中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

科学的な銘柄選択・・「科学的な適職」より

嫌な面接官のイラスト(就職活動)

 1.職業選択と銘柄選択

最近このブログには企業分析の記事ばかり書いていた。それはそれで良いんだけど、数社の株しか持っていない私では記事のネタがすぐに切れてしまう。そして持っていない企業の分析記事は書いていても面白くない。

 

という訳で需要があるかどうか知らないけど、最近読んだ本の話を書く。

「科学的な適職」という本です。

 

 [鈴木祐]の科学的な適職

タイトルの通り、就職や転職を考えている人向けの本。

面白いのは著者の主張が書かれていないこと。思い込みから来る「主張」ではなく、過去に行われた研究結果について書かれた本だということ。就職や転職を控えている人にはぜひ読んでほしい。

 

そして転職を考えていない投資家にもオススメする。

職業選択とは「選択」だ。

株式投資も企業を選んだり売ったり買ったりと、選択を繰り返している。

この本には正しく選択するための方法について書かれている。

 

「科学的な適職」は就職や転職についての本。

だけどこれは投資ブログなので、内容をすべて投資に置き換えて書いていく。

 

 

2.バイアスが常に存在する前提で判断する

バイアスという言葉を聞いたことがない方は少ないだろう。

 

自分の思い込みを裏付けてくれる情報のみを集めてしまう「確証バイアス」

未知のものを検討し受け入れるのが面倒なため現状維持に走る「現状維持バイアス

退場した人の話は聞けないので生き残った人間の話のみが真実となる「生存バイアス」

 

 このあたりは有名だけど、それ以外にもバイアスは無数にある。

発表されているものだけでもバイアスには170種以上あるらしい。だから、自分には確実にバイアスが存在するという前提で判断を下す必要がある。

「正しい意思決定を行うためには、綿密なデータ分析よりこれらのバイアスを取り除く事のほうが600%重要だ」

そんな実験データもあるらしい。

 

 

3.自分のバイアスを粛々とチェックする方法とは

 この本ではバイアスを取り除く方法がいくつか書かれている。

投資にも使えそうな方法を3つ紹介する。

 

 

① 時間を操作する

目先のバイアスから自分を切り離すために、時間軸を変えるフレームワーク。「10/10/10テスト」と名付けられた方法。具体的には、以下のように将来の自分の感情を想像する事でバイアスを除去する。

 

 ・この選択をしたら、10分後はどう感じるだろう

 ・この選択をしたら、10ヶ月後はどう感じるだろう

 ・この選択をしたら、10年後はどう感じるだろう

 

 

さすがに1つの銘柄を10年スパンで投資する方は少ないだろう。投資期間にもよるけど、時間軸は10分/10日/10週あたりが一般的でよい気がする。だからその線で例を上げてみる。

 

・10分後は

株価が下がり始めているこの株を売れば、10分後に不安から解消されて楽になってるだろうな。

 

・10日後は

下がる不安からは解消されたけど、売ったという選択が正しかったかどうか気になって株価を毎日チェックしているだろうな。リバっていたら買い直すか?

 

・10週後は

もう次の四半期決算が近づいて来ているな。はじめに想像していた決算の予想はどのくらい当たっているのだろうか。それでまた株価は動くだろうけど、どちらに動くか?

 

実際は株価の変動によってどう感じているかは違う。しかし、少なくとも目先の不安だけに囚われることはなくなるだろう。短期的な恐怖だけで動いて後で後悔する事は避けられそうだ。

 

そして売ったあとに株価がどう動くか事前に想像し、それに対する行動もあらかじめ決めておくことができる。

「恐怖に囚われて投げて、その後でリバっていく所に飛びついて、再び下げて往復ビンタをくらう。」

短期間の感情に翻弄されて傷を深くした経験のある人じゃなくても、試しに10-10-10テストをやってみても良いのでは無いかと思う。

 

 

② 敗北を想定する

まず未来を想像して、自分の選択が『完全な失敗』に終わった場面をイメージする。 

続いて、その完全な失敗がどのような原因で起きたのかを紙に書き出していく。自分が普段どんな失敗をしやすいか考えて、現実にありそうな理由をできるだけ出していく。

どれだけリアルに失敗のプロセスをイメージできるかが最大のポイント。

 

例1:本業の月次が良かったので決算を期待して買ったら、本業以外の新規事業が激しくコケて下方修正されてしまった。

例2:月次では順調に売上を伸ばしていたので安心していたら、大量の広告費が計上されていて利益は前年比50%以下になっていた。

例3:成長のために大胆な投資や採用を行った後だから売上も上がるだろうと期待していたけど、MSワラントを発行されてしまった。

例4:Twitterですごく良さそうな話を見たので買ったけど、煽りの本尊は既に売っていた。

 

このように失敗の原因を思いついたら、その前後についても詳しくイメージする。

「この企業が利益を3割下方修正すれば株価が〇〇%下がるかもしれない。そうすると自分の運用資産が〇〇万円まで減るな。そうなれば来月計画していた旅行の楽しみが半減するかもしれない。」

ここまでリアルに想像する。

 

買う前から株ツラい状態をイメージする訳だ。ツラいのは当然で、この敗北を想定する方法は「プレモータム」と名付けられている。プレモータムは日本語にすると「事前の検死」。「死ぬ前に死んだ理由を解剖して死因を調べる」という訳だ。

 

でもこの方法で未来の予測精度が30%上昇したというデータがあるらしい。

少なくともその場の勢いでレバをかけまくって爆死して退場、という事態は防げそうだ。

 

 

③ 視点を操作する

自分の行動を三人称として記録していく方法。

古代ローマの事実上の初代皇帝ユリウス・カエサルが、自分の遠征を自ら記録した「ガリア戦記」の中で使った文体にちなむ。

 

「彼は吉野家HDの損切りについて悩んだ。そして優待の利回りを計算し、ポケ丼がどのくらい話題になっているかを検索して今後の月次の推移を想像した。その結果、彼は吉野家のHDを損切りした。」

 

 このように取引を三人称で記入していく。

 

悩みや行動を三人称で書き記していくと、他人の視点で物事を考えるのがうまくなり、複数の観点からベストの対策を導き出せるようになる。

 

三人称でなくても書き残すメリットは2つある。

ひとつは意思決定の記憶をあとから改ざん出来ないこと。

人には自分の敗北や失敗を正面から受け止めることができず、記憶を都合よく書き換える性質がある。文字で残しておけばそのような記憶の改ざんはできなくなる。正しく事実を受け入れてこそ、その失敗を次に繋げることができる。

 

もうひとつのメリットは意思決定のパターンがはっきりする事。

「自分はTwitterの有名垢の発言に流されがちだな」

「企業のバラ色の未来予想を信じすぎだな」

そんな失敗パターンも自覚する事ができる。

 

 

4.おわりに

とても長くなってしまって申し訳ないです。しかも上手くまとまっていない。

ちょっとした興味で読んだ本でしたが、とても参考になったので紹介してみました。

私は何でも投資への教訓に結びつける癖があるんですが、この本は上に書いた3つ以外にも感心する内容が多かったです。

帯にあるDaiGoの推薦文がもったいないくらい内容がしっかりしていました。

まとまっていないこの記事に満足できない方は、ぜひご自分で読んでみてください。

 

 

   Kindleなら777ポイントバック。事実上半額で買えます。

 

 

  もうひとつのオススメはガリア戦記

古代ローマの事実上の初代皇帝であり、最高の司令官でもあるユリウス・カエサルが自分で書いた戦記。文章が本当に上手くて美しくて、ああもうこの人は本当に何をやらしてもスゴい。

 

 

 

アズームを買った理由⑦ 原価と販管費と利益

注射を受ける女性のイラスト

1.アズームの決算

7月30日にアズームの3Q決算が発表された。その内容はほぼ予想通りだった。

 

発表される当日は決算に対する期待からか、株価が5.0%も上がっていた。発表された翌日は-11.23%と下落した。

決算発表前にどのような期待があって買われたのか、発表後はどのような失望があって売られたのか。どちらも私にはよくわからない。わからないから株価の予想はしない。

とりあえず3,500円あたりで100株追加購入してみた。数日後の未来の株価はわからないが、数年後の未来の株価はもっと高いと思っている。

 

 

2.利益は成長するか

これまで受託台数(=商品の入荷量)や稼働率(=商品の売上)の話を書いた。

しかし売上の話だけでは心もとない。商品がいくら売れたとしても赤字になっては困る。いろいろな議論はあるだろうが、企業の価値は利益が第一だ。

アズームの企業分析の最後の記事として、今回は利益の話を書く。

 

アズームのコアになる事業は駐車場のサブリースだ。駐車場をオーナーから借り上げ、それを利用者に貸すことで利益を得ている。

たとえば、1ヶ月2万円で借りたものを3万円で貸すことができれば1万円の利益になる。この場合オーナーに支払った2万円が原価になり、受け取った3万円が売上、儲かった1万円が粗利になる。

この1万円の粗利から販管費(会社の本社費用や宣伝費や社員のお給料など)を引くと営業利益が出てくる。

売上については既に考察したのだから、利益については原価と販管費の事を考えればいい。

 

 

2.サブリース駐車場の原価は地代

サブリースの駐車場の原価は、駐車場オーナーに支払う地代だ。決算短信を読めば、四半期ごとの売上に対する原価について書かれている。原価を売上で割れば原価率が出てくる。売上と原価率をまとめたのが次のグラフだ。

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原価率はだいたい55~62%あたりで推移している。

 

もちろん決算短信に載っている原価は、会社全体の売上に対する原価だ。サブリース事業だけでなく、駐車場仲介やその他の新規事業を含めた原価。だから駐車場サブリースの原価をそのまま示しているわけではない。

しかしアズームの売上の85%以上が駐車場サブリースを占めているのだから、大体の傾向はわかるだろう。原価率はだいたい6割弱。10万円の売上があるとしたら、6万円程度を駐車場オーナーに地代として払っていると理解できる。

この原価は完全に変動費だ。1台分の駐車場を借りれば1台分の地代を払う必要がある。何らかの事情があって原価率が急激に上昇しない限り、売上に比例して大きくなると考えればいい。

 

今回発表された3Qの決算でも、原価率は60.4%だった。

3年後も同じような原価率が続くと判断した。
 

 

3.販管費は人件費が大きい

原価の次は販管費だ。

販管費とは「販売費および一般管理費」の略だ。販売費は販売にかけた人件費と広告費が、一般管理費は間接部門に関わる人件費や事務所の家賃、光熱費などが含まれる。

 

駐車場サブリース事業にはあまり広告費がかかっていないと推察する。集客は自社で運営するウェブサイトで行っているのだから、宣伝する必要がない。

それでは何に費用をかけているのか。

 

おそらく人材に費用をかけているのではないか。2019年9月で、アズームの社員数は132人、平均年間給与は409.4万円。給与のみで5億4,000万円を支払っていることになる。この年度の販管費は10億7,500万円だから、50.3%だ。

その前の年である2018年9月は、社員数が75人、平均年間給与は452.6万円。会社が支払った給料の総額は3億3945万円。同年度の販管費6億6300万円の51.2%を占める。

支払い給与の約2倍が販管費、という目安で将来を予測してもいいだろう。

 

さらに、社員に支払うお金は給与だけではない。社会保険料や交通費や各種手当ても会社が負担する。社員が多くなれば本社のオフィスも広くする必要がある。

いずれも社員が増えるほど金額が増える。販管費は社員数に比例すると考えた。

 

さて、去年までのアズームはとても積極的に社員数を増やしていた。2019年9月で75人だったのが、2019年9月には132人。たった1年で76%も社員を増やしている。

そして2020年6月末現在の社員は135人であり、9ヶ月経過してほとんど増えていない。

 

アズームの四半期ごとの販管費は、

2020年1Q 325百万円

2020年2Q 326百万円

2020年3Q 329百万円。

社員数の増加が止まって、販管費の増加も止まっている。 

 

 

4.売上と原価、販管費、営業利益

前回までの記事で売上が着実に伸びるであろうという話を書いた。そして原価は一定だ。ならば売上から原価を引いた粗利も確実に伸びるはずだ。

その状態で販管費の伸びが止まっていれば、粗利の伸びイコール営業利益の伸びになる。

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グラフのように、売上は伸びているが販管費は伸びは止まっている。

 

そして粗利と販管費、営業利益のグラフはこちら。

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 粗利はずっと伸びている。販管費の伸びが止まれば、その差額はすべて営業利益の伸びになる。グラフの紫と緑の差が営業利益だ。

この調子で行けば、会社予想の営業利益は達成できるだろう。3Qまでの営業利益が108百万円なのだから、4Qの営業利益が82百万円になれば、今季の会社予想である営業利益190百万に届く。

そして2021年の営業利益520百万円もそんなに難しくないと計算しているのだけど、どうだろう。

 

 

 5.販管費は会社次第

今後の営業利益について計算した内容を書いてみた。

販管費がこのまま抑え気味で続けば予想通りになると考えている。

 

しかし販管費は会社次第だ。社長が「もっともっと社員を雇って全国展開するぞお」と言い始めれば、あっという間に利益は消滅する。そうなれば株価も見えないレベルに下がる、かもしれない。

 

売上の成長が続けば持ち続けたいとは思っていますが。

投資はいつだって自己責任で。 

 

 

 

この本、とてもおもしろかったです。

企業分析だけでなく個人投資家の退場防止にも役立ちます(断言)。

世界「倒産」図鑑 波乱万丈25社でわかる失敗の理由

アズームを買った理由⑥ 稼働率とIT

スポーツカーを運転する人のイラスト(カップル)

1.サブリース事業の稼働率

前回の記事ではサブリース事業の受託台数のみについて考察した。

しかし受託台数は「仕入れた商品の数量」に過ぎない。売る商品が確保できなければ売上が増える訳がないので、受託台数が最も重要なKPIであるのは間違いない。しかし実際に売れるかどうかは別問題だ。

 

借り上げた駐車場である「仕入れた商品」が実際どれほど売れたか。それを表すKPIが「稼働率」だ。この稼働率が高く維持されていないと、売上は伸びないし利益も出ない。それどころか借り手がいなくても地代は払い続ける必要があるので、稼働率があまりに低下すると赤字になってしまう。

 

サブリース事業の年間平均稼働率の推移は以下のようになっている。

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上記のグラフは会社説明会資料からのキャプチャだが、年平均稼働率は83%~90%のあたりを維持している。

四半期決算ごとに発表される受託台数と稼働台数から作った稼働率のグラフは以下の通り。

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87%~91%の範囲内に収まっている。

年間平均稼働率と四半期時点の稼働率がやや乖離している。2018年の平均稼働率は83%だが、2018年4Q時点での稼働率は87.7%だ。これはつまり、瞬間的な稼働率は80%を切る時もあるという事だ。

その原因は、新規駐車場獲得のための受託台数の急増だろう。受託台数が急増したときは、借り手が見つかるまで2ヶ月ほど稼働率が下がるらしい。そんな事を動画で社長が言ってた。

 

ちょっと話がズレたが、稼働率の維持はとても重要だ。受託台数と共にずっとフォローしていく必要がある。

 

 

2.借り手のつく駐車場を仕入れる

稼働率を高く維持するためには、借り手がつく駐車場を仕入れてくるのが一番だ。

しかし個人によってそれぞれ駐車場の価値は違う。

「通勤する会社のすぐ隣なら3万払ってでも借りたいけど2km離れている場所なら5,000円でも借りたくない」

せっかく自動車通勤をするのだから、炎天下や雨の日に長い距離は歩きたくない。しかし、ある人にとっての「職場から2km離れた場所にある駐車場」は、別の人にとっての「職場の隣の駐車場」かもしれない。個人個人でニーズは違うし、そのニーズをきめ細かくすくい上げて駐車場を仕入れる必要がある。それが出来てこそ、稼働率を安定して高く維持する事ができる。

 

 

3.ニーズを取りこぼさずに貸す

借り手の付きやすい駐車場を仕入れることができても、借り手を見つけてくる必要がある。借り手のニーズは個人個人で違うので、こちらもきめ細かく対応する必要がある。

そのためにやっているのがマッチングサービス事業だ。

この事については以前の記事で書いた。

 

 

4.ITの本来の使い方

借り手の付きやすい駐車場を借りてくる。その駐車場を確実に貸す。

この2つを実現させるために、アズームはITの力を利用している。

 

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従来人気や相場を足で確認し判断していた部分を、アズームはデータベースに基づいて合理的に決定している。担当者の経験もカンも必要とせず、借り手の付きやすい駐車場を市場価格で安全に仕入れることができるわけだ。

上のキャプチャはアズーム上場時の「成長可能性に関する説明資料」からだ。

 

アズームは起業した時から「IT化の遅れている不動産業界にITを持ち込んで勝負する」というコンセプトでビジネスを展開している。未だに台帳やエクセルで業務を行っているような不動産業界こそ、ITが差別化の要因として有効だと考えている訳だ。

 

現在の軍隊にマシンガンを配備しても差別化にはならない。どの国の軍隊もマシンガンを装備している。しかし戦国時代の日本のどこかの勢力にマシンガンを配備したら、歴史は変わるだろう。

たとえば北条氏に数千のマシンガンを配備すれば、天下を取るのは豊臣でも徳川でもなく北条氏になる。槍や火縄銃ではマシンガンと戦えない。

 

ITが差別化をもたらすわけじゃない。IT化の遅れている業界でいち早くITを持ち込むことが差別化をもたらす。

駐車場業界という比較的ニッチかつIT化の遅れている市場で、ITの力を使って無双状態。だからこそアズームは著しい成長が続いている。私はそう考えている。

 

 

5.ITに必要なのはエンジニア

北条氏にマシンガンを配備する、というたとえ話をした。

これをもう少し踏み込む。北条氏にマシンガンを3,000丁渡す場合と、北条氏に3,000丁のマシンガン+技術者+製造設備を渡す場合の違いだ。

ただマシンガンを渡しただけなら、故障やなんやらで少しずつ3,000丁の稼働率は下がるだろう。しかし技術者と製造設備があれば、修理や微調整やバージョンアップが常にできる。周囲との差別化はずっと維持されるだろう。

 

IT化も同じだ。システムを外注してIT化がなされたところで、トラブルは常に起こる。システムは常に修正、バージョンアップが必要だ。その度に外注先に依頼するのは効率が悪い。

その点、システムが自社内のエンジニアによって作られていれば、トラブルの対応は早い。微調整やバージョンアップも社内のニーズに合わせて素早くなされるだろう。

 

アズームのシステムは社内で作られている。

2020年6月現在のアズーム社内には、ITのためのエンジニアが40名いる。このエンジニア達が駐車場の管理システムを常に改善している。

 

IT人材というのは希少な人材で、採用するのが難しい。しかしアズームは近年ベトナムハノイ大学からITエンジニアを採用している。このベトナム人エンジニアを採用することで「社内のシステムの改善速度が加速度的に速くなって来ている」らしい。2020年6月14日に公開された「Japan stock chanel」というYoutubeの番組で社長が自分で言っていた。

 

ついでにもうひとつ。アズームはコールセンターも社内に置いている。

一般的にコールセンターはBPOとして外注する事が多いが、きめ細かく対応するためにこれも内製化している訳だ。その分コストはかかるだろうけど、きめ細かく対応するという目的にはかなっている。

 

 

6.まとめ

・受託台数は商品仕入れ数、それに稼働率をかけたものが売上

・借り手の付きやすい駐車場を仕入れて確実に貸すのが稼働率維持に必要

・そのためにITの力を使っているのがアズーム

・遅れている業界だからこそITは強い差別化になる

・エンジニアを採用し内製化されたシステムこそより強い

 

 

 ↓ タイムセールやってます。この機会にどうぞ。

アズームを買った理由⑤ バリエーションについて

猫に小判のイラスト

1.アズームの企業価値

アズームの2020年9月の予想売上は39億2,800万円。予想営業利益は1億9,000万円、予想純利益は1億1,700万円だ。

それに対し、2020年7月17日現在の株価は4,095円、時価総額は59.8億円だ。

ここから計算される予想PERは52.25倍となる。

 

PERから考えるとアズームの株価は随分高い。この数字だけ見ると、とてもじゃないけど買うことが出来ない。

 

しかしアズームは成長している。

次年度である2021年9月の予想売上は49億円、予想営業利益は5億2,000万円。

2022年9月の予想売上は63億円、予想営業利益は9億円。

アズームはそんな数字を予想している。

 

2年と少し後に営業利益が9億円という数字が実現した場合、その純利益は5億4,000万円くらいになるだろう。

純利益が5億4,000万円なら、PER20倍で時価総額108億円、PER30倍で162億円、PER40倍まで評価されるなら216億円という事になる。これは現在の時価総額の3.5倍だ。

 

2年後に株価が3.5倍になるのなら素晴らしい。

本当に売上63億円、営業利益9億円が達成されるのであれば、株価3.5倍は十分現実的だ。本当に達成されるのであれば、だけど。

ならばその可能性を計算して検討していけばいい。

 

 

2.2022年4Qまでの四半期ごとのセグメント売上

アズームのコアとなる事業は月極駐車場のサブリースだ。駐車場マッチングサービスもやっているが、サブリースが売上高の85%を占めている。

「紹介」「サブリース」「その他」に分けた過去の四半期ごとの売上高の推移は以下の通りだ。

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グラフの通り、サブリース事業のみが一貫して成長している。

サブリース事業はストック性も高く、一度契約が成立すれば営業なしで定期的にお金が入ってくる。マッチングサービスはサブリースへ送客するための事業とすら言える。

 

2022年の会社の売上予想が実現するためには、サブリース事業が今後も一貫して伸びる必要がある。

具体的に、2020年9月の予想売上39億2,800万円が2022年に63億円になるためには、次のグラフのようになる必要がある。

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このグラフの2020年2Qまでは実現した実際の数字を使用した。それ以降は会社予想の数字から四半期ごとに必要になる数字を計算した。

その結果、とても綺麗な右肩上がりのグラフが出来た。

 

 

3.サブリース事業の成長には受託台数の積み上げが必要

次はこのグラフが本当に実現できるか、という検討に入る。実現のために必要なことは、サブリース事業の成長だ。

紹介やその他の事業については枝葉末節として将来予測から外した。

 

サブリースのためには、まずオーナーから駐車場を借りてくる必要がある。売るものが無い限り売上は立たない。アズームが借りている駐車場の数は「受託台数」というKPIとして四半期ごとに発表されている。

売上を伸ばすためには、この受託台数を伸ばすことが絶対条件だ。

 

 

過去の受託台数のグラフは以前示した。

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 将来の受託台数は、2020年4Q末で12,200台、2021年4Q末で15,800台、2022年4Q末で20,500台と予想している。これをグラフにすると以下のようになる。

会社はこの受託台数が確保できれば、予想通りの売上が成り立つと考えている。

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 グラフの隙間の数字を計算して予想するとこうなる。

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受託台数は過去一貫して伸びている。一度受託した駐車場がその後契約を解除する事もあると思うが、それほど割合としては多くないのだろう。

受託台数は積み上がっていくタイプのKPIだ。

 

では、四半期ごとにどれほどの新規受託台数を積み上げていけば良いか?

2019年1Q~2020年2Qまでの実績と、その後の必要とされる新規受託台数を計算して作ったグラフがこれだ。

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・・・私のポートフォリオで最も資金を集中させているアズームだけど、株主としてもさすがにこれは達成がキツいんじゃないか?と思えてくる。2020年2Qまでの現実の数字と、3Q以降の予定の数字が乖離しすぎている。

 

勝手に目標達成を1年後倒しにしてみると、四半期ごとに積み上げが必要な受託台数はこんなふうになる。

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これなら十分に達成可能なんじゃないだろうか。

 

ざっくりと説明した以上のような計算で、私はアズームの2023年4Qの数字を以下のように予想した。

売上高 63億円、原価率 60%、販管費 16.2億円、営業利益 9億円、純利益 5.4億円。

PER30倍で評価されるとすると、時価総額162億円。株価は現在の2.7倍である11,093円という事になる。

 

かなり控えめに計算したつもりだけど、このくらいは固いと思っている。

私の予想通りならアズームは3年以内に中期計画を見直す事になるし、そうなれば発表時の株価の下落は避けられないだろう。

それでも「2023年まで持てば株価2.7倍」というのは私にとって十分なリターンだ。だからそれまでホールドする予定だ。

 

実際はどうなるか、もちろんわからない。

 

 

 経済の本を色々書いている橘玲さんの小説です。

      絶対の自信をもっておすすめします。私の評価は「ハゲタカ」以上です。

      ハゲタカが好きな方は必読です。

 

アズームを買った理由④ 駐車場業界について

不動産屋の建物のイラスト

1.駐車場業界の成長

駐車場業界は成長が著しい。そう言われてもピンとこない方も多いと思う。

日本の人口は減少に向かっているし、「若者の車離れ」といった言葉は随分前から聞こえてくる。実際自動車の保有台数はここ15年くらい増えていない。

 

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 http://www.arclink.co.jp/parking/%E3%82%B3%E3%83%AC%E3%81%8B%E3%82%89%E3%81%AE%E5%9C%9F%E5%9C%B0%E6%B4%BB%E7%94%A8%E3%82%92%E8%80%83%E3%81%88%E3%82%8B/

 

自動車保有台数は頭打ち。それなのに駐車場業界だけが成長している。ちょっと意味がわからないけど、実際成長している。

下のグラフは駐車場業界の売上の推移だ。

f:id:nigatsudo:20200713205642p:plain

https://gyokai-search.com/3-parking.html

きれいな右肩上がりのグラフが確認できる。 グラフには縦軸の数字が付いていないが、2018年で駐車場業界の業界規模は3,563億円となっている。

 

自動車の台数が増えていないのに駐車場業界だけが成長している。なぜこんな事が起きるのか?疑り深い方はリンクを踏んで参照元を確認してくれたと思う。すると、以下のような文章があることに気付く。

2018年-2019年の駐車場業界の業界規模(主要対象企業4社の売上高の合計)は3,563億円となっています。」

このグラフの業界規模とは、駐車場業界主要4社の売上高の合計の事を示している事がわかる。そしてこの主要4社のうち、トップであるパーク24のシェアは83.8%と圧倒的だ。

駐車場業界の成長とは、パーク24の成長。その理解で問題ないだろう。

 

 

パーク24をはじめとする大手駐車場業界の企業が売上を伸ばしてきた理由は何か。それについて考えてみる。

 

 

2.町の不動産屋さんは駐車場が嫌い

アパートやマンションを借りる時と同様に、駐車場も不動産屋の仲介によって借りる事が多い。町の不動産屋に出かけて、希望に沿った場所と料金の駐車場を探して借りる。

駐車場の仲介もアパートと同じように、不動産屋に賃料1ヶ月分の礼金を払うことが多いらしい。

 

しかし不動産屋は駐車場の仲介が嫌いだ。お金にならないからだ。

仲介することによって1ヶ月分の手数料が入る。1ヶ月の賃料1万円の駐車場の仲介と、1ヶ月の家賃8万円のアパート。同じような手間でアパートのほうが8倍の手数料になる。それならアパートの仲介をメイン業務にしたくなるだろう。

 

町の不動産屋というやる気のない業者に仲介を頼むくらいなら、駐車場が専門のやる気のある大手業者に頼んだほうがいい。

そうやって町の不動産屋という無数の小さな駐車場業者の業務を吸収し、パーク24などの企業は大きくなってきた。そう考えていいと思う。

 

 

3.駐車場が余っているという話

駐車場業界が伸びているというが、駐車場が余っているという話も存在する。 

前々回の記事にも上げた国土交通省の資料だ。車は減っているのに駐車場が増えている。 その傾向は東京23区内などの都会ほど強いようだ。

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4.駐車場が足りないという話

逆に、駐車場が足りないという話もある。

2016年1月に3大都市圏(東京都、愛知県、大阪府)在住の20代~60代、週に1回以上自動車を運転する男女656名を対象に行った、駐車場に関するアンケート調査の結果がある。

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 https://seed.nagoya/materials/research2_20160405.pdf

空いている駐車場がなくて困っている人は日常的に存在する。 

 

 

駐車場が足りないという話をもうひとつ。

ご存知の方も多い「すぽさん投資ブログ」に、今年のパーク24の株主総会についての記事がある。

その質疑応答でパーク24の社員の方がこう話している。

 

「駐車場事業は実は需要が非常に大きく、供給が追い付いていないという大きな背景がある。東名阪では2100万台必要と言われているが、実際は700万台しか供給できていない。このためどうやって「上手に仕入れるか」ということがポイントになっている。」

https://spotoushi.net/archives/81227417.html

 

業界最大手であるパーク24も、駐車場が足りないという認識でいるようだ。 

両方とも月極駐車場ではなく、時間貸しの駐車場の話ではあるんだけど。

 

 

5.結論:マッチングが悪い

駐車場業界が成長しているという話。駐車場が余っているという話と、足りないという話。 なんだか話が矛盾している。なんでこんな事が起こるのか。

 

それはやはりマッチングが悪いからだろう。

車で通勤する人は、会社のすぐそばに駐車場を借りたい。会社から1kmも離れた所に借りたくない。

借りる人はひとりひとり希望の場所がバラバラだ。しかしそれに見合う駐車場が都合よくあるとは限らない。需要のない場所にどれだけ供給されても、駐車場不足は全く解消されない。

 

そして、仲介業者である不動産屋は駐車場が嫌いだ。

現在の駐車場仲介のEC化率は7%に留まっている。残りの93%は、現在も不動産屋をはじめとする店頭で仲介されている。駐車場が嫌いな不動産屋が、利用者にとってベストな駐車場のために奔走してくれるとは思えない。

 

これらの結果、余っている駐車場と、満たされない駐車場需要が併存している。

私はそう考えている。

アズームは、この駐車場の需要と供給をうまくマッチングさせることで成長している。

 

 

6.次回予告

アズームの駐車場マッチングのためのITについても書く予定だったけど、長くなったのでこのへんで終わります。

 

次回は、アズームの将来の売上や利益の予想とバリエーションについて書きたいと思います。私が、現在のアズーム時価総額60億円を激安だと判断している理由です。

 

 

 「世界倒産図鑑」

ひと月前に読んだ本です。企業の誕生から倒産までの長い話をコンパクトにまとめ、その経緯を上手く抽象化して教訓を引き出してます。とてもおもしろかった。倒産の教訓は投資家にとってとても有用だと思います。

 

アズームを買った理由③ 駐車場の借り手を見つける

車好きのイラスト(女性)

1.マッチングサービス事業

ビジネスを分析するときは「お金を払うのは誰か」という事を十分考えなくてはいけない。アズームのビジネスについては簡単だ。駐車場を借りるひとが月額でお金を払う。

借りる人がいなければアズームが借り上げた駐車場は賃料を支払う一方になる。それでは赤字なので、借り手を見つけてくる必要がある。

借り手を見つけるためにやっているのがアズームのマッチングサービス事業だ。

 

アズームは「Car Parking」という月極駐車場検索サイトを運営している。

駐車場を借りたい人がこのサイトで検索する。アズーム側が借り手にちょうどいい駐車場を提案し、契約する。その際、駐車場料金1ヶ月分のお金を紹介料として受け取る。

これがアズームのマッチングサービス事業のビジネスだ。マッチングサービス事業は、アズームの売上の10%程度を占めている。

 

このサイトが掲載している月極駐車場の総数は、2020年7月5日現在で41,269件。一方アズームが受託しているサブリース駐車場は、2020年2Q時点で10,551件。後述するが、サブリース駐車場の稼働率は90%程度なので、空いている駐車場は10%となる。計算すると、アズームの自社物件は1,055件しか掲載されていない事になる。これはサイトが掲載している駐車場の2.6%に過ぎない。

マッチングサービス事業が仲介しているのは、ほとんどが他社物件という事だ。

 

一方、駐車場マッチングサービスはかなり人手がかかるビジネスらしい。ひとりひとりのお客に、場所や駐車場のタイプや期間などを確認し、契約を結ぶことでようやく紹介料が手に入る。アズーム社長も「マッチングサービス事業は労働集約型事業」と決算説明会で話している。アズームの採用サイトや社員のインタビューを見ても、社員の多くがマッチングサービス事業の営業職に就いているようだ。

 

人件費と手間をかけて、他社の駐車場の紹介をして、受け取るのは1ヶ月分の紹介料のみ。あまり効率的な事業ではない。

だけど、それが重要なんだ。

 

 

2.月極駐車場のプラットフォーマーの地位を目指す

アズームのコアとなる事業は駐車場のサブリースだ。サブリースは、借りてきた駐車場が貸し出されてはじめてお金が入る。借り手が見つからなければ赤字になる。

サブリースの駐車場がどれほど貸し出されているか、というのは重要なKPIだ。これは決算書などに「稼働率」として四半期ごとに発表されている。


過去の稼働率をグラフにしてみた。

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稼働率は86~91%の間を推移している。

当然だが、稼働率は利益率に直結する。これを高く維持することが、アズームのビジネスにとってとても重要だ。空きが出来たらすぐに新しい借り手を探さなければいけない。
この稼働率を高く維持するためにマッチングサービス事業が存在する。

 

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これは2018年の決算説明会のスライドだ。
駐車場の紹介数増加が、サブリース稼働率上昇とストック収益増加につながる事が示されている。

2018年12月21日のオンライン決算説明会で、社長が話していた。
「駐車場の紹介はフロービジネスであり、労働集約型事業でもある。でもそれを頑張ってプラットフォーマーになる。プラットフォーマーになるためには人員がいる。」
マッチングサービス事業は人員をかけた泥臭いビジネスだが、それを地道にやり続けることでサブリース事業の安定稼働が成り立つ。

実際アズームは、マッチングサービス事業に営業の人員を多数配属しているだけでなく、コールセンターも外部に委託せずに社内でやっている。マッチングサービスの品質を上げるための施策だと思ってる。

アズームの社長はやるべき仕事をわかっている。

 

 

3.プラットフォーマーになれたのか?

それで、実際にプラットフォーマーになれたのか?

駐車場を借りたい人の立場に立って考えてみる。
借りたいと思った時、ほとんどの人がGoogleなどで検索するのではないだろうか。そこでの検索順位がプラットフォーマーとしての地位と考えていいだろう。

Googleで「月極駐車場」と検索するとこうなる。

 

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1位 月極駐車場どっとこむ
2位 タイムズ
3位 駐マップ
4位 アットパーキング
  ↓
 画面をスクロールして
  ↓
9位 カーパーキング

 

9位・・・。この結果はツラい。


シェアーズレポートでも、駐車場の検索サイトとしての知名度が低いことをアズームの弱みにあげている。

https://sharedresearch.jp/system/report_updates/pdfs/000/032/504/original/3496_JP_20200601.pdf?1590992370

 

 

しかし、本当に駐車場を借りたい人が、「月極駐車場」と検索する事はないだろう。
「月極駐車場 地名」で検索するのが一般的だと考える。

というわけで、試しにGoogleで「月極駐車場 大手町」と入れてみる。するとこうなる。

 

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東京都の大手町をイメージしていたが、広島市の大手町も含めてカーパーキングが1位と2位を独占している。


いろいろ試してみたが、「上野」「六本木」「赤坂」などの狭い地域で検索ランキング1位になることが多いようだ。「港区」「新宿区」と、すこし広くすると2位。もっと広くして「東京」と入れても2位だった。

 

「月極駐車場」という大きな検索ワードでは弱い。しかし実際に駐車場を探す人が検索するだろう「月極駐車場 (狭い地域)」では、ほとんど1位だった。
これは株主として十分満足できる結果だ。

 

 

もうひとつ。
信用やブランドを考えて直接企業を選ぶ人もいるかも知れない。
Googleで「月極駐車場」と打って検索候補を示させてみると、こうなった。

 

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やっぱりタイムズのブランドは強い。「どっとこむ」のブランドで検索する人もそれなりにいるようだ。


ちなみに「月極駐車場 検索 神奈川」「月極駐車場 問い合わせ」「月極駐車場 空き待ち」「月極駐車場 大阪」での検索順位は、カーパーキングがそれぞれ1位、1位、2位、3位だった。悪くない結果だろう。

 


検索順位と並んでもうひとつ。掲載件数についても調べてみた。掲載件数が少ないサイトはプラットフォーマーになることは出来ない。
大手でも掲載件数を公開していないサイトもある。公開しているものだけを列挙するとこうなった。


1位 カーパーキング  41,269件
2位 駐マップ     30,340件
3位 アットパーキング 29,419件

 

堂々の1位だ。
「駐車場ドットコム」と「タイムズ」の掲載件数は公開されていないのだけど。

 


4.まとめと次回予告

・マッチングサービス事業は売上の割には人手がかかる

・しかしマッチングサービス事業はサブリース事業を成り立たせるための重要なパーツ

・運営している「カーパーキング」というサイトの検索順位ヨシ

・引き続きプラットフォーマーとしての地位を固めるために頑張ってください

 


これでサブリース駐車場の「貸し手」「借り手」について書きました。
次回はアズームを含む「仲介者」について書きます。もちろん競合も含めて。

 

 

  銀河英雄伝説1巻がKindleで110円。買ってしまった。
          読み始めるとヤバそうなのでしばらく積んどくですが。

アズームを買った理由② 駐車場の貸し手

立体駐車場(機械式)

1.駐車場を貸してくれる人は増えたか

アズームのコアとなるビジネスは駐車場のサブリースだ。他にも事業はやっているけど、駐車場のサブリース事業が売上の85%を占めている。だからまずはこの駐車場サブリース事業について見ていく。

 

サブリース事業が成長するためには、駐車場を貸してくれる人が増えなくてはいけない。売る商品がなければ売上は伸びないのだから。

貸すために借りている駐車場の数を、アズームは「受託台数」という数字で発表している。その数字をグラフに表したのがこれだ。

 

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上場して日が浅い企業なので、過去の数字はあまり明らかではない。

しかし順調に伸びている事は見て取れる。四半期毎に300~750台程度で増加している。前年同期比では20~26%で伸びている。

この受託台数の成長はアズームの成長そのものだと考えている。

少なくとも今までは確実に伸びてきているのがわかる。

 

 

2.アズームに駐車場を貸す人は増えるか

アズームに駐車場を貸すのは、オフィスビルのオーナーやマンションの管理組合だ。オフィスビルが47%、マンションが47%、その他が6%程度だ。

オフィスビルもマンションも、建設する時に駐車場を併設する義務がある。附置義務駐車場というやつだ。例えば東京都の場合、マンションを建築する時は床面積350平米あたり1台の駐車場を設置する義務がある。1戸50平米のマンションなら、7戸で1台だ。

 

しかし自動車保有率は減少している。一方、マンションを建築するたびに附置義務駐車場は供給されていく。その結果、駐車場の稼働率は下がってきている。都心の一等地に何のお金も産まない空間が遊んでいることになる。この状態は「附置義務駐車場の過剰供給が社会的損失を発生させている」と、国土交通省が認めているくらいだ。

 

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https://www.mlit.go.jp/common/001201346.pdf

 

都心での車の保有率はこれからも下がる。借り手のいない駐車場は、マンションが新しく建築される限り増え続ける。アズームへの駐車場の貸し手が減ることは考えにくい。

 

 

3.アズームに駐車場を貸す人のメリット

いくら駐車場がダブついても、オーナーにメリットがなければ貸す事はない。駐車場のオーナーにとって、アズームに駐車場を貸すとどのようなメリットがあるのか、列挙してみた。

 

① 安定した賃料が入ってくる

駐車場もマンションも、借りてくれる人がいない限り賃料は入ってこない。しかし、もともとダブついている駐車場なのだから借り手がいない。そんな空き駐車場を一括して借りてくれるのがアズームだ。解約されてまた空室になる事もない。安定したキャッシュフローはオーナーにとって魅力だろう。

なお、アズームは賃料の60%を駐車場オーナーに支払っている。20,000円で貸す駐車場に、12,000円の賃料を払っている訳だ。これは同業他社の50%と比較して高いとの事だ。

 

② 必要になったらいつでも返してくれる

もし車を所有する人がマンションに大挙して入居してきた場合、駐車場は返却される。3ヶ月前の申請が必要なのだが、いつでも返してもらえるという制度は貸し手にとって魅力だろう。借り手が現れるまでは安定した賃料を受け取り、現れた後は相場通りの高い賃料を受け取ることが出来るのだから。
ちなみに、アズームの方からの解約はこれまで1件もないそうだ。

 

③ 面倒な手続きは必要ない

空いている駐車場を借りてくれる客を探すのは大変だ。客を見つけた後は、契約書を作ったり、月々の料金を受け取る手続きをしたり、滞納に対応したり、トラブルに対応したりと、面倒なことが目白押しになる。

そんな面倒なことは、それ専門のプロに任せてしまいたい。アズームがその面倒を代行してくれる。

 

 

4.まとめと次回予告

このような背景から、アズームの駐車場受託台数は今後も伸びると予想している。受託台数はアズームにとって最も重要なKPIだ。これが順調に伸びている限り、アズームは成長していると判断できる。前年同期比+25%で増えるなら、3年で売上が2倍になるのだから。

 

今回は駐車場の貸し手について書いた。

次回は借り手について書く予定。

アズームはいかにして駐車場の借り手を見つけてくるのか、という話です。

 

 

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