中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

MSワラントで悪名を馳せてしまったプレミアグループを買った理由

 

 

てへぺろのイラスト(おじいさん)

数日前はナンピン買いまでしたシステムディが、一時的だとは言えストップ高になった。その後もそこそこ上げている。この程度で売るつもりはないのだけど、実に気持ちがいい。ああ、持ち株が上がるのはなんて素晴らしいんだろう。

 

 

ちょっと前に主力の持ち株であるシステムディとプレミアグループの2つの株が同日にストップ安を食らった話を書いた。

私はかなり銘柄を集中して投資する。ストップ安の前日、システムディとプレミアグループの2つで投資資産の38.0%を占めていた。それが同時にストップ安を食らったわけだから、なかなかのダメージだった。

 

システムディを買った理由とナンピン買いをした理由は既に書いた。そして気持ちよく上がった。今回はもう一つのストップ安、プレミアグループを買った理由を書きたい。

 

 

1.ビジネスモデル

プレミアグループは「中古車を買う人にお金を貸す」という事業をやっている。中古車と言ってもそれなりに高いので、現金一括で払える人ばかりではない。「現金で買えないなら乗らなければいいのに」という人は都会で暮らしている人だろう。交通システムが発達していないイナカでは、クルマは必需品だ。だから中古車をローンで買うことになる。

それなりに値段が高いクルマは、クレジットカードでは買えない。だから中古車ディーラーでローンを組むことになる。でも中古車ディーラーがお金を貸してくれるわけではない。ディーラーはお金を貸してくれる企業を紹介するだけだ。

そのお金を貸す業者のひとつがプレミアグループなんだ。

 

プレミアグループも自分のお金を貸しているわけではない。銀行からお金を借りてきて、それを更にお客さんに貸している。お客さんからもらう金利はなかなか高くて7%だ。その中から銀行に払う金利が1%、ディーラーに払う紹介料が2%、プレミアグループの取り分が4%だ。なかなかの取り分だ。

銀行からのお金を右から左に流して4%のお金を稼ぐなんてボッタクリだ、そう思わないでほしい。お金を貸すには、相手がちゃんと返してくれそうか審査する必要がある。返してもらえないリスクを引き受ける必要がある。更に、貸したお金を回収する仕事もある。審査と回収の手数料と、返してもらえないリスクの合計が4%という数字なんだろう。

 

もう一つ、プレミアグループは「ワランティ事業」という事業もやっている。MSワラントを発行する事業ではない(皮肉)。中古車ディーラーで買ったクルマを保証する事業だ。

中古車だからすぐ壊れるかも知れない、そんな事を考えながらクルマに乗るのはしんどい。でも「壊れても直してもらえる保険」がついていれば安心だ。そんな人向けに、プレミアグループは購入した中古車に保証をつける事業も行っている。もちろんローンを組んでくれた人に保証も一緒につけて販売することもあるだろう。

 

以上の2つがプレミアグループの事業だ。売上のだいたい75%がクレジット事業、25%がワランティ事業だ。その他にも海外事業や修理事業なんかもやっているが、全部合わせても1%くらいなので現時点では考慮する必要はない。

 

 

2.中古車の市場とローンを組む信販会社

中古車の市場は2016年のデータで年間259万台、金額で言えば2兆7226億円だ。中古車を買う人の3割程度がローンを組む。

中古車のローンを組む相手はとてもたくさんある。銀行、農協、労金、ノンバンク、損保会社、ディーラー、信販会社(プレミアグループも信販会社)などだ。いろいろあるけど、お金を借りる時はいつでも手続きが大変だ。だから中古車を買った店で、全部合わせてやってもらったほうが楽だ。信販会社は中古車ディーラーと提携して、中古車ディーラーの事務所でそのまま申し込めるように手続きをカンタンにしている。

 

その中古車ディーラーは日本全国に9万店ある。中にはぜんぜんやる気のない中古車ディーラーもいるので、真面目にクルマを売っているディーラーは3万店くらいらしい。

既に3万店のうち2万店がプレミアグループの加盟店となっている。飛び込み営業を頑張って新規加盟店を開拓しているようだ。

 

f:id:nigatsudo:20190304211411p:plainちゃんと増えてる

 

しかしこの3万店の中古車ディーラーは、ほとんどが複数の信販会社と提携している。中古車ディーラーでお客さんが信販会社を選べるようになっているのだ。

 

 

3.プレミアグループが成長している理由(予想)

お金は誰から借りてもお金だ。銀行から借りた100万円と、親から借りた100万円。そりゃありがたみは違うだろうけど、使う時はおなじ100万円だ。信販会社がいくつもあると、金利や手数料くらいしか差別化を測れない。そうなると消耗戦が始まり共倒れになりかねない。

その点、買った中古車の保証も一緒にできるという事は差別化のポイントになりうる。中古車に保証を付けたいお客さんは、プレミアグループでローンを組むことを希望するだろう。プレミアグループがワランティ事業を持っている事による強みだ。

 

「それならプレミアグループ以外の信販会社もワランティ事業をやればいいのに」

そう考えるだろうけど、実はやりたくても出来ない事情がある。銀行の子会社は、法律によってローン以外のサービスが出来ないことになっているのだ。

中古車のローンを取り扱っている信販会社は、オリコ、ジャックス、セディナアプラス、そしてプレミアグループがある。それぞれのオートローン取扱高は2017年3月の時点で、オリコ8120億円、ジャックス5393億円、セディナ2523億円、アプラス1542億円、プレミアグループ940億円だ。

オリコはみずほ銀行の子会社、セディナ三井住友銀行の子会社、アプラス新生銀行の子会社だ。この3社はワランティ事業をやりたくてもやれない。ジャックスはプレミアグループと同じ独立系だが、ワランティ事業はやっていない。

 

また、プレミアグループはリクルートと提携している。リクルートは中古車専門誌である「カーセンサー」を発行しているが、このブランドを利用した「カーセンサーアフター保証」というワランティもOEMとして販売している。そんな訳で、中古車の車体保証については大したライバルはいないようだ。

 

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上のグラフは四半期ごとのワランティによる収益。ちゃんと増えている。

 

 

中古車ローン業界への新規参入についてはほぼ無いようだ。ここ20年間で業界に参入したのはプレミアグループ1社のみ。お金を貸し出す仕組みには初期に多額のシステム投資が必要なので、気軽に始める事が出来ないようだ。参入障壁は高いと考えられる。

 

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上のグラフはローンとして貸し出している債権残高の推移だ。債権残高とは、お金を貸している金額の総額だ。順調に増えており、2019年度第三四半期で2348億円となっている。この4%が利益としてプレミアグループに入ってくる訳だ。

 

 

4.買った

これはいい会社だ。値段も安い。買おう。

そう思った。

2018年5月から6月にかけて、何回かに分けて買った。

 

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プレミアグループを買った理由、まだ続きます。

 

 

 

 映画「アリータ」見ました。

 ↓ その原作がこの漫画。もう30年近く昔の作品だけど、すごく好きで学生の頃に50回くらい読んだと思う。ぜひ読んでみてください。まさかジェームズキャメロンが映像化してくれるなんて、、、。

[まとめ買い] 銃夢