中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

日経平均とは結構ゆがんだモノサシだ、と思う理由

2018年の投資のパフォーマンスは残念な結果に終わった。

でも日経平均TOPIXも相当下がっているし、私の運用成績が飛び抜けて悪かった訳じゃない。でも私のお金は減ったのだから、あんまり慰めにはならない。そんな事を書いた「2018年のパフォーマンスは残念な結果に終わったが・」。

 

私の運用成績と、日経平均とかTOPIXとの比較を書いた。今日はこの「日経平均」や「TOPIX」って一体何だ、という事を書きたい。

 

まず理解しやすいTOPIXの方から。

TOPIX(トピックスと読む)とは、Tokyo stock Price Indexの略だ。「Stock Price」を日本語に訳すると「株価」になる。Indexとは「指数」という意味だ。つまりTOPIXとは「東京の株価指数」という意味になる。

 

これだけではよく分からない。もう少し具体的に説明する。

TOPIXとは、「東証一部に上場している全ての株の時価総額の合計」の変化を数字で表したものだ。1969年1月4日の時価総額を100ポイントと定めて、その時から価総額がどのくらい変わったかを指数で示している。

ちなみに2018年12月28日のTOPIXは、1,494.09ポイントだった。1969年が100ポイントなのだから、50年間で15倍くらいに上昇していることがわかる。

東証一部に上場している企業は、2018年11月末で2116社ある。この2116社全部の時価総額からTOPIXが計算されている。

 

本当はTOPIXの出し方はもっと複雑なんだけど、細かいことを書いても混乱するだけなのでこれ以上書かない。でも大事なことが2つある。

1.TOPIXは「東証一部に上場している全ての企業」の指数だということ。

2.TOPIXは「時価総額」を計算した指数だということ。

この2つを理解していれば大丈夫だ。

 

 

次は日経平均

日経平均とは、日本経済新聞社が独自の基準で選んだ225社の株価を平均したものだ。TOPIXよりもずっとメジャーな指標で、テレビのニュースでも経済情報について報道するときは必ず日経平均についても触れる。株価全体が上がっているのか下がっているのか、景気が良くなっているのか悪くなっているのか。そういう事を数字で示すときによく使われている。

 

この日経平均の出し方はTOPIXより更にややこしい。だから詳しい説明は省略する。大事なことは2つだけなので覚えてほしい。

1.日経平均は「日本経済新聞社に選ばれた225社のみ」の指数だということ。

2.日経平均は「株価」を計算した指数だということ。

 

まず1.について。日経平均は、東証一部に上場している企業2116社の中で日本を代表するような優良企業を225社選んでいる。この225社は、いろんな業界からまんべんなく、偏りがないように選ばれる。

そして通常は毎年10月に入れ替えがある。2018年10月には古河機械金属という会社が外されて、そのかわりにサイバーエージェントという会社が採用された。勢いよく成長している会社が採用され、落ち目の会社が外される。

 

そして2.について。選ばれた225社の株価を、いろいろいじった後に平均する。それが日経平均だ。「株価」を平均するのだ。

最近書いているように、株価は「増資」や「分割」などで様々に変化する。そのたびに日経平均の基準が変わってしまえば困るので、日経平均は単純な平均で出される事はない。「除数の変更」や「みなし額面の変更」で、過去からの連続性が保たれるように数字をいじっている。

 何を言っているのかサッパリ分からないと思う。まあ細かいことはいいです。

言いたいのは、日経平均はいろいろ数字をいじりすぎて、かなりゆがんだモノサシになっているという事だ。

 

 例を上げてみよう。

有名なユニクロを世界中で展開している「ファーストリテイリング」という会社がある。ファーストリテイリングの株価は2018年12月28日で56,370円だ。

 同じ日の三菱自動車の株価は602円だが、みなし額による調整で60円と計算される。

 

三菱自動車の株価が10%上昇したとしよう。その時の株価は660円になる。でも、みなし額による調整後は66円だ。差額はたった6円。計算の過程は省くが、三菱自動車の株価が10%上がっても、日経平均は0.22円しか上昇しない。

一方、ファーストリテイリングの株価が10%上がると、株価は62,007円になる。差額は5,637円だ。日経平均ファーストリテイリングという1つの企業の株価が上昇しただけで208円も上昇する。

 

どちらの企業も10%の株価上昇があったのに、日経平均への影響力はこんなに違う。影響力が一番大きいファーストリテイリングは、下から10番以内に入る三菱自動車の100倍近く影響力が強いのだ。

 だからファーストリテイリングの株をガンガン買えば、効率的に日経平均を上げる事ができる。三菱自動車の株を売ったお金で買えば、資金も問題ないだろう。三菱自動車が多少下がっても日経平均にはほとんど影響がないのだから。

 逆に、ファーストリテイリングの本社に火事が起こって株価が暴落すれば、日経平均は下がる。たった1社の株価が、火事という特殊な事件で下がっただけなのに、日経平均が下がってしまう。そうすれば日本の景気全体が悪くなったように見られてしまう。

この例からも、日経平均ってゆがんだモノサシだと思いませんか?

 

日経平均というモノサシは結構ゆがんでいる。そんなゆがんだモノサシを使って、景気が良いだの悪いだのを語っている。


個人的には「 株価」なんていう表面的な数字を平均して算出している日経平均より、時価総額から算出するTOPIXの方がまだ正確だと思っている。

でもそこそこ利用できるし、なによりも日経平均を参考にして投資する人はとても多い。それを参考にしている人が多いのなら、私も日経平均を参考にするしかない。

 

 

  一人の力で日経平均を動かせる男の投資哲学