中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

中学生とミスター・マーケット

ヒステリックに子供を叱るお父さんのイラスト(躾)

前回(↓)の続き。

 

4.中学生がMr.マーケットと付き合うのはしんどいだろ

 

世の中には「困った人」がいる。

日によって気分の変化が大きく、感情の起伏がとても激しい

昨日は機嫌が良くて、くだらない冗談を言いながら一人で笑っていた。それなのに今日は意味もなくイライラして、小さな事でも怒り狂い怒鳴り散らす。そして別の日には暗く落ち込んでいて、わざと人に聞こえるようにため息を連発する。

実に面倒だ。こんな人とはなるべく近づきたくない。関わったら負けだ。こんな人と一緒に仕事をするのは厄介極まりない。

 

 

世の中には「ミスター・マーケット」という人がいる。

こいつもなかなか厄介だ。毎日頼みもしないのにあなたのところにやってきて、株を売買しないかと誘ってくる。日によって気分の変化が大きく、感情の起伏がとても激しい。

昨日はとても強気で、株に高い値段を付けて買うように言ってくる。

「会社の未来はバラ色だ。これから株価はもっと上がる!今のうちに買わないと儲けを逃すよ!!」

テンションが高くて実にうるさい。

 

今日になったらすっかり弱気になって、株にものすごく安い値段を付けてくる。

「・・もうダメだ。これからもっともっと株価は下がる・・。今のうちに売らないと、もっともっと安くなるよ・・。」

陰気臭くてたまらない。実にうっとうしい。

 

こんな困った人とまともに付き合うのはとても疲れる。まともに付き合おうとして一生懸命になると、ボロボロになるまで消耗してこっちまでおかしくなる。精神を病んでしまう。距離をおいて、生暖かい目で見ていればいい。

 

 

実は、ミスター・マーケットとは株式市場そのものの事だ。

ある日にはとんでもなく高い株価を提示してくるのに、次の日になるとびっくりするような安値を出してくる。

同じ会社の株なのに、会社がお金を稼ぐ力は昨日と今日で全く同じなのに、ミスター・マーケットが提示する株価は日によって全然違う。

 

こんなヤバい人間と付き合うのは骨が折れる。大人だってミスター・マーケットとまともに付き合うのは消耗する。

ましてや未熟な中学生がミスター・マーケットと付き合おうとするなんて、消耗しておかしくなってしまうのは目に見えてる。だから、中学生は株式投資なんてしないほうがいい。

 

・・・以上が、私が読んだ中学生の株式投資の是非についての記事の内容だ。今回あらためてその記事を読もうと検索したが、うまく見つけることが出来なかった。

 

5.ミスター・マーケットとの付き合い方

私は普段の生活や仕事で、めんどくさい人とはなるべく距離をおいて付き合うことにしている。めんどくさい人と付き合っても良いことはないし、疲れるのは嫌だ。

同じように、ミスター・マーケットともなるべく距離をおいて付き合うことにしている。株式投資を始めて15年ほど経過したが、日々の株価の動きには振り回されないように気をつけている。まともに付き合って振り回されると疲れる。一生懸命付き合うと、逆に損をすることも多くなる。

 

実在する人間の「困った人」は、無視するとさらにアピールしてきてうるさくなる。距離をとりつつ、無視もせず、適度な付き合い方をしていくしかない。

しかし、ミスター・マーケットは無視されても全く気にしない。どれだけ無視しても次の日にはまた新しい株価を提示してくる。それは昨日より安いかも知れないし、高いかも知れないし、変わらないかもしれない。ミスター・マーケットはひたすら気まぐれなんだ。

 

ミスター・マーケットが提示する株価があまりにも安い、と思ったら買えばいい。あまりにも高い、と思ったら手持ちの株を売ればいい。こっちの都合のいいときのみ、ミスター・マーケットを利用するんだ。

大丈夫。そんなひどい扱いをしても、ミスター・マーケットは怒らないし、へこたれもしない。上手に利用すればいい。そうすれば精神を病まずに済むし、お金も増えていきます。

 

 

ちなみに「ミスター・マーケット」とは、私の考えた人物ではない。伝説の投資家ウォーレン・バフェットの師匠、ベンジャミン・グレアムが考えた人物だ。

投資の偉人は、教え方もうまい。

 

↓ ベンジャミン・グレアムの本です。

賢明なる投資家 - 割安株の見つけ方とバリュー投資を成功させる方法