中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

上方修正で株価が上がる理由

 

インターネットを使いながら歓喜する人のイラスト1

1.システムディの上方修正

ちょっと前、息子が私にこう言った。

「お父さん、株で儲かったことってあるの?」

 

息子の年齢より長い期間生き残ってきた投資家なんだけど、その程度じゃ父を認める気にはならないらしい。

 

失敗から学ぶことは多い。父親としては、親子投資家のアドバンテージを最大限利用して欲しいと思っている。だからこそ父の失敗を伝えたいと思ったのだけど、うまく行かなかったようだ。

 

だから儲かった話もいくつか書いた。

しかし、「むかしはすごかったんだぜ」という話をする男にすごい男はいない。むしろ現在の状況がパッとしない、ショボい男が多い。

確かに私はぜんぜんすごくない投資家だ。でも「むかしはすごかった」アピールをして、逆にショボい投資家だと宣言するのもつまらない。

やっぱりうまく経験を伝えるのは難しい。

 

そんな中、私の投資資産の17%を占めるシステムディが6月8日に上昇修正を出した。来年度の利益がぐっと増えた。

それを受けてシステムディの株価はストップ高となった。

まあ、2018年3月の1000円近い株価にはまだまだ及ばないんだけど。それでも自分の予想通りに企業が業績を上げていくのはとても気持ちがいい。過去のすごかった話じゃなくて、現在進行中の成功した話だ。少しくらいイキっても大丈夫だろう。

 

システムディについては、決算の資料が出たらまた分析を書きたい。

 

 

2.上方修正でなぜ株価が上がるのか

 さて、なぜ情報修正が発表されると株価があがるのだろう?

「そんなこと当たり前だろう」

と言わずに考えてほしい。

 

企業とはお金を稼ぐためのシステムだ。そして株を買うことはその企業を買うことだ。

企業を紙幣印刷機に例えてみる。本当に紙幣を印刷すると逮捕されてしまうが、たとえの話だ。

 

A:年間100万円の紙幣を産み出す紙幣印刷機

B:年間200万円の紙幣を産み出す紙幣印刷機

 

AとB、どちらの印刷機がほしいですか?壊れやすさとか、インク代などのランニングコストなどは両方とも共同じだとします。

どちらかを買うとして、AとBの値段を見てみよう。

 

A:年間100万円の紙幣を産み出す紙幣印刷機 ・・・ 1,000万円

B:年間200万円の紙幣を産み出す紙幣印刷機 ・・・ 1,800万円

この場合、どちらの紙幣印刷機がお買い得だろうか?

 

 

 

 

 正解はBだ。

Aの印刷機は10年間使用すれば元が取れる。

Bの印刷機は9年間使用すれば元が取れる。

だから、Bの紙幣印刷機の方がお買い得だ。

これは、PER(株価収益率)という指標の考え方そのものなんだけど、覚えているだろうか?

 

Aの印刷機は10年で元が取れるので、PER 10だ。

Bの印刷機は9年で元が取れるので、PER 9なんだ。

だから性能と値段を比べると、Bの印刷機の方が安いと判断できる。

 

 

さて、ある日Aの印刷機が無料でバージョンアップされることが発表された。新しいブログラムをインストールすると性能が上がって、沢山の紙幣を印刷することが出来るようになったとしよう。

今まで年間100万円の紙幣を印刷できたAの印刷機が、バージョンアップによって120万円分の紙幣を印刷することが可能になった。

 

A:年間100万円の紙幣を産み出す紙幣印刷機 ・・・ 1,000万円

    ↓

A’:年間120万円の紙幣を産み出す紙幣印刷機 ・・・ 1,000万円??

 

このような変化があった場合、値段が1,000万円のままではおかしい。

20%も余分にお金を印刷出来るのなら、1,000万円では安いと判断される。1,000万円で売ってくれるなら、ぜひその印刷機を買いたいという人が殺到する。

もともと10年で元がとれると判断された印刷機なのだから、

 

A':年間120万円の紙幣を産み出す印刷機 × 10年間 = 1,200万円

 

これが正しい値段だろう。

つまり会社の値段でも、利益が20%上方修正されたのなら、株価も20%上がると考えるのが理屈だ。

 

 

3.話はこれだけで終わらない

そこに更に成長の分が考慮される。

「Aの紙幣印刷機がプログラムのバージョンアップで性能が20%上がった。もしかして来年もまた同じように性能が20%上がるバージョンアップが発表されるかもしれない。そうなればもっともっと沢山の紙幣が印刷できるようようなる!」

このように考える人が出てくる。

 

「それなら10年で元が取れる値段、という値段の付け方が間違っていないか?どんどん性能が上がるなら、今年の印刷機の生産能力じゃなくて未来の印刷機の生産能力を考えて値段を付けるのが正しいよな?」

「毎年20%ずつ性能が上がるのなら、4年で性能が2倍になる。4年後は年間200万円分の紙幣が印刷できるようになるわけだ。そう考えると、10年間で元がとれる値段っていうのは安すぎる!」

「現在の性能の20年分の値段がついてもおかしくないよ!!」

 

そうなってますますその印刷機を欲しがる人が出てくる。

 

その結果、

A':年間120万円の紙幣を産み出す印刷機 × 10年間 = 1,200万円

     ↓

A':年間120万円の紙幣を産み出す印刷機 × 20年間 = 2,400万円

というように値段が変わってくる。

 

 1,000万円で買った印刷機が2,400万円で売れるようになった。

これが株価上昇の理屈だ。 

 

 

4.まとめ

企業を紙幣印刷機に例えた場合、その株価が上昇する理屈はこんな感じになる。

20%の上方修正があった。

それを受けて、PER 10で評価されていた企業がPER 20で評価されるようになった。

 

20%の上方修正  × その評価が2倍 = 株価2.4倍

 1.2倍 × 2倍 = 2.4倍

 

掛け算で株価が上がることに注目だ。

もちろん現実の世界では、こんな風に理屈通りに上がることはあんまりない。

でも、上方修正で株価が上がる理屈はこんな風だ。

 

システムディも、こんな風に株価が上がってくれると嬉しい。

 

 

 

 

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お守りにいかがですか?

  

 

何のお守りになるかは知りませんが。