中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

手元の現金がなくなった時、会社は倒産する

急に倒産した会社の社員のイラスト

 1.会社はそんなに倒産しない

はじめに書いておくが、会社なんてそんなに簡単に倒産しない。

現在、日本の上場企業は3,676社あるが、その中で倒産する企業は年間数社しかない。平成の30年間で倒産した上場企業は234社だ。

リーマンショックの影響で平成20年は33件の企業が倒産したが、それでも全体の1%にも満たない。自分の持ち株の企業が倒産したときは、その希少な経験を自慢してもいいくらいだ。

 

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参考:平成の上場企業倒産(4月26日16時現在) : 東京商工リサーチ

 

そんなわけで、倒産なんて滅多に味わえるものではない。

持っている株が明日紙屑になるかもしれない、というのは株式投資をやらない理由としてはかなりズレている。

 

 

2.会社が倒産する理由

それでも時々会社は倒産する。一体なぜ倒産するのだろうか?

客が来なくなって商品が売れなくなったときに倒産するのか?

いやいや、商品が1つも売れなくても会社は倒産しない。

 

例えば、窪田製薬という会社がある。この会社の売上はゼロだ。まだ世の中に存在しない薬を開発している会社なんだけど、売るための薬が完成していない。

売り物がないから売上はゼロ、利益は当然マイナス。去年1年間で32億7,400万円の赤字を出している。

それでも会社は倒産しない。

マザーズに上場しているが、時価総額は126億円だ。

 

 

借金が多くなったときに倒産するのか?

いやいや、借金なんていくらあっても会社は倒産しない。

例えば、誰でも知っているソフトバンクグループだが、その借金は15兆円近い。15兆円の借金を抱えているけど、潰れる可能性はほとんどない。

借金が多い企業ランキングトップ10!巨額負債を抱える会社はどこ? | お金のカタチ

 

 

倒産に至る過程はいろいろあるが、直接的な原因は1つしかない。

手持ちの現金がなくなった時だ。手持ちの現金がなくなった時、会社は倒産するんだ。

 

 

3.期限が守れない会社は信用されない

中学生が宿題や課題を期限通りに提出しないと、先生に叱られる。

 

学校で期限を守らなくても叱られるだけだ。しかし会社が「お金を◯月◯日までに支払います」という約束を破った場合、もう信用されなくなってしまう。

会社同士の取引は信用で成り立っている。信用されなくなった会社は、もう商売ができなくなる。

「お金を貸しても返してくれないかもしれない」「商品を渡しても代金を払ってくれないかもしれない」

こんな風に思われるので、もうだれも商品を売ってくれなくなる。銀行もお金を貸してくれなくなる。だから商売が出来なくなってしまうんだ。

お金を払う約束を破った時、その企業は倒産すると思っていい。

 

だから企業は「お金を◯月◯日までに支払います」という約束を絶対に守る。

逆にこの約束さえ守っていれば、企業は倒産しない。

 

つまりたくさん現金を持っていて、いつでもお金を払えるような企業は倒産しないんだ。

逆にいくらお客さんがたくさん来て商品がたくさん売れていても、手持ちのお金がなくなって支払いの約束が守れなくなった企業は、倒産する。

 

 

4.企業が持っている現金はどこで見ればいいか

というわけで、企業の倒産する確率を知るためには、企業が持つ現金の額を調べればいい。

それが「キャッシュフロー計算書」というところに書いてある。

次回はそのあたりを見ていきたい。

 

 

  この本、面白かったです。倒産前にどのような事が起きるのか?

         具体的な例を上げて説明されています。おすすめ。