当期利益と一株当たり利益
「お父さんのブログの内容だけどさ、最近株の話から外れているよね。」
息子がそう言ってきた。
確かに最近、「株式投資をやるべきだ!それもなるべく早くやるべきだ!」といった話ばかりを書いてきた。それはなぜか。
欲しいものも買わず、お金を使わず、投資のための種銭を貯めていく。これは人によってはなかなか辛いことだ。だからこそ、株式投資をやる意味についてよく納得しておく必要がある。意味があるからこそ、多少の辛さを我慢できる。少しくらいの我慢を補ってあまりある効用が、株式投資にはある。この事をしっかりと確認して欲しかった。
しかし、既に株式投資を始めることを決心している息子には意味がなかったのかもしれない。
あるいは息子にとって、「フェルミ推定でガッキーに告られる確率を計算してみた -」みたいな記事が不愉快だったのかもしれない。「いい歳こいてガッキーに告られるかどうかはないだろ」って思っている可能性がある。でも株式投資をやるにあたっては、こんな風に数字や確率を考える思考法も出来たほうがいい。これはこれで株の話から外れてはいない。何より私が書いてて楽しいし。
でも物事はバランスだ。今日は久しぶりに会社の数字の話を書く。
会社の数字について書くのは、11/18と11/19に株価収益率(PER)の話をした以来だ。紙幣印刷機のお値段、つまり会社の値段の付け方は その続き。
まず復習。
株価収益率(PER)とは、その企業の時価総額を当期利益で割ったものだ。
当期利益 = その会社が1年間に稼いだ金額(紙幣印刷機の実績)
時価総額 = その会社の値段。株価 ✕ 発行済株式数という計算で出される。
株価収益率(PER)= 時価総額 / 当期利益
例:
1年間で100万円稼いだ会社の当期利益は100万円だ。
その会社の株価が1000円で、発行済株式数が1万株だとすると、
時価総額は1000円 ✕ 1万株 = 1000万円になる。
100万円の紙幣を印刷する機械が1000万円で買われている事になる。
よって株価収益率(PER)は、1000万円/100万円 = 10 ・・①
以上の計算により、株価収益率(PER)は10倍となる。
ここまでが復習だ。
でも時価総額や当期利益はちょっと額が大きすぎてピンとこない。
だから、当期利益を発行済株式数で割った「一株当たり利益」というものを考える。
株を買うという事は会社を買うことだ。発行済株式数が10,000株だった場合、1株を買うことはその会社の1/10,000を買うことになる。
という訳で、会社の利益の1/10,000は、その株を買った人のものだという事ができる。
その会社の当期利益が100万円、発行済株式数が10,000株ならば、
一株当たり利益 = 100万円 / 10,000株
= 100円
という数字が出される。
一株当たり利益が100円で、一株あたりの株価が 1000円なら、
株価収益率(PER)= 株価 / 一株当たり利益
= 1000円 / 100円
= 10
となる。①で求めた数字と同じだ。
会社全体を考えた式と、一株あたりで出した式。結論が同じになるのは分かるだろうか?
株価収益率(PER)
= 時価総額 / 当期利益
=(株価 ✕ 発行済株式数)/(一株当たり利益 ✕ 発行済株式数)
= 株価 / 一株当たり利益
このように変形できる。
ちょっと説明がくどくなってしまったかも知れない。数式が苦手な人には厳しいか。
でも、この一株当たり利益という数字はよく出てくるので理解したほうがいい。
一株当たり利益は「EPS」と省略されて使われる。
一株当たり利益(EPS) = 当期利益 / 発行済株式数
数式が苦手でもこれだけは理解してほしい。
当期利益を発行株式数で割った数字が一株当たり利益(EPS)だ。
PERを計算する時によく使われれる。PERの出し方は時価総額と当期利益からも計算できるんだけど、時々変なことが起こるからEPSを使ったほうが間違いがない。
どんな変なことが起こるかは、次回。
数字の話をするのは大変なんだ・・。なかなかまとまらないし。ちょっとヘタレ気味。