わからないことに投資してはいけない
しかし、ANAの株を購入することはなかった。
当時のANAの株価は300円ちょっと。
株式優待券をもらうためには、最低単位である1000株を保有している必要がある。
つまり30万円ちょっとの金額を投資しなくてはいけない。
一方、株主優待券で節約できるであろう帰省費用は年間3万円ちょっと。
利息と考えれえば10%だし、銀行への貯金の利息と考えればすごい利率だ。しかし、10%程度の株価の上下は当たり前のようにあった。
年間3万円の節約のために、それ以上の損失を出す可能性も充分ある。もちろん株価が上がって儲かる可能性もあるんだろうけど、下がって損する可能性もある。
その頃の投資を始めてすらいない私にとって、株価の上がり下がりは予想も出来なかった。何を調べればいいのかすらもわからなかった。
わからない事に対して、数万円の節約のために数十万円の投資は出来ない。
もちろん今だって株価が上がるか下がるかなんてわからない。
しかし今は、誰が見ても潰れそうな会社について、
「ああ、これは誰が見ても潰れそうな会社だな」
という判断はできる。
会社がどのような状態なのかについて、何を調べればいいか、どんな事を確認すればいいか知っている。誰が見ても潰れそうな会社の株を、そうだと気付かずに買う事は避けられる。
実際、ANAと双璧をなしていたJALは、2010年に倒産している。
わかっている事は、わかっていない事より安全だ。
わからないことに投資してはいけない。
カモにされる。
でも大丈夫。
これからゆっくりと教えるから。