中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

プレミアグループの新規事業について

起業家のイラスト(男性)

前回の記事はプレミアグループが発表している決算説明会資料をベースにグラフを作成しました。私が自分の理解のためにエクセルで作ったグラフなので、あんまり数字をきちんと入れていない事については目をつぶってください。

市場などの数字は山本潤さんという方が代表になってやっている「みんなの運用会議」というサイトの記事を大いに参考にしています。というか内容はほぼそのままです。

7199 プレミアグループ | みんなの運用会議

↑ 大変勉強になるサイトです。ご存じない方はぜひ訪問を。

 

上記のサイトを一読して理解するのは中学生には難しい、そう思ってこの記事を書いています。もちろん中学生以外の方にも読んでほしいと思っていますが。

 

 

さて、プレミアグループの分析記事の続き。

前回も書いたように、プレミアグループが行う事業は2つある。中古車ローンであるクレジット事業と、中古車の車体保障であるワランティ事業だ。それぞれの営業収益に占める割合は、クレジット事業が75.9%、ワランティ事業が22.8%だ。この2つで98.7%を占めている。

 

 

この2つの主力事業以外に、海外事業と整備事業がある。

 海外事業とは、日本国内で行っているクレジット事業とワランティ事業を、タイとインドネシアでも展開するものだ。国内と同様のシステムを海外に持ち出し、拡大再生産していくという計画だ。

東南アジアでは日本車のブランドイメージは十分有効だろうし、国ごとの事情にフィットさせれば、海外事業は上手く行く可能性が十分あるだろう。ネックは、営業等の人材の現地での獲得だろう。プレミアグループの成長は営業部隊の力によるものが大きいんじゃないかと判断している。

 

もう一つは整備事業だ。ワランティ事業は中古車の車体保証を行っている。保証しているクルマが故障したとき、自前の工場で修理することができれば安くあがる。

もともとクルマの修理工場は、どんな小さな町にもあるくらいありふれている。国土交通省によると、全国でH29年度時点で92,044の整備工場がある。これは、壊れたクルマを遠くまで運ぶのが大変だという性質からも来ている。レッカー車を呼んで遠くの街の修理工場に運ぶのはコストがかさんでしまう。小さな街にも小さな修理工場があり、日本の車社会を支えている。

 このような小さな修理工場は、後継者がいないとどんどん廃業されることになる。このような工場を買い取ってネットワークを作れば、プレミアグループのワランティ事業の収益も良くなるし、サービスの品質も上がるだろう。このような考えから、プレミアグループはクルマの整備事業を新規事業として行っている。

この整備事業についても、ネックは人材だろう。工場だけ買い取っても、そこで働く技術者がいなければどうしようもない。十分な人材を確保し、それをネットワーク化するのはとんでもない労力とお金がかかると思う。個人的には、インフラ構築並みの大風呂敷だと思っている。

 

海外事業と整備事業、あわせても売上高の比率で 1.3%しか占めていない。利益の面では考慮する必要はない。

 

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  ↑ 会社説明会資料より。

 

一方、売上高の75.9%を占めるクレジット事業と、22.8%を占めるワランティ事業。

この2つは十分に成長している。クレジット事業の四半期毎の新規取扱高は年間20.0%づつ伸びている。ワランティ事業の四半期ごとの取扱高の伸びは年間18.5%だ。この成長は、プレミアグループのシェアから考えてあと数年続くと予想している。

 

 まだまだ芽がでたばかりの新規事業に注目するより、既存事業の成長について注視していく方が大切だ。私は遠い未来の輝かしい予想図より、地味だが光る現在の姿に惹かれる。

 

 

だからプレミアグループを買った。買ったあと順調に上値を更新していき、そして暴落した。

MSワラントの発行がIRされたのだ。

                   ・・・つづく。

 

 

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