中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

INFORICHを買ったわけ⑥・・・沖縄の話

琉球舞踊のイラスト

1.競合他社その⑤ 充電GO

「充電GO」もモバイルバッテリーシェアリングサービスのひとつだ。

サービス内容もINFORICHとほぼ同じ。料金は24時間で220円から。


充電GOのサービスを提供しているのはインタラクティブ株式会社だ。スマホバッテリーレンタル以外にも、求人マッチングサービスやデジタルマーケティングなどの事業も行っている。

その本社は沖縄県にあり、バッテリースタンドもほぼ沖縄県だけに存在する。

 

サイトをみると「県内1000箇所」と書いてあるが、「*順次設置予定」とも書いてある。

 

実際はどのくらの数があるのだろうかと調べてみた。

インタラクティブ株式会社が自ら行ってる求人マッチングサービスの自社ページにこんな記載があった。

少なくとも沖縄県内に500ヶ所以上のバッテリースタンドがあるようだ。

 

一方沖縄にあるINFORICHのバッテリースタンド数はどのくらいだろうか。WebサイトのMAPで確認できる。

沖縄本島に287ヶ所、先島諸島に34ヶ所。合計321ヶ所になる。

沖縄県内でのバッテリースタンド数は充電GOの方がチャージスポットより多い。

 

 

そして価格面での攻勢も強い。

もともとの料金は充電GOは24時間220円、チャージスポットは24時間540円だ。

 

それ以上に充電GOはキャンペーンを連発している。

 

 

今年の3月は24時間15円で借りることができた。

5月と6月にも沖縄県民限定ではあるが24時間15円で借りることができた。

7月は1時間15円のキャンペーンをやっていた。

 

そして8月と9月は毎週1回、24時間レンタル無料のクーポンを配っている。

 

なかなかエグい。

沖縄のバッテリースタンドのシェアトップでありながらこれほどまでの攻勢をかけている。沖縄県内の支配を確実なものにするという強い意志を感じる。

 

 

これはさすがにチャージスポットは苦戦しているだろう。

そう考えて沖縄各所のバッテリースタンドの貸出状況を確認してみた。

 

すると、案外そうでもなかった。

どこのスタンドもそこそこ借りられているのだ。

上のスクショはチャージスポットのアプリの地図だ。撮影は9/18の正午。

国際通りにあるセブンイレブンの状況が示されているが、バッテリーの半分は貸出中だ。

国際通りのような観光地以外でも普通に貸し出されてる。チャージスポットがそんなに苦戦している印象はない。

 

 

2.いったいどうして?

沖縄県では充電GOのの方がバッテリースタンドの数も多いし料金も安い。

それでもチャージスポットが利用されているのはどうしてだろう。

 

私の考えた仮説は以下の通り。

沖縄県には毎月60万人以上の旅行者が日本全国から流入している。

この観光客が利用している可能性について検討してみた。

 

令和元年の旅行者の平均滞在日数は3.68日というデータがある。なので平均して73,600人の旅行者が沖縄県に滞在していると計算できる。

73,600人を沖縄県内のチャージスポットのバッテリースタンド数321ヶ所で割ると、1台あたり229人の観光客がいることになる。

旅行中はスマホをよく使うだろう。バッテリー切れのリスクはいつもより大きいし、その悪影響はいつもよりずっと大きい。

229人のうちの3%がチャージスポットを利用すると仮定すると、バッテリースタンド1台あたり7人弱の利用者がいることになる。

 

出発前からチャージスポットを利用している人は旅行中も利用するだろう。

モバイルバッテリーシェアリングが提供する価値は「便利さ」だ。3泊4日の観光旅行だけのために充電GOのアプリをダウンロードする人は少数派だと考える。

 

沖縄旅行中に初めてバッテリー切れを起こした旅行者が、解決策として最初に想起するのがチャージスポットである可能性も高い。近くのコンビニに駆け込み、初めて利用する事で今後の継続利用につながるという事もありそうだ。

 

そうすると、もうこれだけで充分な気がする。沖縄県でのチャージスポットの事業は観光客だけでも充分ペイする可能性があると思う。

 

実際の所はわからない。

ちょっと沖縄県の状況を会社側に聞いてみたいところだ。

 

 

えっ!

9月27日の湘南投資勉強会にINFORICHの秋山社長が登壇されるんですか!

なんてタイムリーな話でしょう!これは正座待機するしかないですね!!

 

 

3.競合他社まとめ

INFORICHはバッテリースタンド設置シェア率82%を占めている。

これはビジネスの立ち上げの段階で思い切った投資を行った結果だ。コロナの逆風の中でも怯むこと無くバッテリースタンドを設置し続けた。

その果実を回収する時期はこれからだ。

 

競合他社にとっては打つ手がない。これから100億円かけてバッテリースタンドを設置したところでようやくINFORICHと対等になるだけだ。

対等になったところで競争が激化する。中国の怪獣充電のように赤字化する可能性も高い。そんなハイリスク・ローリターンの投資は合理的だとは思えない。

 

さらに言えばINFORICHはコンビニや鉄道駅などの「オセロの角」を押さえてしまっている。例えばファミリーマート以外のコンビニにはチャージスポット以外のバッテリースタンドが置けない。そういう排他的な契約を結んでいるからだ。

 

オセロで4つの角を押さえられた後に逆転するのはほぼ無理だ。

 

というわけで、沖縄以外の場所でINFORICHの優位性が切り崩される可能性はほとんどないと考えている。

 

 

 

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