企業はどれだけお金を持っているか?借金の額は?
1.企業の持っているお金はここに書いてある
企業の売上が全くなくなろうと、借金が何兆円あろうと、手元に現金さえ残っていれば倒産はしない。逆にどれだけ売上があって利益があったとしても、他社にお金を貸していたとしても、手元に現金がなくなってしまえば倒産する。
企業が手元にどのくらいお金を持っているか?それを調べておくことはとても重要だ。
そんな話を前回書いた。
企業が持っているお金の額は簡単に調べられる。
「キャッシュフロー計算書」という表に書いてある。
2.キャッシュフロー計算書に現金残高が書いてある
上の表は、私の持ち株でもあるシステムディのキャッシュフロー計算書だ。
2018年12月17日に発表された決算短信から取ってきたものだ。
字が小さくて見にくいが、一番下の欄を見てほしい。
「現金及び現金同等物の期末残高 732,391」という数字がある。
単位は(千円)。つまり7億3,239万1千円の現金が、平成30年10月31日時点で会社に存在した事がわかる。
つまり、システムディは7億3,000万円の現金を持っている。
3.借金は貸借対照表「負債の部」を見ればわかる
一方、借金はどのくらいあるか?
これは貸借対照表の「負債の部」に書いてある。
一番上に「流動負債」という項目がある。
ここにはシステムディが1年以内に支払わなければいけないお金が、緊急性の高いものから順番に書かれている。
支払手形及び買掛金 2億 243万円
短期借入金 0円
一年内返済予定の長期借入金 1億7,000万円
一年内償還予定の社債 0円
未払金 4,153万円
未払費用 1億1,994万円
この辺りまでを合計すると 5億3,388万円となる。
その後に続く「前受収益」は先払いで貰っているお金なので返す必要はない。
税金はすこしくらい待ってもらっても会社は潰れない。
「〇〇引当金」とは「〇〇が起きた時に払うお金を積み立てておきます」というお金なので、倒産とは関係ない。
というわけで、この辺りは無視していいだろう。
システムディは7億3,000万円の現金を持っている。
1年以内に支払わなければならない借金が5億3,388万円ある。
つまり1年間、1円も儲からなくても2億円ほど現金が残るわけだ。
潰れる心配がない事が理解できると思う。
4.四季報にも載っている
会社が持っている現金の額はとても重要だ。
だから四季報にもちゃんと載っている。
字は小さいけど、マーキングした場所に「現金同等物 16,792億円」と書いてあるのが読めると思う。さすが豊田自動車、現金だけで1.68兆円も持っている。
でも「四季報を見ればいいんだな」と思わないでほしい。
決算書を直接読む訓練は絶対に必要なのだから、今のうちに少しでも慣れていった方がいい。
5.まとめ
・現金が借金よりたくさんあれば会社は潰れない。
・現金と借金の額は決算書から読み取ろう。とても簡単だ。
・決算書の数字を読む訓練をすこしずつ続けよう。
次回、キャッシュフロー計算書についてもう少し続けます。