パワーソリューションズでお金を減らした事・・・2021年を振り返る③
1.パワーソリューションズの売買履歴
パワーソリューションズを買ったのは2020年の8月から9月だ。2,500円~2,700円くらいの株価で購入した。最大で運用資産の9.5%を占めていた。
そして2021年の2月~3月に損切りした。売却した時の株価は2,070円~2,120円くらい。△18%程度の下落だった。ポジションも大きめだったので損切りもスムーズに行かず、これまた今年最大級のダメージをくらった。
チャートの赤い矢印が買った場所、青い矢印が売った場所だ。
地味に苦しまされた記憶が呼び起こされる。株はツラい。
2.ボトルネック解消仮説
パワーソリューションズを買った理由はブログにけっこう詳しく書いた。それを全部読んでくれる方は居ないと思われるので端的に書く。
パワーソリューションズは「人材不足というボトルネック」が解消されて業績が上がると考えた。
以下のツイートを再掲する。
具体的には一時期のニンテンドースイッチをイメージすればいい。
どこの店舗でも品切れ、Yahooオークションで定価よりずっと高値がつくような状態では、商品の供給イコール売上になる。
この場合のボトルネックは商品の供給だ。需要はいくらでもある。商品の供給量を増やす事が、そのまま売上の増加につながる。
PSOLの成長にとってのボトルネックは人材の確保なのではないか。人材の確保が進めば、それがそのまま売上の増加につながるのではないか。
引用は以上。
需要はいくらでもある。足りないのは人材。
その足りない人材はMD制と呼ばれる制度で中堅、下請けSIerから引き抜いていく。順調に人材は集まってきている。
社長も「2020年は採用と教育にコストをかける」と言っていた。
これは人材というボトルネックが解消されて売上も利益も急増するはず。
そんな事を考えてパワーソリューションズを購入した。
時間のある方は当時書いた記事も読んでください。記事は全部で7つ。
2022年1月2日現在、書いた本人が読んでもよさそうな企業に思えてくる。実際は大きくお金を減らしたというのに。
本当に株は難しい。
3.ボトルネックは移動した
2020年11月13日、2020年度3Q決算が発表された。
数字は悪かった。
11月20日に通期の下方修正があった。
売上は2,776百万から2,615百万円へ、△5.8%。
営利は117百万円から48百万円へ、△58.9%。
その理由は「新型コロナの影響による案件の凍結や延期」。
この段階ではまだ売っていなかった。新型コロナの影響は一時的だと思っていたし、すぐに回復するだろうと考えていた。この時はHoldを続けることにした。
そして2021年2月12日に4Qの決算が発表された。一度下方修正された数字は上方修正された。
売上は2,615百万円から2,678百万円、+2.4%の上方修正。
営利は48百万円から83百万円、こちらも+27.9%の上方修正だった。
来期予想は、
売上が2,872百万円(+7.2%)、営利187百万円(+225%)だった。
この数字には全く満足出来なかった。
2019年12月期の売上実績が2,872百万円、営利347百万円なのだ。
2年間かけて売上が全く変わらない上に営業利益が半分になっているのだから。
私がボトルネックだと考えていた人材は増えた。しかし売上は増えなかった。
つまり現在のボトルネックは人材ではなく需要だという事だ。
これは私の妄想かもしれないのだけど、2020年が始まった頃のボトルネックは人材だったんだと思う。社長はしきりに人材採用を強化する話をしていたし、採用計画も強気だった。それを見て私は「人材ボトルネック解消仮説」を立てて購入に踏み切ったのだ。
しかしその後は需要がしぼんだ。ボトルネックの位置は人材から需要に移動した。
どれだけ仕事をこなす能力があっても、仕事がなければ成果は上がらないのだ。
私の仮説は棄却された。仮説が崩れたら売却するしかない。
パワーソリューションズも出来高が少なくて損切りには時間がかかった。
まあ、コロナで出社もままならない時期に新しいシステムを導入したりしないよな・・
損切り作業を続けながらそう思った。
でも。
パワーソリューションズで大きくお金を減らしたけど、この会社は悪くないんじゃないかと思っている。いつか需要が回復して、会社の業績も跳ね上がる日が来るんじゃないかとも考えてる。
でも仮説が潰れたのだから売却した。買った理由が消失した後はHoldを続けてはいけない。これは私のルールなのだから。
4.まとめ
・需要がなければ売上なし。売上なければ利益なし。
・実はパワーソリューションズとイー・ロジットは同じ系統の失敗。
・同じミスを2回やるなど、いったい私は何をやっているんだ。
・今年はがんばる。
パワーソリューションズを調べている時に参考として読んだこの本。
銀行がいくつか合併してできた「みずほ銀行」。19年間、泥沼を這い進むようにしてようやく達成したシステム統合のドキュメンタリー。
それなのに(それだからこそ?)システム障害を起こしまくっている現状を見ると、SEさん達に同情したくなる。ボロ屋は全部潰して1から作り直したほうが圧倒的に楽。でも中に人が住んでいる場合はそれも出来ず、ボロ屋を修理し続けるしかないという話。