中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

8月にスイカを買って、2月に売れ

 

うなぎの蒲焼のイラスト

1.土用の丑の日とうなぎ

明日、7月26日は「土用の丑の日」だ。

ますます暑くなるこの季節に夏バテ対策としてうなぎを食べる、という風習が広まったのは江戸時代だ。「玄米と味噌汁と漬物」という食生活をしていた江戸時代の人にとって、夏前に栄養価の高いうなぎを食べることは大きな意味があったのだろう。しかし現在においては、そのような栄養学的な価値はもう無くなっている。

 

うなぎは美味しいので、令和の時代になってもその風習は続いている。うなぎよりずっと安価で栄養価の高いものはたくさんある。夏バテ対策のためだけなら、わざわざ高いお金を払って絶滅危惧種であるうなぎを食べる必要はない。

美味しいから食べているだけだ。

 

もちろん私は投資家なので、土用の丑の日にうなぎを食べたりしない。

投資家なんだから当然だ。

 

土用の丑の日にうなぎを食べる」という習慣があるから、うなぎは7月が一番高い。欲しがる人が多い時は、値段が上がる。これは、うなぎでも株でもおんなじだ。

 

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2.ケーキの旬

私はケーキが好きだ。

ケーキが一年で一番まずくなる日を知っているだろうか?

 

12月24日だ。

12月24日はクリスマスイブだから、多くの家庭でクリスマスケーキを食べる。1年で一番ケーキが売れる日だから、ケーキ屋はたくさんのケーキを作る。12月23日ではまだ早い。12月25日では遅すぎる。24日に合わせて、大量のケーキを売ることになる。

もちろんケーキ屋のスタッフも設備も限られている。普段の何倍ものケーキを作るような余裕はない。23日以前からケーキを仕込み始める。スポンジの部分を先に大量に作っておいたり、ケーキの飾り付けの部品を揃えておいたりする。スポンジケーキは冷凍保存も可能だ。10月から「クリスマスケーキ」の製造を始める工場もあるらしい。

 

そんなわけで、12月24日のケーキが一番不味い。パンもケーキも作りたてが一番うまいんだから。まあ高くても不味くても、クリスマスイブに食べる意味があるということくらいは知っているけど。

 

 

3.スイカは2月に売れ、8月に買え

ありとあらゆる食べ物には「旬」がある。

イカの旬は7月と8月だ。2月に食べるスイカは希少価値があるかも知れないが、美味しいのは間違いなく7月と8月だ。

そしてスイカが安いのは8月だ。東京卸売市場でのスイカの値段は、2月が341円/kgなのに対し、8月は182円/kgだ。

参照:すいか(スイカ:西瓜)の値段[価格]の相場と旬や栄養成分は? | おかずキッチン

 

もしスイカ農家なら、なんとかスイカが高い時に出荷したい。値段が高い時に売れば儲かる。

イカを安く買って食べたいのなら8月がいいだろう。安く、美味しく、たくさん食べることができる。

 

 

イカを8月に買って3月に売れば儲かる。

でもスイカは腐るので、そんなことは不可能だ。

 

株も、安い時に買って高い時に売れば儲かる。

そして株は腐らない。企業の価値が変わらない限り、ずっと持っておいても大丈夫だ。

イカの価値は、2月も8月も変わらない。でも「希少価値」のおかげで、冬になると価格が上がる。価値は同じだけど、価格だけが上がるんだ。

 

価値と価格は別物だ。

企業の値段である「株価」は日々変化する。でも、同じ企業なんだから「企業の価値」はそんなに簡単には変化しない。

同じ価値なら、安い時に買うほうがお得だ。そうやって安い値段で買っておけば、価格が上がった時に売って儲けることができる。

 これは「バリュー投資」という考え方なんだけど、安く買って高く売るのは全ての投資の基本だ。

だから株を買うときにはちょっと立ち止まって考えたほうがいい。

「自分は、2月のスイカを買おうとしているんじゃないだろうか?」と。

 

 

4.まとめ

わたしは投資家なので、土用の丑の日にうなぎは食べない。

まあ、年中食べてないんですけどね。