中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

2022年を振り返る②・・モビルスを買ったわけ

クリスマスに働く人のイラスト

1.メリークリスマス

みなさんクリスマスを楽しんでいますか?

私は仕事です。昨日は券売機でチケットを買うタイプの店でひとり夕食を済ませました。

そして今日も、自分の古傷をえぐるような記事を書いてます。ツラい。

 

でも気にせずに本題に入りましょう。

ビルスを買った理由についてです。

 

 

2.モビルスが解決する課題

ビルスを買ったのは「企業と消費者のコンタクトにまつわる痛み」という課題を解決するサービスを提供しているからだ。

 

商品を買ったけど上手く使えない。

とりあえずネットで調べるけどよくわからない。

電話で問い合わせようとするが、受付時間は平日の昼間だけだ。

仕方がないから昼休みに電話するが、全然つながらない。ひたすら「お待ち下さい」の音楽が流れてるだけ。そんな事をしているうちに昼休みが終わる。とてもイラつく。その企業も商品もクソだと考えるようになる。

 

こんな経験は誰にでもあるだろう。

この経験は商品や企業のイメージを大きく損なう。

 

 

企業もその事はわかっている。できれば顧客の問い合わせにはスマートに対応したい。顧客の満足度を上げたい。自社の商品やサービスはその機能を十分に利用して欲しい。

顧客が満足するからこそ自社の商品を使い続けてもらえるのだから。

 

電話対応の回線を増やせば繋がりにくさは改善される。

しかしそのためには莫大なコストがかかる。コールセンターは労働集約的な業態であり、人をたくさん集める必要がある。

電話対応には声のトレーニングが必要になるし、扱っている商品やサービスの内容や仕様変更の知識も必要になる。

人を集めた後も、人材育成に時間と手間がかかる訳だ。

 

そして何より、不満を持った消費者の電話対応は大きなストレスになる。

ただでさえ不満を持って電話をかけている消費者が、繋がらなない電話によって更にイライラを増幅させてくる。電話のオペレーターはそれを正面から受け止めることになる。

 

これはBewithというコールセンターBPOサービス企業の決算説明会資料だ。

 

「オペレーターの退職率4.0%」という数字があるが、これは年間退職率ではなくて月間退職率だ。月間退職率4.0%なら、年間の退職率は52.4%になる。

どれだけストレスフルな職業かという事が理解できるだろう。

 

企業と消費者のコンタクトは非常に重要だ。それなのにそこには大きな痛みがある。

この企業と消費者の双方のストレスを解消するのがモビルスの提供する価値だ。

 

 

3.痛みを解消する具体的な手段

企業と消費者の痛みを解消するために、モビルスが提供する具体的な手段は「有人チャットサービスを核としたテキスト化」だ。

つまり電話による音声での対応ではなく、チャットによる文字での対応へシフトするわけだ。

 

電話で、声による対応が絶対に必要な要件はある。

しかし、コールセンターにかかってくる電話のなかで、本当に電話対応が必要になる案件は半分以下だ。

 

例えば予約、予約確認、住所変更、プラン変更、パスワード忘却、パスワード変更などの単純な業務は電話で対応する必要がない。テキストで十分なはずだ。

これらの定型的な処理をテキスト化、自動化することで、本当に電話対応が必要になる顧客にのみ人の力を当てる事を提案する。これだけで「つながらない、待たされる」というストレスは半減する。

 

他にもテキストによる対応は以下のようなメリットがある。

・チャットは1人のオペレーターが複数の消費者を同時対応することが可能。

・問い合わせ内容を調べて対応する時間的余裕ができる。

・難しい問い合わせはベテランに振ることもスムーズ。

・声のトレーニングが必要ない。

・何より電話口で怒鳴られることがなくなる。同じ内容でもテキストを読むのはストレスが小さい。

・外国語対応が楽

・テキストは写真や図を入れることが可能。口頭で説明するより理解されやすい

・テキストは記録に残るため、後から見直す事が可能

・電話よりずっと通信費が安くなる

 

企業にとってはコストダウンと人材不足の解消が図れる。消費者にとっては必要な情報の入手や手続きをスムーズに行うことが出来る。モビルスはサービスを提供することで利益を上げる。

 

そんな三方良しの未来を見た。

 

 

4.モビルスの提供する具体的なサービス

ビルスは「有人チャットサービスを核としたテキスト化で、企業と消費者のコンタクトにまつわる痛みを解消」しようとしている。その目的を実現するために複数のサービスをSaaSで提供している。順番に説明していく。

 

「MOBI AGENT」

核となる有人チャットサービス。

稼働率その他のKPIを抽出しチーム状況がモニターされる。アクセスがどのくらいあったか、生産性の改善がどれだけあったかを確認できる機能がついている。チャットオペレーターへの支援として、サポートAIが付く。個人情報マスキングができる。在宅勤務へのサポートがある。セールスフォースとの連携が可能。

 

「MOBI BOT

チャットボット。申請や手続きの自動化が可能。有人チャットサービスであるMOBI AGENTを教師データとしてAIを育て、BOTに利用することができる。他社の様々なAIエンジンが利用可能。シナリオ管理もできる。RPAとの連携も可能。過去5年にわたってチャットボットのシェアトップで、2021年はシェア14.7%だった。

 

「MOBI VOICE」

電話自動応答サービス。同時着信100件まで可能。シナリオ変更は5分で可能。飲食店の予約やその変更、自治体の災害時対応等の利用が多い。

 

「MOBI CAST」

チャットボットや有人チャットサービスをLINEで行う。LINEの友達登録をすればいつでもつながる。パスワードやIDを入れる必要がない。

 

これらのサービスを組み合わせて、企業と消費者の痛みを取り除こうとしている。

 

 

5.次回予告

でも企業のチャットっていろんなところがやってるよね?

チャットボットを提供してる企業なんて50社以上あるよ?

それなのに何ででモビルスを買ったの??

 

そんな疑問について、次回答えます。競合との比較について書きます。

まあ、結果的にモビルスへの投資は今年最大の損失を出したんですけどね。

 

 

マネーボール

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