中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

PSOLを買ったわけ⑥・・RPAについて

コンピューターを使うロボットのイラスト

1.RPAとは何か

PRAとは「Robotic Process Automation(ロボテック・プロセス・オートメーション)」の略だ。つまりロボットにプロセスを自動的にやらせるシステムだ。

 

PSOLの分析記事の第一回目にも少し書いたので、覚えていない方はもう一度読んでみて下さい。

RPAという言葉を知ったのはPSOLを調べていた時だ。そんなに便利なものがあるんだ、というのが率直な感想だった。

しかし記事の一番最初に載せている「いらすとや」にもRPAの絵があった。RPAはそこまでメジャーなものだった。

 

RPAが何かという話は繰り返しになるので書かないが、冒頭のイラストの通りだ。

産業ロボットが工場の単純作業を人間の代わりにやってくれるのと同様に、RPAはPC上の単純作業を人間の代わりにやってくれる。

 

このRPAは国内外の企業から様々な商品が発売されている。

そのなかで世界シェアNo.1なのが「UiPath」だ。 PSOLは、この「UiPath」の日本国内ライセンス販売と、導入サポートを行っている。

 

 

2.UiPathのダイヤモンドパートナー

RPAの世界シェアNo.1であるUiPath社は、日本国内での販売のため国内企業とリセラー契約を締結している。

リセラー契約を結んでいる企業は「パートナー」と呼ばれているが、PSOLはその最上位クラスであるダイヤモンドパートナーに認定されている。

 

UiPath社のダイヤモンドパートナーは日本国内に9社ある。伊藤忠テクノソリューションズ、日立システムズ、電通国際情報サービスリコージャパンなど、どれもが従業員1,000人を超える大企業ばかりだ。

そんな中に、PSOLという授業員150名ちょっとの企業が混じっている。

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「ダイヤモンドパートナーとは、認定リセラーの中で、最も高い技術力、サポート力を有し、UiPath製品の導入支援・販売実績の大変豊富なパートナーです。
大規模導入プロジェクトや業務整理コンサルティングを含む、様々な業種・業務における、UiPath製品の導入から運用までの一貫したサポートが可能です。」

 

UiPath社のサイトにはこの様に書かれている。

RPA導入前後にPSOLがきっちりとした仕事をしている証明だろう。

 

 

3.RPAとパワーソリューションズの親和性

このRPAという商品は、PSOLのビジネスと親和性が高い。

PSOLのビジネスは「顧客企業に導入された各種の汎用システムを、それぞれの企業が利用しやすいようにアレンジし最適化する」事だ。

RPAは「パソコンの中で行われている単純作業を人間の代わりにやってくれるロボット」だ。

 

システムを利用しやすいようにアレンジする手段として、RPAはとても使える道具だろう。

企業に導入された複数の汎用システムは、それぞれデータ入力が必要になる。同じデータを何回も人力で入力するのはあまりにも無駄が大きい。

その無駄な作業をRPAで自動化できれば、使う方にとっては大変にありがたい。

 

RPAは新規事業のように扱われているが、実際はPSOLのメインの業務の延長上にある。

これまで金融機関のシステム効率化業務に使っていた道具を、他の業界にも販売する。それがPSOLのRPA事業だ。

 

 

4.いえらぶCLOUDへの導入

PSOLの決算説明資料には「不動産業界のビジネスプラットフォーマー」にRPAを導入した。次いでそのプラットフォームを利用している1万の不動産会社へもRPAの導入を目指す。

と書かれている。

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「不動産業界ビジネスプラットフォーマー」とは、「いえらぶクラブ」という業務支援ソフトだ。いえらぶCLOUDログインページ|全ての不動産会社様に最新不動産テックを!

 

いえらぶクラブは不動産業者に特化した業務支援クラウドソフトであり、不動産業者が顧客管理、サイト作成、賃貸管理、チラシ作成などの業務を行う時に使用する。

国内12,000社に導入されており、その中にRPAが組み込まれている。

 

いえらぶクラブを使用している12,000の不動産会社は、いえらぶクラブの中のRPAを使用することになる。RPAという便利なものの存在を知り、社内の他の業務でもそれを使いたくなる。どうせ導入するなら使い慣れたUiPath社のRPAを導入しよう。

PSOLはそんなストーリーを描いているのではないだろうか。

 

不動産業界でこの筋書きが上手く行けば、他の業界でも同様にやっていきたい。

まずその業界のなかのプラットフォーマーにRPAを導入し、そのプラットフォーマーを利用する各社にも導入していく。

そうやってRPAの導入を進めていく考えのようだ。

 

 

5.横須賀市のRPA導入

RPAについてもうひとつ、PSOLは横須賀市にRPAを導入している。

 

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役所の仕事はすべてが書類ベースで進んでいく。書類をつくる労力は膨大なものになる。

しかしその労力は大したものを産み出さない。

そんな無駄な作業をRPAに任せれば、職員は本当に重要な仕事に労力を回すことが出来る。RPAは書類作成が大きなウェイトを占めている職場こそに必要だと思う。

 

しかし、個人的には地方自治体へのRPAの導入はそんなに伸びないのではないかと考えている。

 

2019年5月に集計されたデータだが、都道府県や政令指定都市へのRPA導入はかなり進んでいる。https://www.soumu.go.jp/main_content/000624150.pdf

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そして、RPAはUiPath以外にも数種類あり、UiPathの国内パートナーはPSOL以外にも何十社とある。

現在のところPSOLが横須賀市以外にRPAを導入した事例はないようだ。

 

市区町村への導入はまだまだ進んでいないが、PSOLが小さな自治体への導入のために人手を割いて入札や導入支援を行う事は考えにくい。

私は、自治体向けのRPA導入でPSOLの売上や利益が拡大していく事は期待していない。

自治体以外の業界への導入拡大は期待している。

 

 

6.PSOLとRPAのまとめ

・RPAはPC上の単純作業を人間の代わりにやってくれるロボット

・様々な製品が販売されているが、UiPathは世界シェアトップ

・PSOLは小さな企業であるにも関わらずUiPath社のダイヤモンドパートナー

・PSOLの業務とRPA導入は親和性が高い

・PSOLによるRPA導入が金融機関以外にも広がりつつある

自治体へRPA導入はそれほど期待できないかも

 

 

7.次回予告

バリュエーションについて書きます。

今期や来期の業績予想もしてみます。3Q決算が発表がされる前に書きたい。

 

 

 

最近ずっと銀河英雄伝説を読んでる。

1982年にはじめて出版されたSF小説なんだけど、全然色褪せていない。

「キングダム」を楽しく読める方で、かつ活字を読むのが平気な方なら間違いなく楽しめます。