中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

明豊ファシリティワークスを買った理由③ 将来性について

将来設計をする人のイラスト(男性)

1.中長期の投資家なので

自分自身のことは中長期の投資家だと思っている。

成長しつつある企業を安く買って中長期で持つ。業績と共に株価が上がっていくのを楽しみとする。そういう投資家になりたいと考えている。

 

実際は業績があがるかどうかは分からないし、株価が上がるかどうかなんてもっと分からない。

それでも投資に際しては「その企業が成長するかどうか」という事を一番重視する。

その企業が成長するかどうか、その可能性はどのくらいか?それを自分なりに考え、成長性と株価を比較して、安ければ買う。

成長しててもあんまり高ければ買えない。成長する良い会社を安く買いたい。

いつもそう思って投資をしている。

 

というわけで、明豊ファシリティワークスの将来性について書く。

連休明けの決算発表が気になる方は多いと思うけど、決算予想はその後です。

 

 

2.CMの将来性

前回までの記事は中学生にもわかるよう難しい言葉を使わなかった。

今回からの記事は大人向けに書くので、説明不足になることもあるが勘弁してほしい。

 

前回までの記事で私は「建築アドバイザー」という言葉を使っていた。明豊ファシリティワークスでは「建築アドバイザー」という言葉は使っていない。コンストラクションマネジメント、略してCMという言葉を使っている。

このCM業界の将来性について書きたい。

 

CM業界での明豊ファシリティワークスの優位性は前回までに書いた。しかし、いくら優位性があったとしても、CMの市場がしぼんで行くのなら業績を伸ばすのは難しい。

まずCMの市場を見てみたい。

 

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上の図は明豊ファシリティワークスの決算資料からのコピーだ。

平成30年度の建築マーケットは全部で70兆円。その中で道路やマイホームなどはCMの対象にならないので省くと、CMマーケットは22.6兆円になる。

22.6兆円の建築費のなかで、CMの介入を受けている部分は3兆円程度、全体の13%に過ぎない。これから国策としてCMを推進していくわけだから、今後も全体の13%にとどまるわけがない。市場が3倍に膨らんだとしてもまだ9兆円、潜在的な市場の半分にも至らない。

市場の天井はまだまだ高いと考えられる。

 

ちなみにこの3兆円の建築費のなかで、明豊ファシリティワークスが介入しているCMは7,000億円。シェアは23.3%だ。

公共工事に限って言えばシェア50%程度とのことだ。

 

 

3.ポイントは人材だ

ある田舎町で災害が起きてけが人が倍増しても、その街の整形外科の売上が倍増することは絶対に、ない。

田舎町の整形外科なんていつでも患者さんであふれている。災害が起きても起きなくても、整形外科医はいつだって忙しい。既に稼働率は100%近いのだから、それ以上患者さんが増えても売上が倍になることはない。医者が過労で倒れ、売上が激減する可能性すらある。

田舎の整形外科が売上を倍にしたいのなら、医師や看護師の人数を倍にする必要がある。

 

CM業界でも同じことが言える。

いくらCMの市場が拡がっても、その仕事をこなす人材がなくては売上は上がらない。

明豊ファシリティワークスの成長には、優秀な人材の確保が不可欠だ。

明豊ファシリティワークスが人材の確保について行ってる施策を、これから順に挙げていく。

 

・給料・

良い社員を集めるためには高待遇が必要だ。

有価証券報告書を見ると、明豊ファシリティワークスの社員の平均年齢は44.6歳、平均年収は963万円だ。

 上場企業の平均年収は45歳で730万円。それと比べると、まずまずの高待遇だと考えられる。

少なくとも給料が安いと退職者が続出するような会社ではないだろう。

 

・残業・

いくら給料が良くても、毎日毎日仕事が終わらず、日付が変わる直前まで残業が必要になるような職場は嫌だ。逃げ出す社員、倒れる社員も増えるだろう。

しかし明豊ファシリティワークスは大丈夫だ。決算説明資料に残業時間の推移がKPIとして発表されている。

 

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 2018年度の平均残業時間は、月に19.0時間らしい。

これは、ただただ羨ましい。

 

社員の労働時間辺りの粗利益が出されているのも素晴らしい。無意味かつ非効率的な仕事ほど、労働者を消耗させるものはないのだから。効率的に気持ちよく仕事が出来るのは、社員にとっても会社にとっても良いことだ。

はー、羨ましい。

 

・業務の可視化・

上のグラフのようなデータを決算発表で示すことが出来るのはなぜか?

それは業務のデジタル化が進んでいるからだ。

明豊ファシリティワークスは1995年という早い段階から、仕事の進捗を顧客と共有するシステムを稼働させている。

それぞれの仕事の進捗状況、どの社員が何の仕事をやっているか、そういう事が管理できるようになっているらしい。

 

・ノウハウの蓄積、共有・

地方の公立病院で内科医が5人働いていたとする。しかしこの5人は患者さんをそれぞれ別個に診療している。お互いに干渉することなく働いている。総合病院ではあるが、開業医の集合体と同じだったりする。

こういうことは時々ある。

弁護士や会計士などの士業も、そういう事務所があったりするのだろう。よく知らないけど。

 

CM業界も同じことが起こる可能性がある。

「同じ会社で働いているけど、案件は社員一人ひとりが抱え込んでいる。その担当者が病気になったら、その仕事を引き継ぐ人が大変な苦労をしてしまう。」

こういう状況は望ましくない。

 

明豊ファシリティワークスでは業務のデジタル化、ノウハウの蓄積にとても力を入れているという。

「提案の仕方、選択肢の出し方、情報の取り扱い方、判断の仕方、意思決定の持って生き方、そういうものが財産であり、そのノウハウのデータ化と蓄積に非常に力を入れている」

決算説明会動画で社長がこのように熱く語っている。

蓄積したノウハウが共有できれば、新しく入った社員がそれを吸収して戦力化するのが早くなるだろう。社員ひとりあたりの生産性は向上する。

 

 

4.まとめ

・市場の拡大は問題なし

・社員の待遇も問題なし

 

実際、社員は年間10人程度増加している。建築業や設計などの実務経験を積んだ人を積極的に採用しているとの事だ。

 

明豊ファシリティワークスには将来性がある。

そう判断しました。

 

次回、5日発表の決算について考えた事を書きます。

 

 

↓ こんな本もあるんだ・・。読んでおかないとな。

デジタル新時代を勝ち抜く明朗経営 明豊ファシリティワークスの挑戦