日本リビング保証を買ってずっと持っている理由②
前回までのあらすじ
日本リビング保証のビジネスは以下のように分かれている。
① おうちのトータルメンテナンス事業
Ⅰ.保証サービス
(1)住設あんしんサポート・・・新築住宅向け設備保証
・マイホームを建てると修繕を自費でやることになるので面倒
・住宅メーカーにとって客との付き合いは維持したいが自分で修繕するのは面倒
・両者の面倒を解決するのが日本リビング保証の住設安心サポート
(2)売買あんしんサポート・・・中古住宅向け設備保証
・中古住宅は品質のばらつきがあるので消費者は不安
・空き家問題の解決のため国は中古住宅の流通促進を国策として展開してる
・不動産業者も大家さんも中古住宅が売れてほしい
・消費者の不安を和らげ購入を促すのが日本リビング保証の売買安心サポート
・売買あんしんサポートは宅地建物取引業法の改正もあり時流に乗っている
Ⅱ.検査補修サービス
Ⅲ.電子マネー発行
② BPO事業
今回は残りの3つについて書きたい。
Ⅱ.検査補修サービス
日本リビング保証の「検査補修サービス」とは、売買あんしんサポートから派生して出来たビジネスだ。売買あんしんサポートで設備保証をするためには、まず住宅設備の状態を検査する必要がある。また保証した設備が故障した場合は修理する必要がある。
売買あんしんサポートを販売する過程で、検査と補修のみの依頼が増えてきた。
この検査と補修だけを独立させてひとつの事業にしたのが「検査補修サービス」だ。
現在は検査補修の対象範囲を住宅設備だけでなく住宅そのものまで広げている。
検査補修サービスも、住宅事業者から仕事を受注するBtoBだ
Ⅲ.電子マネー発行
電子マネー発行と聞くとずいぶんいかめしいが、要は補修やリフォームのための積立だ。
住宅は時間が経過するとガタが来て補修が必要になる。
リフォームには下記のように結構なお金がかかる。リフォームのための住宅ローンも存在するくらいだ。
リフォームの施工費用・相場をチェック|「ホームプロ」リフォーム会社紹介サイト
そんなわけでリフォームのための積立の需要が存在する。
日本リビング保証は100%子会社であるリビングポイント株式会社を通し、電子マネー「おうちポイント」を発行している。
上の図のように、おうちポイントはマイホームのオーナーが積み立てる。それと同時に住宅メーカーが値引きの代わりにポイントを付与している。これでマイホームのオーナーはリフォームや修繕が心理的な負担なくできるようになる。
また住宅メーカーにとっては、マイホームオーナーを囲い込みリフォームの仕事を確実に受注できる利点がある。ポイントの有効期限は15年。この短さも住宅メーカーにとってはありがたいだろう。
この「おうちポイント」と前回書いた「住設安心サポート」を組み合わせたサービスが「住設安心サポートプレミアム」だ。
様々なサービスを組み合わせつつポイント付与を行い消費者を囲い込んで、マイホームのアフターサービス周辺のビジネスを効率よく受注していくシステム。そのシステムを住宅メーカーに販売しているのが日本リビング保証の立ち位置だと考えている。
② BPO事業
ここまでに紹介した日本リビング保証のビジネスは全て「おうちのトータルメンテナンス事業」というセグメントに含まれている。
日本リビング保証のもう一つのセグメントが、これから書くBPO事業だ。
積水ハウスとかタマホームなどの大手ハウスメーカーは、自社で設備保証の延長を行うこともある。また家電メーカーは、自社製品の長期保証を付けることもある。しかしこれはなかなか面倒くさい話だ。
保証料を集金し、保証書を発行し、設備の不具合を受け付けるコールセンターを設置し、検査や修理の手配を行い、実際に部品を用意して修理する。設備保証とはこのようなメンドクサイ事を全て行う必要がある。
設備保証に関わる面倒くさいことを、家電メーカーや大手ハウスメーカーに代わって行うのがBPO事業だ。
その他、新規事業
ここまでに書いた日本リビング保証のビジネスは全てB to Bだ。お客さんは住宅メーカーや不動産業者であり、企業同士のビジネスだ。
しかし、2019年8月よりB to Cのビジネスである「うちもキーピング」というサービスを開始している。マイホームの定期健診、メンテナンス、リフォーム積み立てなどのサービスを個人向けにも開始している。
これが収益に結び付くのはまだまだ先だろうけど。
次回予告
ビジネスモデルについて書くだけで結構長くなってしまった。
次回、ようやく数字について書きます。
一見とても割高に見える日本リビング保証だけど、本当はとてもバリューであるという話です。
「無限の住人」の作者である沙村広明が書いた現代の話。面白い。
Kindleなら無料で読めます。私にとって今年最初のヒットでした。