中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

企業はどれだけお金を持っているか?借金の額は?

お金をせびる人のイラスト(女性から男性)

 

1.企業の持っているお金はここに書いてある

企業の売上が全くなくなろうと、借金が何兆円あろうと、手元に現金さえ残っていれば倒産はしない。逆にどれだけ売上があって利益があったとしても、他社にお金を貸していたとしても、手元に現金がなくなってしまえば倒産する。

 

企業が手元にどのくらいお金を持っているか?それを調べておくことはとても重要だ。

そんな話を前回書いた。

 

企業が持っているお金の額は簡単に調べられる。

キャッシュフロー計算書」という表に書いてある。

 

 

2.キャッシュフロー計算書に現金残高が書いてある

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上の表は、私の持ち株でもあるシステムディのキャッシュフロー計算書だ。

2018年12月17日に発表された決算短信から取ってきたものだ。

 

字が小さくて見にくいが、一番下の欄を見てほしい。

「現金及び現金同等物の期末残高 732,391」という数字がある。

単位は(千円)。つまり7億3,239万1千円の現金が、平成30年10月31日時点で会社に存在した事がわかる。

 

つまり、システムディは7億3,000万円の現金を持っている。

 

 

3.借金は貸借対照表「負債の部」を見ればわかる

一方、借金はどのくらいあるか?

これは貸借対照表の「負債の部」に書いてある。

 

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一番上に「流動負債」という項目がある。

ここにはシステムディが1年以内に支払わなければいけないお金が、緊急性の高いものから順番に書かれている。

 

支払手形及び買掛金      2億  243万円

短期借入金             0円

一年内返済予定の長期借入金 1億7,000万円

一年内償還予定の社債          0円

未払金              4,153万円

未払費用          1億1,994万円

 

この辺りまでを合計すると 5億3,388万円となる。

 

その後に続く「前受収益」は先払いで貰っているお金なので返す必要はない。

税金はすこしくらい待ってもらっても会社は潰れない。

「〇〇引当金」とは「〇〇が起きた時に払うお金を積み立てておきます」というお金なので、倒産とは関係ない。

というわけで、この辺りは無視していいだろう。 

 

システムディは7億3,000万円の現金を持っている。

1年以内に支払わなければならない借金が5億3,388万円ある。

つまり1年間、1円も儲からなくても2億円ほど現金が残るわけだ。

潰れる心配がない事が理解できると思う。

 

 

4.四季報にも載っている

会社が持っている現金の額はとても重要だ。

だから四季報にもちゃんと載っている。

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字は小さいけど、マーキングした場所に「現金同等物 16,792億円」と書いてあるのが読めると思う。さすが豊田自動車、現金だけで1.68兆円も持っている。

 

 

でも「四季報を見ればいいんだな」と思わないでほしい。

決算書を直接読む訓練は絶対に必要なのだから、今のうちに少しでも慣れていった方がいい。

 

 

5.まとめ

・現金が借金よりたくさんあれば会社は潰れない。

・現金と借金の額は決算書から読み取ろう。とても簡単だ。

・決算書の数字を読む訓練をすこしずつ続けよう。

 

次回、キャッシュフロー計算書についてもう少し続けます。