会社の利益3兄弟を理解する
企業にとって一番重要な利益。
重要な数字なので、株を買う前に必ず調べる必要がある。
やはりYahooファイナンスで調べることができる。
今回はCoCo壱番屋を展開している「株式会社 壱番屋」を例にあげて見てみよう。
まずYahooファイナンスで壱番屋を検索して、そのページを開く。
そして下の図の赤丸で示した「企業情報」のタブを開く。
するとこのような画面になる。
その左側、赤丸で囲んだ「連結決算推移」という場所をクリックする。
このページで壱番屋の利益がわかる。
2016年2月期の利益は、営業利益が4,712百万円、経常利益が4,864百万円、当期利益が3,189万円・・・。
なんだか利益が3種類書いてある。
なんなんだ、これは?
実は会社の利益には3つある。
自分がカレーショップを経営していると考える。
カレーショップなので、カレーライスを売る。
1000円のカレーが売れれば、売上高は1000円だ。
1000円が手に入るが、これが全て儲けになるわけではない。
カレーを作る肉や野菜やコメなどの材料、調理するためのガス代や電気代、従業員に払う給料、CMを打つための宣伝費、その他いろいろかかる。
これらの経費が900円だとすると、利益は100円になる。
1000円のカレーを売って、100円の儲けがでる。
カレーショップはカレーを売ることが本業だ。
本業で得た利益の事を「営業利益」という。
1000円の売上で、営業利益100円を得た訳だ。
しかし話はこれだけでは終わらない。
カレーショップを開業する時にお金が足りず、借金をしていた場合。
100円の営業利益から、借金の利息を払わなくてはいけない。
支払う利息が10円だった場合、ショップに残るお金は、
100円 ー 10円 = 90円となる。
逆に人に部屋やお金を貸していて家賃や利息の収入があった場合、ショップに残るお金は増える。
家賃収入も利息の支払いも、本業のカレーショップとは関係ない。
このような本業以外のお金の出入りを含めた利益の事を「経常利益」という。「けいじょうりえき」と読むが、「けいつねりえき」と読む事もある。
お金が儲かると、国が税金を払えと言ってくる。
これは個人も会社も関係ない。
金が入るところに税金あり。
90円の経常利益から20円の税金を払った。残りは70円。
この70円が「当期利益」だ。
最終的な、純粋な会社の利益のことを「当期利益」という。純粋な利益だから「当期純利益」とか「純利益」と呼ぶこともある。
更に、その年だけたまたまあった収入や損失を加える。
・・・お客さんにゴキブリ入りのカレーを出してしまった。そのお詫びのために5000円払った。まあ5000円で納得してくれたから良しとしよう・・
そんな事件がたまたまあった場合、5000円は特別損失になる。
この場合、当期利益は
90円 ー 5000円 = -4910円。
4910円の赤字となる。
普通の年は
売上高 1000円 ここから本業の経費を引く
営業利益 100円 ここから利息等の経費を引く
経常利益 90円 ここから特別損失や税金を引く
当期利益 70円 これが最終的な利益。会社の所有者の取り分だ。
ゴキブリ事件があった年は
売上高 1000円 ここから本業の経費を引く
営業利益 100円 ここから利息等の経費を引く
経常利益 90円 ここから特別損失や税金を引く
当期利益 -4910円 これが最終的な結果だ。つまり赤字だ。
このように、会社の利益は3つある。
それぞれの意味はいずれ説明するので、まずこの違いを理解しよう。
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ゴキブリ入のカレーを出したときは、すぐに謝ろう。