システムディ、1月の企業説明会資料を読んで
決算で激しく売られたシステムディ。
暴落したところをナンピン買いした、という話をちょっと前に書いた。
1月17日に機関投資家向けIRミーティングが開催され、その資料が1月21日に発表された。発表前の私の予想と、発表された内容について書きたい。
1.各領域の顧客数の伸びについて
2018年10月の中間決算までのグラフが上記だ。
ブログの記事に載せたように、システムディの各領域の顧客数は安定している。中でも公教育領域と公会計領域の伸びは見事だ。株主なんだから、このまま伸びて行くことを期待するのは当然だろう。
しかし、2018年10月末までのデータを加えると、こんなグラフになった。
公教育の顧客数のグラフの先端はポッキリと折れた。私の気持ちもポッキリと折れてしまった。どの領域も少しずつ伸びてはいるんだけど、成長が鈍化しているのは否定しようがない。
2.売り切りのソフトからクラウド型ソフトへの移行について
売り切りのパッケージソフトからクラウド型ソフトへの切り替えはどんどん進んでいる。2018年10月の中間決算までのグラフはこうなっていた。いかにもこれから指数関数的に増えそうな形をしているじゃないか。
で、2018年10月末までのデータを加えると、こんなグラフになった。
ああ、こっちもポッキリ折れている。伸びてはいるんだけど、私の知っている指数関数のグラフはこんな形じゃない。
3.がっかりしたのでIRに問い合わせた
私の予想を大きく下回ったIRミーティングの資料だった。がっかりしたのでIRに問い合わせてみた。
上場企業にはIR(アイアールとそのまま読む)という部署がある。投資家に対して企業が自らをPRする部署だ。電話することも出来るが、短い内容ならメールで十分だ。そもそも平日の昼間に電話している暇なんてないし。
わからないことがあったらIRに問い合わせるのが一番いい。向こうも仕事だし、ちゃんと勉強して調べた質問にはちゃんと答えてくれる。
私が送ったメールは以下の通り。
> 先日発表された「37期業績と38期計画」の内容についての質問です。
> 半年前に発表された第2四半期の数字と比較すると、Volumeビジネスの
> 顧客数の伸びや契約数の伸びが、著しく失速しているようです。
> また、公教育部門やウェルネス部門の顧客数も頭打ちになっているようです。
>
> 1.その原因についてはどのようにお考えでしょうか。
>
> 2.今後の数字の推移の見通しとしては、どのように考えているのでしょうか。
> 一時的な停滞と考えているのか、伸びしろを使い切ったと考えているのか。
文章の最後の方に、予想を外した私のイラつきが見え隠れしている。でも多少直接的に質問したほうが、IRの本音も漏れやすいのではないかと思ったんだ。
そのメールに対するIRの回答(要約)。
え、別に顧客数の伸びとかは鈍化してないよ。むしろ当初の見込みを上回ってるよ。契約の開始時期に偏りがあるのは間違いないけど。
公会計領域については総務省が「2018年3月までに新しい複式簿記による公会計制度を導入しろ」って指導していたからその時期に伸びたんだよ。
・・・・ああ、契約の開始時期ってものがあったね。
システムディの顧客は地方自治体や学校なんかが多い。いずれもお役所のようなものだから、予算は年度初めの3月から4月に一年分が決まる。お役所は、年度が変わらないと予算が付かない。どんなに必要なものが出てきても、新年度になるまで待たないと買ってもらえないのだ。
だから、システムディの売上は3月4月の含まれる第二四半期に集中している。そういう基本的なところを見落としていたんだ・・。季節的な変動を見落としてそのまま売上が上昇すると判断した私のミスだった。
私の気持ちは更に急角度で折れた。
4.今回の教訓
今回の教訓は以下の2つ。
1.なにかわからない事があったらIRに確認しよう。
わかるのは自分の勘違いかもしれない。でも何もしないよりずっといい。
2.売上の季節変動に惑わされるな。
例えば任天堂の売上は12月ころに一番伸びる。なぜだかわかるか?
そういう季節変動も考えて業績を読もう。
でもシステムディを安いところで買ったことは後悔していない。だから買った株を売ってもいない。半年後を待てば十分報われると思っているから。
株式投資は自分でやってみてこそだ。自分でミスをして、そこから学ぶことがすごく多い。こればっかりは実際やってみないと絶対に身につかない。
ちゃんと自分で考えていれば、その結果が失敗だとしても教訓は得ることができる。人のマネをやっていれば教訓は残らない。どうせ損するなら、自分の考えで投資したい。そうすれば失敗しても得るものがある。
その教訓を元に、また明日からの相場を生き抜いていけばいい。