中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

キーエンスと明豊ファシリティワークス

ボトルシップのイラスト

1.明豊ファシリティワークスの記事

昨日書いた明豊ファシリティワークスの記事、とてもアクセスが多かった。

 

明豊ファシリティワークス、株価はさえないけど人気があるんだろうか?あるいは、以前からお世話になっている有名な投資家さんがtwitterで記事を紹介してくれたからアクセスが伸びているだけなんだろうか?

いずれにしても、書いている方はアクセスが増えると嬉しくなる。今日はシステムディの話を書こうかとも思っていたけど、もう1回明豊ファシリティワークスの話を書くことにした。

 

 

2.年寄りばかりの町の整形外科

昨日の記事の結論だけまとめると以下のようになる。

「明豊ファシリティワークスの仕事は新型コロナによる不景気が来ても多分減らない。それなのに株価が安くなってたので追加して買った」

 

ここで突然話は変わる。

年寄りばかりの町に整形外科のクリニックがあるとする。年寄りは膝や腰が痛くなるので、クリニックはいつも患者さんであふれている。整形外科医はいつも忙しく働いている。昼ご飯をゆっくり食べることもできないくらいだ。

 

このクリニックの売上を倍にするためにはどうすればいいか?

1.宣伝をして患者さんを広く集める

2.診療費を安くする

3.整形外科医を2人に増やす

 

患者さんは既にたくさんいる。医者はギリギリまで働いている。その状況で、売上を増やすための施策として1や2を選ぶ人はいないだろう。ボトルネックは整形外科医の数だ。

 

明豊ファシリティワークスの仕事が不景気でも減らない、というのはこんなイメージだ。仕事はいくらでもある。成長のためのボトルネックは人材だ。

ただのイメージだから本当かどうかは知らないけど。

 

 

3.キーエンスの話

株式投資を真面目にやってる投資家で、キーエンスという企業を知らない方は少ないだろう。

時価額 9兆6,000億円、国内時価総額ランキング4位(2020/5/8)

・社員の平均年収は 2,111万円、国内企業ランキング2位

・粗利益率 82%、営業利益率 54%

これだけでキーエンスの凄さは十分理解できる。

 

これだけ凄い企業なので、キーエンスについては散々語られている。いまさら私が説明するのはしんどいのだけど、少しだけ。

 

キーエンスは工場の製造ラインに必要なセンサーや測定機器を販売している。工場向けのBtoBの商売だ。営業が顧客企業の工場を訪問し、製造ラインを確認し、その生産性向上に役立つ商品を開発して売る。顧客企業にとっては製造ラインが改良されて生産性が上がりコストダウンになる。

コストダウンした金額の何割かを商品の代金としてキーエンスに払っても、顧客企業はトータルで儲かる。もちろんキーエンスも儲かる。そうやって高収益なビジネスが展開できるわけだ。

 

 

・商品を買った顧客企業は、払った分以上にコストダウンができて儲かる

・この世に工場の生産ラインがある限りキーエンスの仕事はなくならない

キーエンスの仕事が成り立つためには、社員の高い能力が不可欠

・高い能力の社員を集めるため、社員の給料は高い

・高い能力を持った社員が生み出したノウハウは社内に蓄積、それが別の社員にも共有化され、更に生産性が向上する

 

キーエンスのビジネスを雑にまとめると上記のようになると思う。

 

 

4.明豊ファシリティワークスの話

ようやく明豊ファシリティワークスの話に戻る。

明豊ファシリティワークスが展開するCM(コントラクション・マネジメント)は、キーエンスの仕事との共通点が多い。

 

・CMを導入した顧客は、払った分以上にコストダウンができて儲かる

・この世に建設や改修がある限り明豊ファシリティワークスの仕事はなくならない

・明豊ファシリティワークスの仕事が成り立つためには、社員の高い能力が不可欠

・高い能力を持った社員が生み出したノウハウは社内に蓄積、共有化され、更に生産性が向上する

 

田舎の整形外科も、キーエンスも、そのコアとなる価値は中で働く人が生み出している。価値を生み出す社員と、生み出した価値をノウハウとして社内に蓄積するシステムと、それを更に他の社員と共有していくシステム。整形外科医にもあるし、キーエンスにもあるんだろう。

そして明豊ファシリティワークスにもある。社長が出てくる決算動画を見ていると、ノウハウを蓄積して共有する社内システムの話がよく出てくる。

 

 

5.年収の話

明豊ファシリティワークの利益率はキーエンスほど高くない。社員の年収もキーエンスとは比べられない。それでも建設業界の中ではとても高い。

 

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明豊ファシリティワークスの年収偏差値:72.4 年収ランキング:2位

 

上のサイトを見ると、明豊ファシリティワークスの平均年収は建築業の中ではトップクラス、しかも毎年上がってきているようだ。コストが上がっているとは判断しない。優秀な人材を集めるために必要な手を打っていると判断している。

 

「明豊ファシリティワークスの本質は建築業ではなくてサービス業だ、だからサービス業と比較するべきだ」

このように考える事もできる。しかし、明豊ファシリティワークスのビジネスは建築業界でのビジネスであり、そのために必要な資格やスキルは建築業と共通する。よって、働く社員にとっての比較する企業は建築業で良いと考える。

 

 

6.まとめ

という訳で、まとめです。

 

・明豊ファシリティワークスのビジネスは人材が命

・優秀な人材とノウハウを蓄積する社内システムで高い付加価値を生み出している

・優秀な人材を集めるための報酬も問題なし

・それなのに株価は割安

・煽りかもしれません。必ずご自分で確認を。投資は自己責任で。

 

 

 新型コロナの事について調べようと思って読んだ本。

パニックという現象に多く言及しており、そのマネジメントについて書かれています。