このブログでは「会社を紙幣印刷機だと思え」という話を何度もしている。
こんなことを書いていると、
「自分が人生をかけて築き上げた会社をそんな偽札製造装置みたいなものに例えるな!」
と叱られそうだ。
これはもちろん例えだ。会社は会社であり、紙幣印刷機という機能は会社のひとつの側面に過ぎない。
でもひとつの側面のみを考えた方が、理解が進むこともある。
再び任天堂という会社で考えてみよう。
以前に教えたように、Yahooファイナンスで任天堂の2018年3月期の当期利益を調べよう。練習なので、かならず自分で数字を探してほしい。
2018年3月期 当期利益 139,590百万円、という数字が出たと思う。
つまり株式会社任天堂という紙幣印刷機は、去年1年間で139,590百万円分のお金を産み出した訳だ。すなわち1395億9000万円。1万円の札束にして積みあげると1396m
だ。
これほどの大量のお金を作り出す印刷機。どのくらいの値段がつくのだろう?
会社の値段ならもう知ってるはず。そう。
会社の値段は「時価総額」だ。これも自分で調べよう。
任天堂の時価総額は、H30/11/16で4,513,574百万円。つまり4兆5135億7400万円だ。
年間1400億円のお金を産み出す機械が、4兆5000億円くらいで買われてるという事だ。
毎年1400億円ずつお金を印刷していけば、32年くらいで4兆5000億円を印刷できる。32年経てば、買ったお金が倍になる。そう考えてもいい。
この「当期利益を何年分積み重ねれば時価総額と同じになるか」という数字のことを「株価収益率」という。時価総額が、収益(=当期利益)の何倍かという事を表している。
任天堂の場合、1400億円という利益を約32年分積み重ねれば4兆5000億円になる。このとき、「株価収益率 32倍」と表現する。「毎年1400億円のお金を印刷する印刷機が、1400億円の32倍(=4兆5000億円)で売られている。」という意味でもある。
株価収益率、というと長いので、「PER」という略語を使う。
任天堂のH30/11/16のPERは32倍だ、というように表現する。
どうだろう。
昨日の宿題で、100万円の紙幣印刷機の値段を考えたと思う。
その印刷機のPERは何倍だと計算したことになるか?
こういう感覚は株価が高いか安いかを判断する重要なセンスだ。
ゆっくり考えてほしい。