中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

ウィザスの決算分析/ショボい来期予想に泣く

 

 水圧の弱いシャワーのイラスト

 

1.ウィザスの2019年3月本決算発表

 5月14日、2019年3月のウィザス本決算が発表された。

発表を受けて、株価は下がった。

 

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 発表前は「コレは行けそうだ!」と思った。発表前から株価は上昇していたが、まだまだ安いと考えて買い上がっていった。

そして発表された次の日、カクンと株価が下がった。とても残念な結果となった。

一体どうしてこのような結果となったのか?その分析と、今後の対応について書いてみます。

 

 

2.株価下落の原因は

ウィザスが発表した決算の内容を確認していく。まずは2019年3月までの 実績について。

ウィザスは2019年2月8日に上方修正を行っており、それを受けた第三四半期時点の決算予想は、売上高17,000百万円、営業利益1,200百万円だった。

今回発表の実績は、売上高16,958百万円、営業利益1,180百万円だった。

わずかに営業利益が予想より悪かったが、その差は1.7%程度だ。株価下落の原因になるほどではない。

 

セグメント別の数字を確認してみる。

まずは第三四半期で出された予想。

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そして、今回発表の実績。

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学習塾事業が、売上高も営業利益も減少しているのは気になるところだ。売上高が1.1%(91百万円)、営業利益が15%(134百万円)低下している。

しかし、全体の数字は第三四半期時点の予想とほぼ同じだ。今回発表された実績によって株価が下落したとは考えにくい。

 

 

株価下落の原因は、会社が発表した次期計画だ。

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売上高は前期比+3.8%、営業利益は前期比+1.6%、純利益に至っては-21.7%。

・・・なんてショボい予想を出してくれたんだ。

 

 

3.ショボい来期予想の詳細

来期予想の詳細をセグメントごとに見ていく。まずは学習塾事業。

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学習塾事業の来季予想は良い。売上高が減少して営業利益が上昇している。たくさんある塾の、不採算教室を閉鎖してコストを下げるんだろう。

学習塾事業についてはヨコヨコで御の字だと思っていたので、これは良い傾向。

 

 全体の純利益の2020年予想が前年比-21.7%と下がっているのは、学習塾事業における不採算教室の閉鎖と、それによる特別損失の計上を予定していと予想する。決算の見栄えは悪くなるけど、これは必要な処置なので受け入れるしかない。

 

特別損失について覚えていない中学生は、以下の記事を参照して下さい。 

 

 

次にその他事業。

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 売上高は上昇、営業利益は減少。いろいろ新規事業を考えて投資するのだろう。学習塾事業の数字が良くなった分、投資に向ける。これについても異議はない。

 

 

最後に本命の高校・キャリア支援事業。

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これが残念、かつショボい。

 

 

4.高校・キャリア支援事業の営業利益がショボい

前回の記事で、こんなグラフを載せた。私が、ウィザスの高校・キャリア支援事業の来期の数字を勝手に予想して作ったグラフだ。

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上のグラフにあるように、私が予想した2020年の売上は6,500百万円。

ウィザスが予想した2020年の売上は6,585百万円。

びっくりするくらい当たっている。

 

そして私が予想した2020年の営業利益は1,900百万円。

ウィザスが予想した2020年の営業利益は1,553百万円。

こっちは18%以上の差がある。もちろん、悪い方に。

ウィザスの2020年の予想をグラフにすると、こうなる。

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営業利益のグラフだけが折れている・・。

 

 

4.今後の上方修正期待と、ウィザスに対する恨み言

高校・キャリア支援事業の核である、ウィザスが経営する第一学院高等学校について更に考えてみる。

 

第一学院高等学校は新入学生を4月と10月に受け入れている。転入学や編入学は随時行っているが、それでも4月入学の生徒が一番多いのではないかと考えている。

5月14日に発表された2020年の来季予想には4月に入学した生徒数が反映されている。その数字に、10月入学や編入・転入学の生徒数が加算されていく事になる。ちなみに第一学院高等学校の卒業率は97.5%(2012年度だけど)だ。退学についてはそれほど大きな問題にはならないと考える。

売上予想が上昇しているのは、生徒数が十分確保できたからではないかと推測する。

 

 

ウィザスは2019年2月8日に上方修正を行っている。その時の修正で、高校・キャリア支援事業の売上を+752百万円(+14.5%)、営業利益を+631百万円(+80.5%)としている。

 

会社が発表した上方修正の理由は、

・高校・キャリア支援事業の生徒募集が好調に推移した。

・ICTを活用した高付加価値サービス導入で顧客単価が上昇した。

だった。

 

2020年度も10月入学や編入・転入学の生徒数によっては上方修正があるだろう。社会の価値観の変化からも、2019年と比べて極端に少なくなることはないと考えている。

 

そして、もう片方の「顧客単価が上昇した」の方について。

 第一学院高等学校は本科通信コース、ステップアップコース、普通コースの3つのコースに分かれている。

 本科通信コースは自宅でWebを使っての学習が主体となる。年間31万円の学費だ。

ステップアップコースは時々学校に通いながら慣れていくコース。学費は年間74万円。

 普通コースは週5日間通学するコース。学費は年間95万円だ。

 

上記の3つのコースは、途中で変更が可能だ。生徒が慣れてきたら、より通学頻度が多いコースにステップアップする事が出来るシステムになっている。

第一学院高等学校口コミ・学費の評判情報 -通信制高校プラザ|全国の通信制高校口コミ・学費評判サイト

 

 

人間は怠惰だ。Webだけで3年間学習するのは大変に難しい。

また、高校生にとって楽しいことは学校にある。嫌なことも学校にあるんだけど、Web学習だけでリア充になることは不可能だ。

そう考えると、ステップアップしていく生徒は多いんじゃないかと予想する。それが前回の上方修正の原因のひとつだと想像しているのだけど、どうだろう。

 

2019年度と2020年度では、第一学院高等学校を取り巻く環境は変わっていない。それなら、生徒数と顧客単価は2020年度も上昇するだろう。

そしてまた上方修正すると期待している。 

 

という訳で、今回の株価下落でもウィザスの株は売っていません。

 まずは来週にも出されるであろう、有価証券報告書を待ちます。これで生徒数とか、来季の経費とかを検討します。

 

 

でもどうせならもっとシャキッとした来期予想を出してほしかった。ちょっと弱気すぎだろう。ショボすぎる・・。

明日にでも上方修正を出してくれてもいいんですよ・・・。 

 

 

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