中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

2022年を振り返る③・・モビルスの競合と強み

コールセンターのテレフォンオペレーターのイラスト

1.前回のまとめ

・企業と消費者のコンタクトは重要だが、そこには大きな痛みがある

・電話はつながらない。オペレーターはストレスフルで離職する。

・コストも莫大

・モビルスはこれらの諸問題をテキスト化で解決する

 

今回はモビルスの競合と強みについて書きます。

 

 

2.チャットボットカオスマップ

消費者が企業に対して疑問点を問い合わせる手段として、チャットボットが存在する。企業のサイトに行くと下の方からポップアップが出てきて「なにかお困りですか」などと問いかけてくるアレだ。

もちろんモビルスもチャットボットのサービスを提供している。

 

「チャットボット」でGoogle検索を行うと無数のサービスが出てくる。

2021年7月のこの記事では112のチャットボットサービスが掲載されており、その一部がカオスマップとして掲示されている。

AIポータルメディア「AIsmiley」、チャットボットカオスマップ2021最新版を公開!|株式会社アイスマイリーのプレスリリース

 

ビルスホルダーでもこれら全てを把握している人はいないだろう。そんな事をしていたら年が開けてしまう。

チャットボットには無数の競合がいることを理解してもらえれば十分だ。

 

 

3.モビルスはチャットボットの企業か?

ビルスの石井社長はいつかのセミナーで競合について問われこう答えていた。

 

・有人チャットサービス「MOBI AGENT」の競合は外資含め5~6社

・チャットボット「MOBI BOT」の競合他社は二桁後半

・ボイスボット「MOVI VOICE」の競合はまだ少ない。

・全てを網羅しているのはモビルスだけ。

・これらのサービスはただの手段。

・サービス単独の導入ではなく、企業と消費者とのコンタクトについてトータルで生産性向上、利便性向上を図りたい。

 

ビルスはチャットボットの企業だと考えている方は割と多い。でも実際はチャットボットは提供するサービスの一つの手段に過ぎない。

チャットボットを提供する企業は多いが、消費者と企業のつながりについてトータルに問題解決を提供している企業は少ない。

 

 

3.モビルスの強みについて

では参入障壁は?

現在直接の競合が少なくても強みがなければすぐにレッドオーシャンになるのでは?

そもそも上場したばかりの小さな企業が「企業と消費者のつながりについて問題解決」なんて出来るの?

 

次に気になるのはそのあたりだろう。

ビルスの強みは以下の通り。

 

① リリース前からユーザー企業が仕様の検討に参画してる

ビルスのサービスはエンジニアの思いつきで開発されたものではない。リリース前からユーザー企業が仕様の検討に参画している。

 

有報にその記載がある。仕様の検討に参画している具体的な企業としては、富士通トランスコスモスアニコム損害保険などが挙げられる。

コールセンターの運営ノウハウを開発前から利用できる立場にいたわけだ。

 

それらのノウハウがソフトに作り込まれた結果、コンタクトセンターのオペレーターのチーム状況モニター、稼働率などのKPIマネジメントが可能で、きめ細かく生産性向上が図れるようになっているようだ。

 

NTTコムウェアトランスコスモスは、モビルスの大株主のリストにも入っている。

 

 

② コンタクトセンターの要衝を押さえた販路

こうやって開発されたモビルスのサービスは、富士通NTTコムウェアトランスコスモスからOEM販売されている。誰でも知ってるこれらの企業のブランドとして販売されているわけだ。

 

そして、コールセンターBPOシェアトップ10のうち、7社が販売代理店やOEM販売としてパートナー化されている。

 

4.その他気に入ったところ

① 宣伝広告費がほとんどかからない

ビルスSaaS企業だけどその市場はニッチだ。

 

SaaS企業と言えば莫大な広告宣伝費をかけて赤字を掘りつつシェアを取っていく企業が多いイメージだが、ニッチな市場を相手にしているモビルスはそうではない。

「コールセンタージャパン」というマニアックな業界紙を1冊買って読んでみたが、その中ですらモビルスの広告は無かった。広告は無かったがモビルスに触れている記事はいくつかあって、その立ち位置に満足できた。

 

② 企業にとって導入したほうがコストダウンになる

何度も書いたがコールセンターの維持にはお金がかかる。大企業の場合、設備やオペレーターの給料だけでなく、フリーダイヤルの電話料金も莫大になるはずだ。

ビルスのサービスを導入することで、消費者との関係性がよくなるだけでなく、コストダウンにもなる訳だ。モビルスにお金を払ってもトータルでコストダウンになるなら、導入する方もありがたいだろう。

 

③ なんだかんだ言ってチャットボットのシェアもずっとトップ

ビルスはチャットボットの企業じゃない。しかしチャットボットのシェアはここ5年間ずっとトップだ。

チャットボットの市場全体もずっと右肩上がり。その中で15%程度のシェアを維持しているのだから、その実績からも信頼できそうだ。企業にとっても実績があるサービスは導入しやすいだろう。

 

5.そんな訳で買った

そんな理由でモビルスを買った。それ以外にも買った理由はたくさんあるんだけど、大筋はこんなところ。

その結果どうなったかは最初に書いた通り。

大損でした。

 

次回は買った後に何が起こったかを書きます。

いよいよ大損の話です。

 

 

ロバート A ハインライン夏への扉

1956年に発表されたSF小説、あるいはライトノベルか。

20歳くらいの頃読んだ。懐かしいです。

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興味を持ってくれる人はほとんどいないと知ってますが、オススメです。