中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

会社の利益3兄弟を理解する

 

 

会計士のイラスト(男性)

 

企業にとって一番重要な利益。

重要な数字なので、株を買う前に必ず調べる必要がある。

やはりYahooファイナンスで調べることができる。

 

今回はCoCo壱番屋を展開している「株式会社 壱番屋」を例にあげて見てみよう。

 

まずYahooファイナンス壱番屋を検索して、そのページを開く。

そして下の図の赤丸で示した「企業情報」のタブを開く。

 

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するとこのような画面になる。

 

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その左側、赤丸で囲んだ「連結決算推移」という場所をクリックする。

 

 

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このページで壱番屋の利益がわかる。

2016年2月期の利益は、営業利益が4,712百万円、経常利益が4,864百万円、当期利益が3,189万円・・・。

なんだか利益が3種類書いてある。

なんなんだ、これは?

 

 

実は会社の利益には3つある。

 

自分がカレーショップを経営していると考える。

カレーショップなので、カレーライスを売る。

1000円のカレーが売れれば、売上高は1000円だ。

1000円が手に入るが、これが全て儲けになるわけではない。

カレーを作る肉や野菜やコメなどの材料、調理するためのガス代や電気代、従業員に払う給料、CMを打つための宣伝費、その他いろいろかかる。

これらの経費が900円だとすると、利益は100円になる。

1000円のカレーを売って、100円の儲けがでる。

 

カレーショップはカレーを売ることが本業だ。

本業で得た利益の事を「営業利益」という。

1000円の売上で、営業利益100円を得た訳だ。

 

 

しかし話はこれだけでは終わらない。

カレーショップを開業する時にお金が足りず、借金をしていた場合。

100円の営業利益から、借金の利息を払わなくてはいけない。

支払う利息が10円だった場合、ショップに残るお金は、

100円 ー 10円 = 90円となる。

 

逆に人に部屋やお金を貸していて家賃や利息の収入があった場合、ショップに残るお金は増える。

 

家賃収入も利息の支払いも、本業のカレーショップとは関係ない。

このような本業以外のお金の出入りを含めた利益の事を「経常利益」という。「けいじょうりえき」と読むが、「けいつねりえき」と読む事もある。

 

 

お金が儲かると、国が税金を払えと言ってくる。

これは個人も会社も関係ない。

金が入るところに税金あり。

90円の経常利益から20円の税金を払った。残りは70円。

この70円が「当期利益」だ。

最終的な、純粋な会社の利益のことを「当期利益」という。純粋な利益だから「当期純利益」とか「純利益」と呼ぶこともある。

 

更に、その年だけたまたまあった収入や損失を加える。

・・・お客さんにゴキブリ入りのカレーを出してしまった。そのお詫びのために5000円払った。まあ5000円で納得してくれたから良しとしよう・・

そんな事件がたまたまあった場合、5000円は特別損失になる。

この場合、当期利益は

90円 ー 5000円 = -4910円。

4910円の赤字となる。

 

普通の年は

売上高   1000円 ここから本業の経費を引く

営業利益   100円 ここから利息等の経費を引く

経常利益    90円 ここから特別損失や税金を引く

当期利益    70円 これが最終的な利益。会社の所有者の取り分だ。

 

 

ゴキブリ事件があった年は

売上高   1000円 ここから本業の経費を引く

営業利益   100円 ここから利息等の経費を引く

経常利益    90円 ここから特別損失や税金を引く

当期利益 -4910円 これが最終的な結果だ。つまり赤字だ。

 

 

このように、会社の利益は3つある。

それぞれの意味はいずれ説明するので、まずこの違いを理解しよう。

 

 

よい謝罪 仕事の危機を乗り切るための謝る技術

 ↑

ゴキブリ入のカレーを出したときは、すぐに謝ろう。