フェルミ推定でガッキーに告られる確率を計算してみた
宝くじの話の時に、フェルミ推定について少し触れた。宝くじは愚者への税金か、妄想世界へのチケットか
その回で、ガッキーに告られる確率をフェルミ推定で計算しようとする中学生が出てきた。中学生に負けてはいられない。ガッキーに告られる確率について私も少し考えてみる事にした。
フェルミ推定とは、実際に調査するのが難しいようなとらえどころのない量を、いくつかの手掛かりを元に論理的に推論し、短時間で概算することだ。ノーベル物理学賞受賞者のエンリコ・フェルミさんが得意としていたらしく、その名前がフェルミ推定の由来となっている。フェルミ推定 - Wikipedia
例えば、「ジャンボジェット機の客室内にゴルフボールをぎっしり詰め込んだら何個入るか?」とか、「日本中にある信号機の数は何本あるか?」などという問いに対し、それなりの答えを出す。
フェルミ推定は、90年代の外資系企業の入社試験などでよく出題されたらしい。最近はあまり出題されなくなったようだ。あんまり役に立たないからか?
でも、少なくとも娯楽としては楽しめるんじゃないかと思っている。ちょっとフェルミ推定を楽しんでみたい。
呼び鈴が押されたので宅急便かと思って出たらガッキーだった。なんでウチにガッキーが?と驚いていたら、「付き合ってください!」と告られた・・。
いくら妄想力があっても、そこまで突拍子もない妄想は受け入れがたい。漫画だろうがライトノベルだろうが、そんな設定は無理がありすぎて入り込めない。せめてもう少し納得できる可能性を考えたい。
告られるにはまずお互いが知り合いでなくてはならない。こっちはガッキーの事を知っているが、向こうはこっちの事を知る由もない。それなりに仲が良い程度に知り合うきっかけはどこにあるだろうか?どこかにあるのだろうか?
考えてみたが、新幹線でたまたま隣り合わせに座るっていうのはどうだろう?その上でお互い会話が盛り上がってくれれば、少なくとも知り合いになれたと言ってもいい。それが1年に3回連続であれば、その偶然に驚くし、運命を感じてくれる、かも知れない。
という訳で、私が一年間に3回、ガッキーと隣り合わせで新幹線にのる確率を計算してみた。
私が新幹線に乗る機会は、一年で20回くらいだろう。
ガッキーはロケなんかもあるだろうから、一年で50回乗ると仮定する。
新幹線は、北海道新幹線から九州新幹線まで、平日1日で合計して883本が運行されている。臨時列車などの本数は無視。東京発着とか時間帯だとか、そういう可能性の濃淡はすべて省略する。どの新幹線に乗る可能性も一定だと考える。
883本/日 × 365日 = 322,295本。
年間で32万本以上の新幹線が運航している。この中で私が乗る新幹線が20本。ガッキーが乗る新幹線が50本。よって同じ新幹線に乗る確率は、
20/322,295 × 50/322,295 ≒ 1 / 1,038,000,000
だいたい10億分の1の確率だ・・・①
たぶんガッキーはグリーン車に乗るだろう。グリーン車の席数は1本あたり100席。左右2座席で50ペアの席があるので、隣の席になる確率は1/50だ。
①の数字をかけると、たまたま乗った新幹線のグリーン車でガッキーと隣になる確率は500億分の1という事になる・・・②
それが3回続けば運命も感じるだろう。500億分の1を3乗すると、1年に3回ガッキーと隣に座る可能性が計算できる。
計算すると、1 / 5×10の30乗 という数字が出る。5の後にゼロが30個並ぶ数字が分母に来てしまう。
(この計算で合っているだろうか?突っ込みどころは満載だろうけど、計算が違っていれば指摘してください。)
この確率をモノにすれば、ガッキーに告られるという状況のスタート地点に立つことができる。しかし実際はガッキーが一人で新幹線に乗るとは限らない。多分マネージャーその他の同行者と乗るだろう。そうなれば隣に座る可能性はゼロになる。10億分の1の幸運(上記①)は流れてしまう。
しかもたまたま横に座れたとしても、そこから軽妙なトークでガッキーの警戒心を解き、懐に潜り込むミッションが残っている。これはこれで、横に座るのと同じくらい難しそうだ。もちろん、私にも無理た。
これはもう、宝くじが当たるどころの確率ではない。可能性は那由多の彼方だ。新幹線で隣り合わせに座って・・という確率はあまりに現実味がない。
でも、「そもそも40代の既婚者が考える事ではない」とか言わないでほしい。考える事そのものが娯楽だし、頭をこういう風に使ってみるのは悪くない訓練だ。きっと株式投資にも役立つはずだ。
新幹線で知り合いになるチャンスはとても少ないことが分かった。では、ガッキーの運転する車に軽く轢かれる事で知り合いになる、というのはどうだろうか?どれだけガッキーが忙しくてもお見舞いにくらい来てくれるだろう。そうすれば話もするチャンスがある。そこから一点突破を狙って・・・・。
この確率を計算してみてください。その訓練は株式投資にも役立つ、かもしれません。