中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

2022年を振り返る④・・モビルスへ投資したお金が減っていった過程

お金をドブに捨てる人のイラスト(男性)

1.暴落に次ぐ暴落

株価が下がり続けていたモビルスを買い向かった。その結果お金は減った。

一番最初の打診買いから見ると五分の二まで減っている。ロットもそこそこ入れていたのでダメージは甚大だった。

 

 

チャートに入れた赤い矢印が買ったところだ。

株価が下がっていく経過を振り返ってみる。

 

① 2022年度1Q

まずは2022年1月14日、2022年度の1Q決算だ。

売上高はYoY +22%、契約数はYoY +53%、ARRはYoY +37%。

売上高こそ前年度4QのYoY +30%から見劣りするが、SaaSの売上高はYoY +37%。

解約率も0.75%と低下していたし、特に問題ない数字だと判断した。

 

しかし株価はストップ安に張り付いた。

前日に994円だった株価は10日間ほどで654円まで下がった。

おそらく市場はもっと高い成長を期待していたのだろう。

 

私が買った理由は失われていない。数字も悪くない。

そう判断して買い増しした。特に怖い感じはしていなかった。

その後株価は900円くらいまで戻した。

 

 

② 2022年度2Q

4月14日、2Q決算の発表があった。

売上高はYoY +36%、契約数はYoY +43%、ARRはYoY +35%。

SaaSの売上高はYoY +44%。解約率 0.97%。

計画に対する進捗率も昨年以上で、特に問題ない数字だと判断した。

 

しかし株価は再び下がり、一時660円に到達した。

さすがに買い増しする余力も気力も失われていたが、売る理由にもならなかったので静観した。

 

決算説明会の動画を視聴したところ、少し気になることを言っていた。

「新規顧客獲得がなかなか進まない。テキスト化が想定以下にしか進まない。アーリーアダプターの段階が終わってメインストリームに入り始めたが、キャズムに陥ってる」

石井社長がそんな事を話していたのだ。

 

「正直だなあ」

そんな感想を抱いた。ポジティブな感想だ。

 

 

③ 2022年度3Q、下方修正

7月15日、3Q決算の発表があった。同日通期の下方修正が行われた。

売上は1,506百万円から1,586百万へと上方修正。

しかし営利は280百万円から200百万円、マイナス28.6%の下方修正。

純利は212百万円から129百万円と、マイナス39.2%の下方修正だった。

 

「戦略変更に伴うマーケ活動の強化と営業力強化のための人材投資による販管費増加」がその一番の理由のようだ。

 

下方修正よりずっと気になったのはARRの推移と契約数の推移だ。

「大企業向けが多くなってリードタイムが延伸し、成長が一時的に鈍化」

などと書いてあるが、一時的かどうかなんて誰もわからない。

 

利益の下方修正は特に問題ない。しかし売上成長鈍化は致命的だ。そう考えた。

 

翌日はストップ安。私も3割ほど投げた。

Twitterを見てもこの決算を受けて投げたホルダーは多かったようだ。

 

 

そして気になる文章がもうひとつ。

「投資計画の詳細は2022年8月期決算発表時に改めて中期経営計画として開示を行う予定です」

「中期経営計画においても高成長のための投資を行いつつ、かつ利益を創出し続ける事業運営を行う想定でおります」

 

「この文章、どうみても減益の中経出してくるよ!」

交流のある投資家さんからそんな忠告を受けた。

忠告を受けながらも、残り7割のポジションはそのままにしておいた。これ以上下げたところで下値は限定的だろう、そんな風に考えたからだ。

 

 

④ 2022年度4Q、中経発表

10月14日、4Q決算の発表があった。同時に中経も発表された。

 

売上はCAGR 30%以上を目指す。そのためにがっつり投資するから2023年度と2024年度はほぼ利益を出さないよ。

中経にはそう書いてあった。

 

来期予想の数字は更に具体的だ。

「成長加速に向けて最大限の投資を実施予定」とある。

純利益がほぼトントンになるまでアクセルを踏むとのことだ。

 

 

これを受けて、発表前588円の株価は517円になった。

 

しかし、3Qで一番気になっていた成長の鈍化は解消されていように見えた。

 

3Q発表時に石井社長の言ってた事は嘘じゃなかった。ちゃんと筋が通っている。

 

 

⑤ そして現在

2023年1月13日に1Qの発表があった。

ARRの成長は4Qの時と変わらず続いている。

発表前の株価は505円。時価総額は30億円。

これ以上は下がらないと考えているのだけどどうだろう。

 

前回と前々回で書いた仮説は崩れていない。

仮説が崩れない限りはHoldするというのが私の投資戦略なんだけど実に悩ましい。

悩みながらもHoldを続けているのが現在の状況だ。

 

今回の記事に貼り付ける「いらすとや」のイラスト、「お金をドブに捨てる人」というタイトルだった。ここまでピッタリしたイラストを用意しているいらすとやは流石だ。

 

 

2.次回予告など

お金が減っていった過程は以上だ。

しかし重要なのは「どうしてそうなったか?」だ。

 

なぜ2022年3Qに売上成長が鈍化したのか?

なぜ「最大限の投資を行う」という中経を出すことになったのか?

そのあたりについて考えたことを次回書きます。

 

 

 

今回紹介するのはカレー沢薫のデビュー作「クレムリン

猫に養われているニートの話。

全然ユルくなくて笑える。

老若男女に自信を持ってオススメできる漫画。

猫か、死か。