「不思議な島のフローネ」に見る株式市場での生き残り方
遥か昔、「ふしぎな島のフローネ」というアニメが日曜日の夜に放映されていた。
主人公は「フローネ」という名前の少女。舞台は200年くらい前の時代。家族と一緒にヨーロッパからオーストラリアに移動する途中で、乗っていた船が沈んでしまう。フローネとその家族は近くの無人島にたどり着き、そこでなんとか力を合わせて生き延びていく。多分、そういう話だった。記憶が曖昧過ぎたのてWikiを少し参考にした。
家族ロビンソン漂流記 ふしぎな島のフローネ - Wikipedia
その頃の私は小さな子供だったので、アニメの内容を十分に理解していたかも怪しい。それどころか、その頃の自分が曜日を把握していたかどうかすら怪しい。だから毎週欠かさず見ていた訳ではない。
毎週見ている訳じゃないので、話は飛び飛びになって繋がらない。そうなればますます理解は浅くなる。それでもその話の幾つかは、いまだに良く覚えている。
ここからは完全に私の記憶の中の話。本物のアニメの内容とは多少違っていても目をつぶってほしい。よく覚えているとは言ったが、正しく覚えているわけではない。強く覚えているだけだ。
フローネの父親は医者だったはず。無人島の環境にも全く怯むことなく、やるべきことを正確に把握し、それを迷いなくやっていた。とても医者だけをやっていたようには見えない。200年前の医者は、サバイバルに関しても優秀だったのだろうか。幼い私がアニメを見ていても、全く不安を感じさせないようなリーダーだった。
フローネの兄も登場していた。あんまり役に立っていなかった気がする。病気になったり、目が見えなくなったり、むしろトラブルを量産していた気がする。それ以上の印象がない。
フローネ本人は12歳くらいの女の子。いつも明るくて元気。一家で遭難しているという事を全く感じさせない。多分フローネの両親にとっては、元気なフローネの存在が心の支えだっただろう。もちろんアニメにはそんな描写はない。人の親になった現在の私の感想だ。
そしてフローネの母。この人も遭難しているのに本当に落ち着いている。ある回でロウソクを作るシーンがあったが、その日の夜から子供たちに勉強をさせていた。一生この島にいる訳じゃないから当然だ、そう断言する姿もなかなか素敵だ。
このフローネの母だが、島の土地を切り開いて畑を作っていた。
「畑を作れば、トウモロコシやカボチャをおなかいっぱい食べる事ができる」
そう言って家族で畑を開墾した。
しかしネズミか何かの小動物がやってきて畑を荒らし、せっかく撒いた種は全滅してしまった。荒れた畑で途方に暮れるフローネ。しかし母は全く動じない。
「まだ種はあるんだから。次はやられないように柵をつくりましょう」
ふたたび畑を整備し、ネズミ除けの柵も作った。その中に種を撒き、今度はちゃんと大きくなっていく作物。もう少しで収穫だ。
しかしそのタイミングでイノシシがやってきて畑を荒らした。イノシシは柵など簡単にぶち壊して侵入し、収穫直前の作物を再び全滅させた。
再び途方に暮れるフローネ。しかし母は動じない。
「今度はイノシシにもやられない丈夫な杭を打って柵を補強しましょう」
「まだ種はあるの？」
「もちろん取っておいてあるわ」
再び畑をつくるフローネ一家。3度目の正直だ。次は失敗したら後がない。皆が必死で丈夫な柵を作った。今度こそ完璧だ。
しかし、次は鳥がやってきて、撒いた種をすべて食べつくしてしまった。3度目の挑戦も失敗。この時はフローネだけでなく、その兄も、父親すらも落ち込んでしまった。
「しかたがないわね。これを使いましょう」
フローネの母が持ち出して来たのは、またしてもトウモロコシとカボチャの種。まだ予備があったのか！と驚く一家。
「私は農家の娘です。種を全部使い込むなんて、そんな怖いことは農家はしません」
フローネの母のこの慎重さをもって4度目の畑は成功した。一家は飢える事なく無人島生活を過ごすことができた。
確かこんな回があったはず。私の記憶の中には間違いなくある。フローネの母が主人公であり、最もカッコよかった回だ。
このアニメの教訓は２つ。
１つ目は、種を決して１度に使い切らないこと。
２つ目は、失敗しても種を撒き続ける事だ。
最近市場の雰囲気はとても悪い。
株価が持ち直したと思っても、すぐに叩き落される。連日の株価の下げに、株の事を考えるのも嫌になった方もいるだろう。
だが、見方によっては株を安く買うチャンスでもある。安くなった株を握っておけば、市場の雰囲気が良くなった時に大きく報われる。もしまだ現金が残っているならば、この暴落相場を利用して安い株を買っていくのは悪くない手段だ。種は、撒かないと収穫できない。
もちろん、安くなったと思って買っても、更に株価が下がる可能性も十分ある。だからこそ、種は一気に使い切るべきではない。暴落相場で現金を持たずに過ごすのはとてもつらい。
あ、私ですか？
現金をかなり使い込んでて、あんまり残っていないです。だからなかなかつらい。
でも残った僅かな現金を握りながら、チャンスを狙ってます。
