中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

「有利子負債」と「現金同等物」を見て企業の借金と貯金の額を調べる

お金の入った袋のイラスト「円マーク」

 

前回、企業が持つ現金と借金について書いた。

今回は企業が持つ現金と借金の調べ方と、その意味について書いてみたい。

 

 

あなたは屋台のカレー屋さんをやっているとする。

店の名前は「くまカレー」。学生がたくさん住んでいる大学近くの空き地に、昼から夜にかけてカレーの屋台を出す。家でカレーを作っておいて、屋台ではそれをご飯にかけるだけだ。なかなか好評で、多い日には行列ができるくらいお客さんが来てくれる。利益も十分に出ている。

あなたはもっと本格的にカレー屋をやりたいと考えるようになる。屋台ではなくて店を構えたい。もっと色々な種類のカレーを出して、お客さんに飽きられないようにしたい。

 

店を出すためには資金がいる。計算すると、大学の近くに店を出すためには、初期費用として2,000万円必要なようだ。手元にはこれまで屋台をやって貯めたお金が500万円ある。足りないのは1,500万円だ。

 

考えたあなたはカレー屋を株式会社にすることにした。株式を発行して、家族や親戚や友人に買ってもらった。株式を発行することで1,000万円のお金を集めることができた。そして500万円のお金を銀行から借り、合計2,000万円の資金を手に入れた。そして念願の店をオープンした。

 

どんな会社でも、事業を始めるにはお金が必要だ。株式会社「くまカレー」は、今までに稼いだお金500万円と、株式を発行して集めたお金1,000万円、そして借金したお金500万円をあわせた2,000万円を用意することができた。

事業のためにはお金が必要だが、そのお金を集める方法は、自分で稼ぐか、借金するか、株式を発行するか。この3つしかない。

 

会社のお金には、集め方によって名前がつけられる。

① 今までに稼いだお金の事を「利益余剰金(りえきよじょうきん)」という。

② 株式を発行して集めたお金を「払込資本金(はらいこみしほんきん)」という。

③ 借金して集めたお金を「有利子負債(ゆうりしふさい)」という。

 

今回は③の、借金して集めたお金「有利子負債」についての話だ。

有利子負債は借金なので、いずれお金を返さなくてはいけない。また借金には利息がつく。利息も頑張って払わなければいけない。カレー屋を上手く経営して、その利益から利息と借金の返済を行っていく。

 

借金があまりに多いと、利息は莫大な金額になっていく。そもそも借金が多いってことは、商売がうまくいっていないんじゃないか?儲けが少なくて利息すら払えないなら、会社は倒産するかもしれない。

そんな不安もあるので、株を買う前に会社の有利子負債の額は知っておく必要がある。

 

 

会社の有利子負債の額は、会社四季報を見ると載っている。

 ↓ こんな表紙の分厚い本だ。見たことがあると思う。

 

これが会社四季報の内容だ。トヨタ自動車についてのページだが、どんな会社でも全く同じように並んでいるので心配いらない。

有利子負債と、ついでに会社が持っているお金である「現金同等物」の額についても見てみよう。

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四季報は、初めて見るとごちゃごちゃしてて訳が分からない。今回は有利子負債と、現金同等物の額が書いてある場所だけ把握すればいい。

会社の貯金と借金の額を調べる方法がわかったと思う。

 

 

ここで、C社という会社がある。

C社の時価総額は50億円だ。そして有利子負債はゼロ、現金同等物が80億円だったとする。C社の業績は安定しており、毎年5,000万円程度と少ないが利益を出し続けている。

 

C社の株価がどれほど安いかわかるだろうか?

50億円払えば、現金80億円がついてくる訳だ。

不況の時は、ここまで株価が下がることがある。そんな時はありがたく買っておこう。良い株を安く買って、負けることなどほとんど無いのです。

 

そしてこのような数字を調べることが出来る投資家のみ、そのような美味しい投資が出来る。だからこそ勉強が必要なんだ。