小学生向け会計クイズ
1.会社の数字を調べるのは手段
このブログでは決算書を読むことを推奨している。
「決算書も読めずに株式投資を行うのは火が熱いことを知らずに料理を始めるようなもの」「決算書を読めない投資家はマーケットの養分」
そんな話が時々出てくる。
もちろん決算書なんて全く読まずに株式投資で勝ち続ける人もいる。
でもそんな一部の天才(あるいは常識を超えた幸運の持ち主)の真似をするのはお勧めしない。天才のやり方を凡才が真似しても上手く行かない。
凡才はどんなジャンルでも、地道に努力して勝つ可能性を上げていくしかない。もちろん株式投資でもそうだ。
あきらめて決算書を眺めると、たくさんの数字が書かれている。このブログを読んでくれている中学生は、もう売上や営業利益や借金の額や現金の額を読み取ることができるはずだ。
しかし決算書を読む目的は、数字を調べることだけではない。
数字を調べるのは目的だけど、手段でもあるんだ。
今日はその事について書いてみる。
2.小学生向け会計クイズ
数字を調べるのが目的じゃないのなら、何を調べるのが目的なのか?
その話の前に、このクイズを解いてみてほしい。
問題:以下のA、B、Cはドラえもんの登場人物である「のび太」「スネ夫」「しずか」のお小遣いについて書かれている。
スネ夫のお小遣いについて書かれているのはA、B、Cのどれか?
A:
お小遣い 1,500円
コロコロコミック 560円
お菓子 480円
文房具 220円
財布落とした 300円 → 残金 0円
2019/9/30時点での資産
漫画、書籍など 13,800円
おもちゃ 4,800円
切手 850円 → 合計 19,450円
B:
お小遣い 150,000円
漫画 8,760円
お菓子 1,890円
ラジコン 78,900円 → 残金 60,450円
2019/9/30時点での資産
漫画、書籍など 186,800円
おもちゃ 295,000円
パソコン等 375,900円
切手 897,560円 → 合計 1,755,260円
C:
お小遣い 4,000円
本 1,890円
やきいも 480円
文房具 920円
入浴剤 400円 → 残金 310円
2019/9/30時点での資産
書籍など 83,800円
おもちゃ 7,800円 合計 91,600円
答えがわかっただろうか?
私はドラえもんマニアではないので、内容は適当だ。最後にドラえもんのマンガを読んだのは10年以上前だろう。だから「スネ夫が持っているはずの〇〇が資産計上されていない!」「しずかちゃんは焼き芋が嫌いなのに買うわけがない」といったようなクレームは受け付けません。
それはともかく。
「Bがスネ夫だ」と答えて欲しいのだろうな、というのは気付くと思う。
小学生にしては尋常じゃない額のお小遣いをもらい、たくさんのおもちゃやマンガを持ち、かつてブームだった時に買ってもらった貴重な切手を大量に持っている。
Aはのび太で、Cはしずかちゃんだと当ててくれれば嬉しい。
3.小遣いの額だけではない、性格も知りたい
スネ夫がそのコレクションやラジコンを自慢するシーンは何度もあった。
つまりスネ夫の家は金持ちだ。
小遣いも多額だろうし、たくさんのおもちゃやマンガを持っているはず。
スネ夫は甘やかされて育っているお金持ちのバカ息子だ。甘やかされて育った人間はワガママだし根性もない。
だからBが答えだ。
このクイズに答えた時、無意識のうちに上記のような思考を巡らせてたはずだ。
Aはのび太だろう。いつもスネ夫のことを羨ましがってドラえもんに道具をだしてもらっていた。財布を落としているあたりものび太らしい。小学生だからドジで済まされているけど実際はただの不注意だ。少ない小遣いを無駄に使っているし、残念な子だ。
Cはしずかちゃんだろう。いつもお風呂に入っている、きれい好きな女の子だ。本や文房具にお金を使っている。いかにも優等生らしいお金の使い方だ。
ドラえもんを読んだことがない人でも、お小遣いとその使い方と資産状況を知れば、それがどのようなキャラクターかが予想できるだろう。
お金はとても汎用性が高い道具だ。
お金の使い方を見ると、その人の趣味や性格がよく分かる。
4.個人も会社も同じだ
ここで話が元に戻る。
決算書を読めば、その会社の資産や利益の数字を知ることができる。
すごく儲かっているのか、赤字なのか。沢山の現金を持っているのか、借金だらけなのか。すべて決算書に書いてある。
そしてお金の流れがわかれば、その会社の「キャラクター」もわかる。
激しい競争を戦いながら必死で生き延びているの会社か?
経営が下手で打つ手打つ手が裏目にでている会社か?
規制された業界でのんびりと生きている会社か?
株のほとんどを握っている創業者一族に食い物にされている会社なのか?
そんな会社のキャラクターもある程度理解することができるんだ。
会社のキャラクターが「ダメなやつ」「嘘つき」「大事な時に裏切る」「運も悪い」。そういうネガティブな印象だった場合、株を買うのは止めといたほうが良いだろう。
「地味だけど努力家」「必要な仕事を淡々とやり続ける」「ここぞという時に全社一丸となって危機を乗り切る」「投資家にもきちんと利益を還元している」。
そんなポジティブな印象の会社に投資したい。
先程のクイズなら、小学生でもBがスネ夫だと答えられるはずだ。お金の流れから、その人のキャラクターを読んだわけだ。
小学生でも出来るのだから、中学生が決算書を読んで会社のキャラクターを読むことも出来るはずだ。
スネ夫よりしずかちゃんと友達になりたいだろ?
決算書が読めるということは、出会う前にしずかちゃんを選ぶことが出来るってことなんだ。
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