中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

奨学金と「判断力のない子供」

 

貸与奨学金の返済に追われる人のイラスト

 

1.決算シーズンを終えて

みなさんこんばんは。

今回の決算シーズンはいかがだったでしょうか。

 

決算の数字で会社の好調不調が見えてくるし、発表前後は株価が動きやすいし。

発表前のドキドキはたまらないですよね。このような密度の濃い日々を過ごせるなんて、本当に投資家冥利に尽きます。

決算資料を読み込んでいるうちにいつの間にか夜ふかし、という方も多いと思います。楽しみが多いのはありがたいです。

お金が増えれば更に良いんですけど、そのあたりは置いておきましょう。

 

ここは株式投資ブログなので決算についてもいろいろ書きたいのですが、今日は休みです。株式投資とは直接関係ないことを書きます。

株式投資とは直接関係ないですが、間接的には激しく関係していることです。

奨学金のことです。

 

 

2.奨学金政令

れいわ新選組、という政党を立ち上げた山本太郎代表が「奨学金政令」という公約を出していました。借りていた借金がチャラになる徳政令。日本史の教科書に載っています。奨学金という借金がチャラになります。

 

奨学金政令

なかなかインパクトのある言葉です。Twitterなどでも議論が湧いていたようです。

このあたりの議論を聞いていると、私はすごくもやもやした気持ちになります。

かなり旬が過ぎた話題ですが、 旬を逃すのはいつものことなので気にしません。今日は私のもやもやについて書いてみようと思います。

 

 

さて、奨学金です。

日本の大学生の約半分が奨学金を借りているようです。奨学金という借金を背負っている人は日本全国で500万人ほどいるそうです。

 

その500万人を救うための徳政令

500万人の中には私も含まれます。私がすべての奨学金を払い終わるのは2023年です。50歳の背中も見え始めたこの歳で、未だに奨学金を返し続けています。

 

それほど裕福じゃない家に生まれた私です。高校生の頃から奨学金を借り始めました。奨学生募集の掲示板を見つけて自分で申し込みに行ったこと、募集のときに面接を受けたことなど、いまだに覚えています。

大学生になったのは1990年代前半です。既にバブルは崩壊していました。長い長い不景気の始まりの頃です。

 

当然のように私は様々な機関から奨学金を借り続けました。

一番ヒヤヒヤしたのは単位を落とす事でした。

借りていたある奨学金のルールに「仮進級は認めない」という条項があったのです。

そのときに通っていた大学は単位を3つまで落としても仮進級が認められていました。進級後にもういちど下の学年の講義を履修する事ができたのです。単位をひとつふたつ落としたまま進級し、年度末に無理をして辻褄を合わす。そんな同級生はたくさん居ました。

 

しかし私がこの技を使うと奨学金が打ち切られてしまいます。それはマズい。

自分だけゲームのルールが違うんですね。

それでもちゃんと卒業しました。

 

卒業時は奨学金が総額で900万円ほどになっていました。全額が返却される予定日の西暦を見て笑えてきました。

「そんな先まで未来が続いているのか!」

そんな気分になりました。

しかし未来が途切れることはなく、今月も返済のためにお金が口座から引き落とされています。 

 

 もし徳政令が本当に発令されれば、私は喜んで返すのをやめます。

合理的な投資家を目指しているので、お金を返すことにこだわったりしません。

 

 

3.奨学生は被害者じゃない

それでも「奨学金政令」にもやもやを感じるのは、奨学金を借りた人が被害者っぽく扱われているからでしょう。

 

お金を借りたら返す必要があります。

奨学金のお金は「自分への投資資金」です。自分のスキルを向上させ、より生産の高い人間にするための投資です。

遊ぶためのお金ではありません。将来稼ぐための資金です。

 

その事実に気付かずに大事な投資資金を浪費してしまった?

それは会社のお金を横領してギャンブルに使ってしまったのと変わりません。

 

ここまで返すのが大変だとは思わなかった?

奨学金を借り始めるのは、ほとんどが18歳以上です。18歳といえばもう選挙権すらあります。まっとうな判断が出来る大人だとみなされているわけです。

お金を借りるという意味くらい学んでおきましょう。

 

そもそも、と「奨学金被害者」に聞きたいです。

あなたは学生時代、図書館の貸出カードを持っていましたか?

 

図書館に行けば沢山の本が置いてあって、タダで借りることができます。

本を読むことは大変に効率の良い勉強方法です。世の中の仕組みもしっかりと知ることができます。

借金をすることの意味について、奨学金の意味について、学ぶ機会はいくらでもあったわけです。その機会を利用しなかったのは自分です。

 

それなのにただ被害者ぶるのは救われない。

自分を「判断力のない子供」扱いするのはやめましょう。

年齢的にはとっくに大人です。

 

 

4.おわり

私は大学の学費は無料にするべきだと思っています。

それが、この国がすべき将来への投資だと思っています。少子化対策の一助にもなるはずです。

 

だからといって、自分を子供扱いする「奨学金被害者」に共感はできません。

その時はそういうルールになっていたわけですから。

ルールを理解せずルールを知ろうともせずにゲームに負けて、被害者ぶるのはおかしい。

 わたしのもやもやの原因はそこなんだと思います。

 

 

株式投資の世界にも時々いますよね。

「有名投資家の〇〇さん推し銘柄を買ったら損した!!」って騒ぐ人。

自分を「判断力のない子供」扱いするのはやめましょう。

少なくとも投資家には徹底的に向いていませんよ。

 

 

 

  こんな本がいくらでも図書館に置いてあります。

         

あと、「放送大学」という奥の手もあります。ググってみてください。