべき投資だ。
大底で買って天井で売れたとしても100株しか買ってなければ、やはり反省すべき投資になるんじゃないだろうか。
それなら底値でフルレバで買い天井で利確する投資以外はすべて「上手く行かなかった投資」になるかと言うと、もちろん違う。
いろいろ考えた結果「期待値に背いて行った投資」が一番反省すべきだと考えた。
期待値を出そうとせずに雰囲気で行った取引、期待値を出しながらそれに背いた取引、間違った前提で期待値を計算した取引などが「期待値に背いて行った投資」になるんじゃないかと。
そんなことを考えて「課題が残る投資」というふうにタイトルを変えた。
ポエム吐きだから言葉にはうるさいんです。
2.IPS
IPSの株を初めて購入したのは2019年の3月。その頃から比べると株価もずいぶん上がっている。しかし値動きが激しくて大きなロットでずっと持っているのはキツい企業だ。そんな訳でPFの5%程度に抑えてHOLDしている。
チャートを見ると2023年はずっと右肩下がり。決算を発表するたびにガクンと株価が下がっている。しかしフィリピン国内の海底ケーブルの工事は進んでいる。開通したら売上も利益も急増するのは間違いない。
自分なりに計算して「2023年は株価が2,000円を切ったら買い増しする」と決めていた。取引ノートにもそう記入していた。
しかし実際に買い増ししたのは11月6日、株価は2,620円だった。
直後の2Q決算で発表されたメディカル事業の下方修正もあり、株価はその後大きく下げた。
2,000円という購入金額を決めていたのに、メディカル事業が苦戦しているのはある程度予想していたのに、ほぼ天井で買い増ししてしまった。
やはりフィリピンで熱帯の風に吹かれて気分が高揚していたとしか思えない。
フィリピンと東京を何回か往復できる程度にはお金が減った。
取引はクールにやりたい。気分が高揚してもいい事なんてひとつもない。
年末ギリギリになって海底ケーブル開通のお知らせがあった。
今年は頼みます。私の失敗をこっそりと帳消しにしてください。
3.ファブリカコミュニケーションズ
ファブリカを買ったのは2021年の年末から2022年の2月の頭にかけて。
買った理由は2年前のブログにも長々と書いているので、興味があるかたは読んでみてください。9回に渡って書いてます。長いです。
ファブリカは業績が予想しやすい企業だ。
自分なりに計算して2025年度のPLまで作成した。
2024年の純利が1,066百万、PER24倍で評価すると時価総額255億円。株価にすると4,990円になると計算した。
リスクと時間を割り引いて、目標価格を4,000円と設定した。
ありがたいことに株価は4,300円まで上昇した。
チャートの青い矢印が売却した所だ。4,000円前後にも矢印はあるが、そこで売却したのは全体の30%程度だった。
「もっと上がるかもしれない」と欲を出して70%は持ち続けてしまった。
事前のシナリオは完全に実現した。それなのに欲を出したせいで大きく利益を逸した。
もう売るべきだと判断した後もなかなか切れなかった。
2023年の年末まで持ち続けたものは損切りで終わった。NISA口座に入っていた事も結果としてマイナスに働いてしまった。
あと、コロナの影響の算定も失敗した。
2月14日の2Qは、SMSの配信数がまだ患者数に比例して乗っていると考えていた。
しかし実際は全数把握の方針が見直されていた。自治体はSMSを配信する必要がなくなっていた。
妊婦さんは「重症化リスクの高い人」に当てはまる。
私は産婦人科医なので、2022年9月以降も患者数を全て自治体に報告していた。それもあって全数把握の方針転換に気付かなかった。その結果2月14日の決算で被弾した。
あんまりだ。
4.疲れたのでやめます
去年最大の爆損だったアライドアーキテクツの事も書く予定だったけどやめます。
ここまで書いただけでメンタルに来て疲れた。元気になったらまた書くかも知れないです。
でも損した話が好きな人のためにチャートだけ載せておきます。
読者サービスです。
こうやって全体を振り返ると失敗の内容が浅い。
本当につまらない失敗をしてお金を減らしている。
去年の終わりにこんなTweetをしている。
四分の三の確率で黒が出ると判断した。それでもなんとなく雰囲気で赤にベッドしてしまった。その結果黒が出てお金を失った。正しく行動出来なかった上にお金まで失ってしまった。
これが去年の行動だ。自分の愚かさを自覚させられた上にお金まで失った訳だ。
救いようがないほどツラい。
おまけ
新年一発目に読んだ漫画「新しいきみへ」
とても面白かった。
いわゆるタイムリープものなんだけど。
第一話で主人公である冴えない高校教師が美人の妻を持ちながら同僚の美人体育教師に好かれており、さらに旅先でJKに迫られるという無駄にモテる「なろう小説」的なオープニング。こういうのは現実離れしすぎて感情移入できないんだよな、と思いながらも読み進めていくとどんどんハマっていく。
タイムリープものと言えば「シュタインズ・ゲート」だけど「新しいきみへ」も同じくらい良かった。誰からも理解されない孤独なタイムリーパーが何度も失敗しながらも立ち向かう姿、おっさんはこういうのに弱い。
6冊で完結しているのも潔くてよいです。
いま確認したら2巻分がwebで読めるようになってた。
[第1話] 新しいきみへ - 三都慎司 | となりのヤングジャンプ
この機会にぜひ。