さて、今日も決算書の読み方の続きを書く。
今回は損益計算書と貸借対照表の絡みについて書く。 本当は3回で終わるはずだったんだけど、キャッシュフロー計算書にはまだたどり着きそうもない。でも頑張って書く。
1年に4回、企業の決算は発表される。4回なので、3ヶ月毎の業績が発表される訳だ。四分の一ずつに分けられているので「四半期決算」と呼ばれる。最初の3ヶ月が経った後で出されるのが「第一四半期決算」、半年経った時に出されるのが「中間決算」、9ヶ月後に出されるのが「第三四半期決算」、1年経った後に出されるのが「本決算」だ。
損益計算書には、
第一四半期決算には3ヶ月間の売上と利益が、
中間決算には6ヶ月間の売上と利益が、
第三四半期決算には9ヶ月間の売上と利益が、
本決算では1年間の売上と利益が、書かれている。
前回も強調したが、損益決算書は期間の成績表だ。損益計算書は決算開始日からその日までの期間 の売上や利益が書かれている。
一方、貸借対照表は、決算のあったその日の財産などが書かれている。
図にするとこんな感じだ。
ちなみに図中左側にある「P/L」とは「損益計算書」の略だ。貸借対照表を「B/S」と略するように、損益計算書はP/Lと略する。
図を見てもらったのでポイントを2つまとめたい。
貸借対照表は決算日その日の瞬間の状態について、損益計算書は3ヶ月から1年間の期間の状態について書かれている。一瞬と期間、この違いはとても大事なので理解してほしい。
本決算の日までの1年間のビジネスで稼ぎ出した純利益は、一部は配当などで株主に配られる。会社役員にボーナスとして配られるお金もある。
そして、残ったお金を会社の財産に加える。つまり、貸借対照表に書き込まれる。
これは例えて言うなら、1年間という長いレースが終わって、そのポイントが成績表に加算される感じだ。(マリオカートみたいなイメージで)
損益計算書がレースの結果だ。第一四半期決算や中間決算など、本決算までの3つの決算は途中結果だ。
貸借対照表がレース終了後に出される成績表だ。1年間のレースの結果、稼いだポイントが貸借対照表に加算される。
レースで調子のよさそうな会社は、株価があがるんだ。
2.本決算以外は途中経過
本決算以外の決算、つまり第一四半期決算、中間決算、第三四半期決算の3つの決算は途中経過報告だ。
上の図を見てもわかるように、右向きの矢印の長さがそれぞれ違う。これは、前回の決算が終わった時点から現在までの売上や利益の合計が発表されるからだ。
だから「直近の3ヶ月間の売上と利益が知りたい」と思ったら、発表されたばかりの決算の数字から3ヶ月前の決算の数字を引く必要がある。例えば中間決算は6ヶ月分、第三四半期決算は9ヶ月分の売上と利益が書かれている。第三四半期決算の数字から中間決算の数字を引くことで、直近3ヶ月間のデータが出される。
3ヶ月毎の売上と利益を確認することは重要だ。
コースを4周して順位を競うレースなら、直前の1周のタイムを知りたいだろう。1週目のタイム、2周目のタイム、3週目のタイムと、タイムを縮めているなら調子が上がっていると判断できる。どんどん遅くなっているなら次はもっと遅いかもしれない。
1年間で判断するには期間が長過ぎる。3ヶ月毎の成績をチェックして、調子が落ちていないかを確認する必要がある。
3.まとめと予告
・毎年のレースの結果が損益計算書だ。
・これまでのレースによるポイントを加算した現在の状態が貸借対照表だ。
・本決算以外の損益計算書は「レースの途中経過」だ。ラップタイムを確認しよう。
レースの成績がよい会社の株価は上がる。
どんなマシンでレースを戦っているのかを知れば、もっと順位を予想しやすくなると思わないか?
中古の軽トラか?カウンタックか?どんなにいいドライバーでも、軽トラがカウンタックに勝つのは難しそうだと思わないか?レースの結果を予想するなら、マシンの性能はぜひ知りたいところだ。
それを知るためには「ビジネスモデル」というもの知る必要がある。ビジネスモデルこそ、レースに使っているマシンの性能を読み解く鍵だ。
ビジネスモデルについて、そのうち書きます。当然、超重要。
↓ 私が最初に読んだビジネスモデルの本。感動した。(マジで)。
↓ ゲームばっかりしててはいけないんですが。