損切りする時/勝率100%のレインメーカー
1.勝率100%のレインメーカー
雨乞い師、という職業が存在する。日照りで農作物の収穫が危うくなった時などに、雨を降らせるのが仕事だ。歴史上日照りや干ばつは繰り返し起こっており、飢饉が発生して沢山の人が亡くなっている。だから雨を降らすことができれば人々に感謝される。十分に職業として食っていけるだろう。
雨乞いのやり方はいろいろな流派があるんだろうけど、だいたい神様とかに祈る。神様とかに祈って雨を降らせてくれるようにお願いする。無事雨が降れば、雨乞い師は報酬を受け取ることが出来る。
雨乞いがうまくいって雨が降ればいい。でも雨が降らなかった時はちょっと嫌だ。怒り悲しむ村人にひどい目に合わされる前に、夜の闇に紛れて逃げなくてはいけない。村人にハッタリをかます話術と、逃げ足の速さ。この2つは雨乞い師にとって必須の能力だと考えられる。
適当な話を書いているけど、ここからは少し真面目な話。
絶対に雨を降らせることが出来る雨乞い師がいる。勝率100%で雨を降らすことができる。 その秘密はなにか?
「雨が降るまで祈り続ける」
これが答えだ。祈り続ければいつかは雨が降る。どれだけ晴天が続いていても、100日も待てば必ず雨が降る。日本であれば、だけど。
2.雨乞いの舞台が日本なら/会社が成長し続けるなら
いつかは雨が降り出す。それまで祈り続ければ勝率100%になる。
でも雨乞いの舞台がタクラマカン砂漠なら、これは厳しい。
雨乞い師をやるなら日本でやるべきだ。
そしてウィザスの話をまた持ち出す。
現在はすこし下がっている株価だけど、ずっと持っていればいずれ上がる。それは1ヶ月後かもしれないし、3年後かもしれない。ウィザスという会社が成長し続ける限り、必ず株価は上がる。株価が上がる日まで株を持ち続けていれば、必ず儲ける事ができる。勝率100%の雨乞い師と同じだ。
ウィザスという会社が成長しなくなって赤字を垂れ流すようになるなら、どれだけ待っても株価は上がらない。タクラマカン砂漠でどれだけ雨乞いの儀式を続けても、まとまった雨は降らないのと同じだ。
3.いつ負けを認めるか?
ではいつになったら負けを認めるのか?株価が下がった時、損切りをいつやるのか?
損切りして損を限定するのはとても重要なことだ。でも、株価が下がったという理由だけで損切りすることはない。
株を売る時は、
① 期待通り株価が上がって十分に儲かった時
② 予想していたストーリーが崩れた時
③ もっといい株を見つけた時
この3つだけで十分だろう。
① 期待通り株価が上がって十分に儲かった時に売る。これに解説はいらないだろう。
② 予想していたストーリーが崩れた時。これはとても重要だ。
前回書いたウィザスの株は、「第一学院高等学校の生徒数が増え、それに伴って経費はあまり増えずに利益だけがすごく増える」という予想のもとに購入した。たぶん生徒数は増えている。経費はそんなに増えないはずだ。だからしばらくすると上方修正がかかるはずだと考えている。
このストーリーは崩れていない。だから株価下落だけでは売る理由にならない。ストーリーが崩れない限り、いつかは株価が上がるのだから。
③ もっといい株を見つけた時。これはなかなか難しい。
本当に新しく見つけた株のほうがいいかどうかはわからないからだ。
でも圧倒的に安くて良い株を見つけた時は、資金を作るために持ち株を売る。これは株を売る理由になる。
雨乞いをやめる時は、
① 予定通り雨が降って報酬を受け取った時
② どうやら雨乞いの舞台が日本ではなくタクラマカン砂漠だったと気づいた時
③ もっと雨が降りそうな土地を見つけた時
この3つなんだ。
解説はいらないだろう。雨が降りそうな所で雨乞いをすればいいんだ。あえて砂漠で雨乞い師をする必要はない。そこが砂漠だと気づいた時は、逃げ足の速さを存分に発揮して逃げればいい。意地を張って砂漠で雨乞いをしても、雨が降る前に死んでしまう。
自分は砂漠で雨乞いをしていないか?
これは心のメモに書いておくべきだろう。