世の中はクリスマス・イブで浮かれている。たぶん。
そして私は今日も仕事。人知れず世界の平和の為に働いている。
仕事は好きでやっている。でも「もうお腹いっぱい」と思うことも多い。特に天気のいい休日に仕事場に閉じこもって働いていると、外の光が眩しくてたまらない。もっと休みたいし、遊びたい。
そんな魂の声が聞こえてくる。
また最近のような下げ相場では、1日の終りに株価をチェックするのがしんどい。平日の昼間に株価を眺めていれば、もっと機敏に動いて損失を減らすことが出来たかも知れない。しかし昼間にそんな事をしている暇はない。
そういう時は「専業投資家」という言葉が胸をよぎる。
専業投資家とは、投資のみを行って生活する投資家だ。それ以外の仕事はほとんどしていない。投資で儲けたお金だけが専業投資家の収入だ。投資ひとつで食べていく、それが専業投資家だ。
専業投資家のいい所は、その圧倒的な自由だ。何よりも時間が自由に使えるのがいい。 朝早く起きて行く所もないし、そもそも早起きする必要すらない。朝から晩まで、時間は全て自分のモノだ。そんなに時間があるとやることが無くなって暇だろう、そんな事を心配をされる日々。ああ、なんて羨ましい。
専業投資家の弱点は「暇」と「孤独」と「成績」らしい。
人間にとって仲間と群れて、一緒に仕事をするというのは原始時代からの習性だ。専業投資家のように、どこの組織にも属さず、一緒に仕事をする仲間も居ないというのは、強い孤独感を感じるようだ。
有り余る時間がその孤独感に拍車をかける。暇な時間は意識が自分の内側に向く。自分の孤独感にじっくり向き合う時間が十分にある。何と言っても専業投資家なのだから。
そうやって更に孤独感を深く味わう事になる。
実際多くの専業投資家は、投資セミナーや勉強会に参加するし、時には自分から企画する。それは投資の勉強だけが目的では無い。同じ投資家同士で集まって、暇と孤独を癒やしているんじゃないかと考えている。もちろん私は専業投資家になったことは無いので、本当の所はよくわからないが。
そして運用成績だ。人間なのだから、仕事をしなくてもご飯を食べたり服を着たりしなければいけない。ご飯も服も、お金がかかる。それらの生活費は、すべて投資で稼がなくてはいけない。
投資はいつでも上手くいくわけではない。儲からない時もある。そんな時は減っていく元本を切り崩しながら生活費を賄わなければならない。これは大変そうだ。安定した収入が保証されている兼業投資家との一番の違いだ。
私は臆病なので、7億円ほど持たないと専業投資家にはなれる気がしない。でも暇と孤独は心配していない。誰か私に7億円くれれば、立派に専業投資家になってみせる。必要なのはお金だけだ。
誰かいませんか?私に7億円くれる人は?
冗談はさておき。
「専業投資家になれる能力があるのなら、どんな仕事だってできる。専業投資家ほど大変な仕事はない」
昔、こんな事を言っていた人が居た。特にこんな株価が下がりつつある市場環境では、専業投資家でやっていくのは大変そうだ。
兼業投資家は日々仕事をしている。どれだけ投資で損をしても、日々の食事には事欠かない。これはある意味気楽で大変よろしい。兼業投資家は悪くない。
いずれ歳をとったら、自動的に専業投資家になってしまう。
その日が来るまで、今の仕事を頑張っていくつもりだ。