株価収益率(PER)は便利な数字だけど・・
しばらく企業の数字の話を続けているが、息子が飽き始めている。
株式投資をやる上で絶対に必要な知識なんだが、必要だからって言っても興味深く読めるかどうかは別問題だ。そんな事は私自身、何年も通った学校での授業で身をもって理解している。
最大の読者を失う訳にはいかない。私のブログに対するモチベーションも下がってしまうし、将来プレゼントしてくれるはずの油田も貰えなくなってしまう。それは不味い。
それでも今回も企業の数字の話。PERの話の続き。
あらゆる企業は、紙幣印刷機としての性能で比較できる。
紙幣印刷機の性能は当期利益の額を見ればわかる。当期利益とはその年に会社が稼ぎ出した金額そのものだ。そして時価総額の数字を当期利益で割れば、株価収益率(PER)を求めることができる。
もし会社の値段が当期利益だけで決まるなら、同じような当期利益の会社は同じ時価総額になるはずだ。実際に確認してみる。
LINEを運営している会社、「LINE株式会社」の去年の当期利益は80億8000万円。
牛丼チェーン店のすき家を経営している「ゼンショーホールディングス」の昨年の当期利益は80億円。
おもちゃメーカーの「タカラトミー」の去年の当期利益は79億6000万円。
3社とも80億円前後。同じくらいの利益を上げている。つまり去年1年間の紙幣印刷機としての実績は、ほぼ同じだ。しかしそれぞれの時価総額はH30/11/16で、
・LINE 7642億円
・ゼンショーホールディングス 4055億円
・タカラトミー 1222億円
このように全然違う。
だから、去年の当期利益から出される株価収益率(PER)は、
・LINE 74.6倍
・ゼンショーホールディングス 50.7倍
・タカラトミー 15.4倍
これほど違ってくる。
LINEはその時価総額の分までお金を印刷するのに74年以上かかる。
それに比べてタカラトミーは15年ちょっとで時価総額の分を印刷できる。
紙幣印刷機の性能はほぼ互角。なのに、なぜここまで時価総額が違ってくるのか?
それは今後説明していく。しかし株価収益率(PER)だけでは企業の価値は測れなさそうだという事だけは感じてほしい。
株価収益率(PER)は企業の価値と値段を比較するとても有効な数字だが、それだけをみていても株式投資には勝てない。