中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

千里の馬は常にあれど伯楽は常にはあらず

ウマヅラハギのイラスト

1.投資家の妄想

「あの時に〇〇しとけば、今頃ぜんぜん違う人生を歩んでいただろうなあ・・」

 

お盆休みに帰省し、つい高校時代のアルバムなどを見てしまう。ちょっとしたきっかけで昔の記憶がよみがえる。

10年以上前の記憶が、当時の感情とともに浮かんでくる。深い水の底から泡がふわふわと上がってくるようだ。

そして甘酸っぱくて死にそうになる。

 

記憶のなかで自分がとった選択、あるいは取らなかった選択が、その後の人生をどのように変えていくか妄想する。

妄想は楽しいけど役に立たない。過去は決して変わらない。そんな事は言われなくてもわかっている。

まあ、おじさんの娯楽のひとつだ。人の娯楽にケチをつけてはいけない。

 

 

「あの時あの株を買っていれば、今頃もう億を超えているのに」

これは多くの投資家が考えることだ。買っていたら、売らなければ

「たられば」だ。

これは投資家の娯楽のひとつかもしれないが、あまり健全じゃない気もする。

 

 

2.とんかつは買ったけど

健全じゃない、といいながら1つ例を。

アークランドサービスホールディングスという会社について。

 

中学生は「アークランドサービスホールディングス」と言われてもピンとこないと思う。でも「かつや」なら知っているだろう。アークランドサービスホールディングスはとんかつの「かつや」を展開している会社だ。

 

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そのアークランドサービスホールディングスの10年チャートがこれだ。

 

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解説不要なほど、はっきりと株価は上昇している。

2012年1月4日の株価は 170.8円だった。

それが2018年1月4日には 2,671円まで上昇している。

株価は6年で15.6倍になっている。

 

その間、株式投資家を名乗りながらその株を買わず、とんかつばかり買っていた。

ああ、なんてこった。とんかつじゃなくてアークランドサービスホールディングスの株を買っておけば、今頃運用資産1億円を超えていたのに・・。

 

 

3.テンバガーは常にある

このように、株価が10倍を超えて上昇する株を「テンバガー」という。

長期投資家は誰もがテンバガーに憧れる。

私も憧れているが、一度もつかんだ事はない。

 

しかし、テンバガーは常にある。

2018年の1年間だけで、その株価を10倍にした銘柄は5つあった。

現在日本の株式市場に上場している会社は 3,673社ある。この中のどれかは、間違いなくテンバガーになる。

 ただそれがどの会社かわからないだけだ。

 

タイトルの「千里の馬は常にあれど伯楽は常にはあらず」というのは中国のことわざだ。「千里の馬」というのは1日千里(現在の距離では400km)も走れる優秀な馬のこと、「伯楽」とは、馬の素養を見抜ける人の事だ。

 

直訳すれば、「素晴らしい馬は常にどこかにいるけど、それを見抜ける人はあんまり居ない」という意味になる。

これは、「素晴らしい人材はいつもいるんだけど、それを見抜いて抜擢できる人はあんまり居ない」という意味で使われる。

 

「俺は本当はすごく有能なんだけど、だれも抜擢してくれない。だからこんなところでくすぶっているんだ・・。」

どちらかというとそんな中二病患者が使いそうなことわざだ。才能を見出して使ってくれない上司が悪い、環境が悪い、産まれてきた時代が悪い・・。

そんな事を言っている時点で「千里の馬」ではありえない。

 

だけど株式投資家にとっては身につまされる。 

テンバガーは常にあるのだから。

ただ、それを見抜ける投資家はとても少ない。

そしていつもクソ株クソ株といつも文句を言っている。

そんな事を言っている時点で「クソ投資家」決定だ。

 

私ですか?

ええ、テンバガーなんて一度もつかんだ事はないですよ。

 

 

  

 ← このマンガ、未読の方は是非一度読んでください。

           女性向けですが、男性でも楽しめます。破壊力がすごい・・。