中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

ZOZOの前澤社長は社長だからお金持ち、という訳じゃないんだ

 

 

投資に成功した人のイラスト

ブログの記事を読んだ息子が聞いてきた。

「つまり、この『当期利益』っていうのが社長の貰えるお金なんだよね?」

「・・・違うな、くま。当期利益は社長のお金じゃなくて、株主のお金なんだよ。」

 

株さえ買い占めれば任天堂の社長になれる、という記事が印象に残りすぎたらしい。

「会社で一番偉いのは社長で、会社とは社長のモノ」。そう考えてしまうのだろう。私も中学生の頃はそう考えていたし。 

 

会社は社長のものではなく、株主のものだ。

だから株を全部もっていれば社長を選ぶ権利がある。自分自身を社長に選んでもいいし、社員の中で優秀な人を社長に任命してもいい。どこかから優秀なひとをスカウトしてきてもいい。

社長は会社から給料を貰う立場だ。社員のなかでは一番偉い立場なんだろうけど、会社の利益を自分のものにできる訳ではない。

 

繰り返しになるが、会社は社長のものではなく、株主のものだ。

だから利益も社長のものではなく、株主のものだ。

 

最近何かと話題になっているZOZOの社長の前澤さん。

彼は社長であり、同時にZOZOの株を38%程度所有している最大の株主でもある。その所有している株の配当金だけで、年間40億円くらいの収入がある。

社長だからお金持ちという訳じゃなくて、株主だからお金持ちなんだ。

 

 

さて、昨日の続き。

ちょっとだけ会社の数字について書き始めているが、そんなに楽しい話じゃないと思う。特に中学生にとっては「なんでこんな面倒なことを勉強しないといけないのか」と感じる頃だろう。

しかし、会社の数字の見方は絶対に理解する必要がある。

 

例えば1万円札があるとしよう。

中学生が必死に小遣いを貯めた1万円と、ZOZOの前澤社長の1万円と、賽銭箱から盗んできた1万円。

1万円を手に入れた過程や思い入れはそれぞれ違うだろう。

しかし1万円は1万円。同じ1万円の物が買えるし、3つを区別することはできない。

息子が必死で手に入れた30万円も、数百億を運用している機関投資家の30万円も、他の人にしてみれば全く同じだ。中学生のお金だから、と特別扱いしてくれる事はない。

 

つまり株式投資をするという事は、初心者も歴戦の強者も、最初から全く同じ条件で戦うという事だ。初心者だからと手加減はしてもらえない。

 

一方は投資歴数十年、数百億円の資金を持ち、投資が本業で一日中そのことばかり考えている。スーパーコンピューターを利用してのやシミュレーションを行うことも出来る。業界の重鎮やその会社の社長に直接会ってインタビューをすることも出来る。そんなプロの投資家。

そしてもう一方は、投資歴0年。投資資金は30万円。日々の生活や勉強に忙しく、投資はあくまで副業。業界の知識も会社の知識もなく、決算書も読めない中学生。

 

そんな二人が同じ土俵で戦う。

なかなかのハードモードなゲームだ。勝つのが大変だという事は理解できるだろう。

 

それでもちゃんとやれば勝てます。

お金はちゃんと増えていきます。ちゃんとやれば。

ちゃんとやるために必要な知識のひとつ、それが会社の数字なんです。

それをひとつづつ覚えていきましょう。

 

もちろん、お金が増える保証はしません。株式投資は自己責任です(*^_^*)。

 

 

最後に息子に宿題を一つ。

 

問1:

会社とは紙幣印刷機です。

では、年間100万円の紙幣を印刷できる印刷機が売っているとします。

いったいいくらなら買いますか?考えてみてください。

印刷機は比較的丈夫で何十年も持つこともありますが、壊れることもあります。

 

【超!試し読み】インベスターZ ZOZOTOWN篇 (コルク)