中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

決算書には3つの表が載っているという話から。

宝船のイラスト

 中学生が年に4回のテストで学力を計られるように、上場企業も年に4回の決算でその実力を公表することになる。中学生の学力を見るためには成績表を読む必要があるように、企業の実力を知るためには決算書を読む必要がある。

決算書は成績表ほどカンタンに読めないが、株式投資をするのなら絶対に読めるようになる必要がある。これはもう、絶対だ。

決算書を読めないのに株式投資を行うのは、計器を読めないのにジャンボジェットを操縦するのと同じだ。操縦を誤って地面と衝突するまでに、そう長い時間はかからないだろう。

逆に、決算書の裏の裏まで読めるようになれば、それは宝の地図を読めるようになったも同然だ。

 

という訳で、私の息子も決算書を読めるようになる必要がある。今までもその触りを時々書いていたが、そろそろちゃんと説明していきたい。

 

 

決算書は、それぞれの企業から年に4回発表される。

発表の日には、まず「決算短信」と呼ばれる文書が公表される。普通の企業なら、決算短信はそれぞれの企業のサイトにUpされる。過去の決算も「IRライブラリ」というページからリンクされている。

まずは具体的な決算短信を見てみよう。ちょっと前に記事を書いた、システムディという会社の平成30年10月期の決算短信だ。 ↓

https://www.systemd.co.jp/common/uploads/2018/12/20181217k.pdf

 

最初にこれを見て、なんとか解読してやろうと考えるタフなひとはそう居ないだろう。息子のくまにも多分無理。いや絶対に無理だ。

このシステムディの決算短信も24ページある。これを全部読み込む必要はない。決算書の核心は3つの表だ。この3つの表だけ理解すれば十分だ。

具体的には、P 5~6に載っている「貸借対照表(たいしゃくたいしょうひょう)」と、P 7の「損益計算書(そんえきけいさんしょ)」と、P11の「キャッシュフロー計算書」の3つだ。

投資家とビジネスマン以外は、たいしゃくたいしょうひょう、なんて言葉は使ったこともないだろう。あまり日常会話で使わない無い単語だ。でも頑張って、少しずつでも理解しよう。

まずこの3つの表の存在意義について説明する。

最初に貸借対照表の存在意義について書こう。

 

 

1.貸借対照表は財産リストだ

突然ですが、あなたにはどのくらいの財産がありますか?

 

この質問にすぐ答えられる人はそんなに多くない。特に子供がいるような社会人には答えるのが難しいと思う。

財産には、まず現金や貯金がある。子供にかけている学資保険や、満期になったら戻ってくる生命保険も含まれる。もちろん株も財産だ。家や土地、マンションを持っている人も多いだろう。家の中の家具や、クルマやバイクもそうだ。それらの価値はいくらくらいだろうか?ドルやユーロを持っているひともいるし、iDeCoをやっている人もいる。全部合わせたらいくら位になるんだろう。去年の今頃と今年と比べると、財産が増えたのか減ったのか。

正確に答える事ができる人は少ないと思う。でも上場企業は、年に4回財産リストを作って提出しなくてはいけない。

 

企業の財産にも、まず現金や貯金がある。企業も株や債券を所有している。本社ビルや営業所の建物、土地も企業の財産だ。所有しているパソコンやコピー機もそう。そして工場や生産設備をもつ企業も多い。その他、特許や「のれん」など、形のない財産もたくさんある。

上場企業はこれらの財産とその金額を、年に4回調べて発表する。その一覧表が貸借対照表だ。ちょっと前に企業のもつ現金について書いた。この現金の額も貸借対照表に載っている。

会社の「貯金」と「借金」 -

「有利子負債」と「現金同等物」を見て企業の借金と貯金の額を調べる -

 

 

2.貸借対照表は収入のリストでもある

あなたの財産の総額はなんとかわかった。ではその財産を手に入れるためのお金はどこから来ましたか?

 

この質問なら答えられる人もいるだろう。だいたいが働いて得た給料による収入だ。株式投資をして儲けたお金もあるかもしれない。マンションを人に貸していて、その家賃収入がある人もいるだろう。せどりアフィリエイトなどの副業収入もあるか。恵まれた人は親から受け取った遺産もあるかもしれない。

 それに加えて借金もある。家やクルマのローンは借金だ。奨学金をかかえている人もいるだろう。借金は、自分で稼いだのと同様にお金が入ってくる。

もしあなたに3,000万円の財産があるのなら、3,000万円分のお金をなんらかの形で手に入れているはずだ。

 

個人と同じく、企業が所有する様々な財産も、お金が無いと手に入らない。そのお金は自分で稼ぐか、借金するか、あとは株を発行して用意する。この話もここの記事に書いた。「有利子負債」と「現金同等物」を見て企業の借金と貯金の額を調べる -

どうやってお金を調達したのか?その方法も同じく貸借対照表に載っている。企業が決算のその日にかかえている借金の総額も、貸借対照表には載せられている。

 

 

3.財産と収入のリストの額は同じになる

企業が持っている財産の額が100億円分あるのなら、どこかから100億円のお金を調達してきたはずだ。使ったお金+現金は、手に入れたお金と同額なのだから。

上記のシステムディの決算短信、P 6~7にある貸借対照表だが、P6の表の一番下の数字と、P7の表の一番下の数字が全く同じ38億7千万円だ。同じなのは偶然ではない。

 

P6の表は、システムディという企業の財産リストだ。わざわざ「資産の部」と、財産リストであることをアピールしている。

P7の表は収入のリストだ。こっちは「負債の部」と「純資産の部」に分けられている。「負債の部」は、もちろん借金のリスト。どんな企業でもなんらかの形で借金をしている。借金をしてお金を手にしているのだ。そして「純資産の部」は、企業が自分の力で稼いだお金と、株を発行して株主から集めたお金の事が書いてある。

 

収入と財産の額は必ず一致する。これは会計の決まりだ。

「資産の部」と「負債の部+純資産の部」一致する、つまりバランスしている。だから貸借対照表は、英語で「バランスシート」と呼ばれる。バランスシートはしばしば「B/S」と略されて書かれている。

 

 

4.貸借対照表のまとめ

・企業の資産は貸借対照表に載せられる。毎年4回、決算のその瞬間が書かれる。

・企業の持つ財産を確認してから、その株を買おう。結婚相手の財産を詳しく知ろうとするのはゲスだが、株を買う時に企業の財産を確認するのは「賢い投資家」だ。

貸借対照表には、お金を手に入れた手段についても書かれている。

・手に入れたお金の額と、所有する財産の額は一致する。

・決算書の下には宝が埋まっている。ちゃんと読んで宝を手に入れよう。

 

 

 

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