日本がアメリカと戦争を始めた理由を漢字2文字で答えるなら
前回に引き続き、とてもいかついタイトルです。でも、いつもの投資ブログです。好みが分かれる話ですので、興味のない方は読み飛ばしてください。
独占は最強のビジネスモデルだけど、独占される方は最弱の立場になってしまうという実例その2です。
1.平成のバブル、昭和の戦争
平成の30年間は、「バブルと、その崩壊からの再起」という言葉で表せる。
昭和の63年間は、「戦争と、敗戦からの再起」で表せるだろう。
平成もあと数十時間で終わるこの時に、「バブルはなぜ起こったか?なぜ崩壊したか?なぜ完全に再起できていないのか?」という事を考えるのは悪くない。しかし私はそれを文章にして説明できるほど詳しくない。
だからという訳ではないが、私の生まれた昭和について書く。
「なぜ、日本はアメリカと戦争なんて始めてしまったのか?」
漢字2文字で答えろ、と問われれば「石油」と答える。
日本は石油のために太平洋戦争を戦うことになり、そして敗北したんだ。
2.世界一の産油国、USA
原油を産出する国といえば、サウジアラビアやアラブ首長国連邦、イランなどの中東の国々を思い出すだろう。前回の記事に出てきたロシアや、中国なんかも産油国だ。
世界の原油(石油)生産量 国別ランキング・推移 – Global Note
アメリカ合衆国は世界一の産油国だが、石油は一滴も輸出していない。なぜならアメリカの石油消費量は断トツで世界1位だから。自国生産するだけでは足りず、大量に石油を輸入している。アメリカの石油輸入量は、世界二位だ(一位は中華人民共和国)。
そして今から80年ほど前の1940年頃。
まだ中東や中国の油田は本格的に開発されていなかった事もあり、アメリカの原油生産量に対する世界シェアは70%に達していた。その石油を自国内で消費するだけではなく、世界中に輸出していた。
飛行機を飛ばすにもトラックを動かすにも船を進めるにも、石油は絶対に必要だ。その石油のほとんどをアメリカが生産していた。一方、日本の原油生産量は全世界の0.1%に過ぎなかった。日本は自国で使用する原油の81%を、アメリカから輸入していた。
日本は、最重要物資である石油の供給の独占を、アメリカに許していたんだ。
3.対日石油輸出禁止と開戦
やがて世界情勢が悪化していった。詳細は省略するが、太平洋を挟んだ隣同士の国であるアメリカと日本は「似たようなビジネス」をやっていた。自国の植民地を拡大して、それを市場として独占するビジネスだ。日本とアメリカは隣同士だったこともあり、ビジネスで競合するようになった。だから日本とアメリカは仲が悪くなっていった。
仲が悪くなり、敵同士になった国を助ける必要はない。アメリカは少しずつ日本への石油の輸出量を減らしていった。石油以外にも、鉄やゴムなどの重要な物資も日本への輸出を制限するようになった。
船も飛行機も、石油がなければ動かない。これから戦争になるかも知れない敵国が、わざわざ戦闘機の燃料を売ってくれる訳がない。当時の日本もそのヤバさを十分に理解していた。
そのために国内の油田開発を進めたり、満州の油田を探してみたり、北樺太から原油を輸入しようとしたりした。果ては石炭から人造石油を作る研究をしてみたりもした。
でも、どれも上手くいかなかった。
日本は石油を求めて東南アジアに進出した。オランダ領東インド(現在のインドネシア)には豊富な油田が存在する。日本はそれを求めて南に軍を進めた。
1941年7月、日本軍はまずフランス領インドシナ(現在のベトナム)に進出した。
それを受けて1941年8月、ついにアメリカは日本への石油輸出を完全に禁止した。当時の日本が備蓄していた石油は、平時の使用量の1.5年分だった。もし戦争を始めるなら石油使用量は激増する。そうなれば1年で枯渇する量しか備蓄していなかった。時間が経てば経つほど備蓄している石油は減っていく。どうせ戦争をするなら早く始めないと。石油が無くなってしまえばゼロ戦も飛ばせないんだから。そんな雰囲気が湧き上がってきた。
1941年12月8日、日本はハワイにある真珠湾のアメリカ軍基地を攻撃した。アメリカとの太平洋戦争の始まりである。その後の結果は知っての通りだ。
徹底的にやられて、国が滅びてしまった。
参照:
4.独占を許すのはあまりにも危険
「エネルギー安全保障」という言葉がある。石油や電気などのエネルギーを安定的に確保しようとする取り組みを表した言葉だ。アメリカが世界の原油生産量の7割を占めていた時代では、エネルギー安全保障が成り立たなかった。
アメリカはこの状況を上手に利用した。日本は現状を打破しようとした。打破しようとして戦争になったんだ。そして負けた。
独占を許すのは本当に危険なんだ。一つの国を亡ぼすくらいに。
国の話ではちょっとスケールが大きすぎてピンとこないかもしれない。
という訳で、次回は個人が独占を許した場合の悲劇について書きたい。現代の日本によくある、本当にありふれた悲劇についてだ。
↓ 戦後、日本の石油を確保しようと世界の石油カルテルと戦った男の実話。
百田尚樹の代表作のひとつ。まだお読みじゃない方は是非この機会に。
チェルノブイリを経験したウクライナが原子力発電所を建設し続けるのはなぜか?
いかついタイトルがついているけど、いつもの投資ブログです。
1.独占は最強のビジネスモデル、独占されたほうは最弱
少し前の記事で、橋の通行料をどんどん上げられて困るくま島の島民の話を書いた。
独占する企業は好きに値段を上げることができる。それを買うしか無い消費者はとても困る。そういう話だ。
もちろん「くま島」は架空の島であり、独占企業である「くま島交通」は実在しない。でも、それと似たような話は現実にも存在する。
ヨーロッパの東の端っこに「ウクライナ」という国がある。そんなにメジャーな国でも無いので、知らない人も多いかもしれない。
50歳くらいの人ならウクライナという国の名前を知らなくても、「チェルノブイリ原子力発電所」という言葉は知っていると思う。チェルノブイリ原子力発電所とは、1986年に起きた世界最悪の原子力事故の舞台だ。爆発、溶解した原子炉が世界中に放射能を撒き散らし、数万人から数十万人の死者を生み出したと言われる。
この史上最悪の原発事故を起こしたチェルノブイリという街が、ウクライナに存在する。
事故から30年以上経過しているが、いまだにチェルノブイリの周囲の地域では高濃度の放射線が確認され、立入禁止の地域もそのままだ。
そこまでひどい目にあった国なら、もう原子力発電所は恐ろしくて使えない。原発なんて懲り懲りだ。そういう風に考えていると思ってしまう。
しかし、現実はまったく逆だ。ウクライナは、世界で最も原子力に発電を依存している国のひとつなんだ。2017年のデータだが、ウクライナで発電される全ての電力のうち、原子力発電所が占める割合は58.4%だった。これはフランスに次いで世界2位だ。
3.ウクライナの憂鬱
なぜこんな事になっているのか。
ウクライナとその隣りにあるロシアは、もともと「ソビエト連邦」というひとつの国だった。1991年にソビエト連邦が解体され、構成していた国々が独立した。それをきっかけにロシアとウクライナは別々の国になった。
ロシアでは天然ガスが豊富に産出される。ロシアは近隣の各国までパイプラインを敷設し、その天然ガスを輸出していた。
パイプラインは、一度敷設してしまえば実に安く手軽にガスを輸送する事ができる。パイプにガスを通すだけだ。日本がガスを輸入しようとすれば、ガスタンカーを使って運んで来なくてはいけない。それを考えるとパイプラインの効率の良さはケタ違いだ。
もともと同じ国だったということもあり、ロシアはずいぶん安くウクライナにガスを売っていた。そんなこともあり、ウクライナは、ロシアから安く供給される天然ガスに頼ってしまった。
ロシアは、ウクライナに天然ガスを「独占して」売る国になっていたのだ。
独占した方は、自由に値段を上げることができる。ロシアは天然ガスの値段をどんどん上げるようになった。そして、問題は値段だけではなかった。
ウクライナは、政治的にもロシアに対して立場が弱くなってしまった。エネルギーを供給してくれるロシアがへそを曲げたら、暖房も電気もロクに使えなくなってしまう。国の産業も国民生活も成り立たなくなる。あんな寒い国で暖房が使えないなんて、シャレにならない。
エネルギーの首根っこを抑えられたウクライナは、ロシアに逆らうのがとても難しい国になってしまったわけだ。
このように書くと、ウクライナが一方的な被害者のように感じるだろう。しかしそうとも限らない。ロシアは、もともと同じ国だったウクライナに、市場より安い値段で天然ガスを売っていた。その価格を普通に戻そうとしていただけ、だった。
ウクライナは市場より安い価格で売ってもらった天然ガスを、別の国に高く売って利ざやを稼いだりしていた。また、お金がないからとロシアに払うべきガス料金を滞納していた。更に、こっそりとパイプラインに穴をあけて、お金を払わずガスを盗んでいたりもしていたようだ。
それでロシアの怒りを買って、ガスを止められてしまった。料金を払わずにガスを止められるなんて、貧乏学生かよ。
ロシアとウクライナの「ガス紛争」 | 時事オピニオン | 情報・知識&オピニオン imidas - イミダス
4.ウクライナの更なる憂鬱
そんな事をやっているうちに、ウクライナの一部であったクリミア半島で独立騒ぎがあった。その騒ぎに対し、在留ロシア人の保護を名目にロシア軍が進出、クリミア半島全域を占領してしまった。その後クリミア半島は独立し、すぐさまロシアへの編入を宣言した。
ウクライナは、クリミア半島という国土の一部をロシアに奪われてしまった。
ウクライナは、ロシアを「侵略国家」と呼んで敵視している。まあ、当然だろう。
そんなロシアにこれ以上エネルギーを依存するのはあまりに危険だ。そう考えたウクライナが、原子力発電所に活路を見出した。
ウクライナはチェルノブイリを忘れたわけじゃない。ロシアに頼るより原子力発電所に頼るほうが安全だと考えたんだ。
国であれ、個人であれ、自分自身の運命は他人に握らせてはいけないんだ。
環境は二の次、原発依存高めるウクライナ - ライブドアニュース
5.まとめ
・独占は最強、独占される方は最弱。
・まだまだ世界は平和とは言い難い。下手な手を打つとやられる。
・若者は心と体を鍛え知識を身に付け、不測の事態に備えるべきだ。
こんな記事を書いている時に、ウクライナの大統領選挙の結果が出てた。
政治経験ゼロ、テレビドラマで大統領役を演じた人気コメディアンであるゼレンスキーが選挙に圧勝し、大統領に選ばれたらしい。
コメディアンが圧勝へ ウクライナ大統領選 出口調査で70%超支持 - 産経ニュース
大丈夫なのか、ウクライナ・・・。
子供のウクライナ語学習DVD5枚セット/見ているだけで、話せる言葉がどんどん増える!Dino Lingo
鳥瞰図、株式投資の始め方
1.株式投資の全体像
決算書の読み方とか、ビジネスモデルとか、各企業の分析とか。
株式投資に必要な知識をひとつひとつ書いているけど、ここらで一度ずっと視点を拡げてみる。カメラをずっと引いて、ドローンで撮影したように、離れた場所から広い視野で株式投資をみてみよう。
株式投資といっても色々あるが、私がやっているのは個別株に対する長期投資だ。自分自身でやってみて、成果が上がっている個別株の長期投資についてのみ書いていきたい。それ以外の方法も無数にあるが、よく知らないことは書けないので書かない。
個別株の長期投資は以下の手順で行われる。
良さげな企業を探す。その企業の値段を見る。安かったら買う。上がったら売る。
これで儲けることが出来る。実に簡単そうだ。
実際の流れは1行で書けるけど、その過程はもっと複雑だ。複雑だけど、あんまり細部ばかりにこだわっても全体像を見失う。まずは全体像を把握したい。
東京から北海道に行くためには北上する必要がある、という事を理解するんだ。その後でひとつひとつの道と交通手段を検討していけばいい。
過程をもう少し細かくみると、こんな風になる。
① 企業をさがす。
② 企業のビジネスモデルを流れとして理解する。
③ 決算書を読んで過去の業績を数字で理解する。
④ ②と③を踏まえて今後の業績の予想を立てる。
⑤ ②~④と現在の時価総額を比較して安いかどうか判断する。
⑥ 実際に買う。
⑦ 安い株価が見直され、適正価格になったら売る。
これが長期での株式投資のやり方だ。
2.7つのステップを詳しく確認していく
上に上げた7つのステップをどうやってクリアしていくか。その手段を順番に確認していこう。
① 企業を探す
企業の探し方は、なんでもいい。
四季報を最初から全部読んでいく人もいる。「営業利益率20%以上」などという条件ででスクリーニングしていく人もいる。雑誌で紹介された企業でもいいし、このようなブログで紹介されていた企業でもいい。自分のよく使う商品やサービスを売り出している身近な企業でもいい。
きっかけは本当になんでもいい。
人間関係でも、出会うきっかけはなんだっていいだろう。
お見合いであれ、職場結婚であれ、幼なじみであれ、出会い系アプリであれ。
きっかけは何だっていい。重要なのはその次の段階からだ。
② 企業のビジネスモデルを流れとして理解する。
気になる企業があったら、そのビジネスモデルを調べる。
まず、それぞれの企業の決算説明資料を読んでみると全体像がつかみやすい。上場している企業でサイトを持っていない企業は存在しない。その企業のビジネスをちゃんと理解して、自分で説明できるようになっておく必要がある。
自分で説明できるかどうか?これは、自分が「わかっているのか」「わかったつもりになっているだけ」なのかを区別する手段だ。わかったつもりになっているだけ、なら株は買ってはいけない。
③ 決算書を読んで過去の業績を数字で理解する。
文章でビジネスを理解するのは国語力だ。
それを押さえた上で、次に決算書を読んでいく。読み方はこのブログでも少し書いたし、今後も書いていく予定だ。数字の理解が必要になるのはこの段階だ。
もちろんビジネスモデルは数字に表れるし、数字に強い人は決算書の数字からビジネスモデルを理解することが出来る。でもこれは玄人向けの方法だ。初心者はまず国語力を駆使してビジネスモデルを理解するべきだろう。
④ ②と③を踏まえて今後の業績の予想を立てる。
決算書は過去の数字が書かれているだけだ。未来の予想も書かれているが、これはただの予想(あるいは願望)だ。決算説明資料にも企業の願望が色濃く表れている。
これらを真に受けてはいけない。今後もその企業が成長していくのかどうか、その可能性を自分で判断する必要がある。この段階が一番難しく、また楽しい所だ。ここでも、やっぱり参考になるのはビジネスモデルだ。現在のビジネスモデルが、将来状況が変わってももちゃんと機能するか?成長の余地はどのくらいあるか?そんな事を考えて予想を立てる。
3年後、5年後の企業の業績はどうか?自分なりに考えてみよう。
⑤ ②~④と現在の時価総額を比較して安いかどうか判断する。
④まで調べて、やっぱりすごい企業だという事がわかった。その後に確認するのは企業の値段だ。すごい企業は高い。しょぼい企業は安い。
すごい企業だとわかっても、ものすごく高い株価がついていれば、それ以上あがるのは難しいかもしれない。低い株価しかついていない企業は、安い株価にふさわしいレベルの企業である可能性がある。
すごい企業を安く買うのが一番安全で成功率が高い。それを見つけるのが楽しい。
1万円で売れる希少本が、ブックオフの108円コーナーに置いてあったら買うだろう。買って別の古本屋に持っていけば9,892円の儲けだ。そんな本を探すのは楽しいと思わないか?
本来1万円で売れるような株を、5,000円ほどで買っておけば間違いない。それが長期投資の基本だ。そのためには、企業の価値がわかる人間にならないといけない。
⑥ 実際に買う。
⑤までやって、安いと思ったら買う。自分の大切なお金を使って買うんだ。
これはどきどきする。
⑦ 安い株価が見直され、適正価格になったら売る。
株価は、最終的に企業の価値に合わせた値段になる。安いと思えばみんな買うからだ。安い株価はいつまででも放置されていない。やがて株価が上がっていく。
もう安くなくなったな、そう思ったら売る。
3.株は、高価な買い物だ
流れはこんな感じだ。
このブログでは、決算書の読み方とかビジネスモデルとか、いろいろ記事を書いている。今はどのステップの話をしているのか、理解しながら読んでいってほしい。
このようなステップを踏まずに、なんとなく株を買う人もいる。100万円以上のお金をつかって、あっさりと株を買っている。
数万円の電気製品とか、あるいは298円の生鮮食品とか。そんな株よりずっと安い買い物をする時に、すこしでも安くて良い品を選ぼうと時間と労力をかけているのに。
スーパーで380円の刺し身のパックを選ぶとき、少しでも美味しそうなやつを選ぼうと6分の時間かけるひとなら、38万円の株を買う時に 10時間かけて企業を分析しないと理屈に合わない。それなのに、「なんとなく」「有名な投資家の〇〇さんが買ってたから」なんていう理由で1時間も調べずに株を買う。それはおかしいだろう。
ちょっと大変そうだ、と思った?
そう思う人が多ければ多いほど、ちゃんと努力した人にチャンスが回ってくる。そういう仕組みになっているんだ。
努力してお金をつかむ人になるか、努力せずにお金を失う人になるか。
好きな方を選ぶといい。自戒をこめて、書く。
英語のはじめかた・株式投資のはじめかた
1.私はそんなに英語が得意じゃない
英語はそんなに得意じゃない。
旅行中の日常会話くらいは出来るような気がするが、文法的に正しい英語は多分話していない。簡単な英語の文章は読めるが、英語で書いてある不動産取引の契約書にハンコを押せるほど読解力に確信を持っているわけではない。
最後に海外に出かけたのは3年ほど前だ。普段の生活で英語を話す機会など皆無だし、3年前にあった少しの英語力も相当さび付いているだろう。
だから英語力について語るほど英語は使えない。
英語のスキルを磨くよりも、他に学ばなければいけない事がたくさんある。本業についての勉強もそうだし、株式投資についても学びたいことがいっぱいだ。買ったけどまだ読んでいない本は何冊も積み上がっている。ダウンロードしただけの電子書籍も多い。それらの本を先に読みたと思っている。
そんなわけで、英語を学ぶ優先順位はどうしても低くなる。必要じゃない能力っていうのは、モチベーションの問題もあってなかなか身に付かない。
などと、英語が得意じゃない言い訳を書き連ねてみた。おじさんの言い訳は何であれ醜い事は理解しているが、それでもこんな事を書いたのは理由がある。
出来ない理由は出来るようになる手段の裏返し、だからだ。
私が英語が得意じゃない理由
・英語を使う機会がない、必要性がない、だからやる気が出ない、優先順位が低い。
→ 英語を使う必要性をギリギリまで高めてやれば全て解決。
もし学生なら、夏休みや春休みがあるわけだ。その時に英語圏に行くチケットを買ってしまう。オーストラリアやニュージーランドなら安いだろう。ワーキングホリデーなんかの制度を利用するといい。
行くのはなるべく日本人が少ない都市がいい。海外に行っても日本語を話す人がいると、どうしても日本語で情報交換をすることになる。なんといっても母国語を話すのはラクだ。ラクな方に流れるのは本能であり怠惰ではない。ラクができない場所に自分を追い込まないと、本能に従ってラクをしてしまう。
だから「日本人の多い街で語学留学」は、とてもコストパフォーマンスが悪い。日本語を話す機会も増えてしまうし、語学学校の学費を払う必要まで出てくる。値段が高い割には、英語を使わなくてはいけない機会が少ないんだ。語学留学のためにバイトしてお金を貯める、なんてのは時間まで無駄になってしまう。
行くことを決めてしまったら、必要性が跳ね上がって優先順位も高くなる。行った後は更に必要性が高くなる。
あとはひたすら英語を使うだけだ。
まあ、英語が得意じゃない人に言われても説得力はないだろうけど。
2.株式投資のはじめかた
株式投資もおんなじだ。
このブログを読んでいる方で、株式投資をまだ始めていない人は少数派だと思っている。でも今回はその少数派のために書く。
株式投資は、まず始めるといい。
失っても痛くない額で始めるのはそれほど勧めない。失ったら誰かの人生の進路変更が必要なほどの大金で始めるのも駄目だ。
失っても大丈夫だけど、悔しくて苦しくて一晩眠れなくなる程度の額で始めるといい。
独身の社会人なら給料の3ヶ月分でどうだろう。学生なら30万円ほどか?
中学生のうちの息子なら3万円だ。きっと失ったら眠れなくなるはずだ。
始めると決めたらお金を貯める。欲しいものを我慢するなど、苦労して貯める経験が必要だ。ちゃんと苦労しないと、失った時もすやすや眠ってしまう。失った時にもだえ苦しむ事が大事なんだ。苦労して集めたお金のほうが、失った時は苦しい。
こうすれば株式投資への勉強の必要性が上がる。自分の中での優先順位が高くなる。決算書の読み方とか、ビジネスモデルについての地味な勉強もはかどるだろう。勉強中に、
「こんな事も知らずに大事なお金を投資していたのか・・」
と、何度もつぶやくことになる。そういう経験が大切なんだ。
前に、「バーチャル取引は無意味だ」という話を書いた。泳げるようになるためには溺れてみなくては、というのは完全に真実だ。
ぜひもう一度読んでほしい。
ラクな方に流れるのは人間の本能だ。必要性があるからこそ、努力する。努力せざるを得ない状況に自分を追い込めば、努力せざるを得ない。
3.まとめ
・必要がない知識や技術は身につかない。
・ものすごく必要な知識や技術は身につく。
・巣立ち直前のひな鳥は、飛ぶか、死ぬしかない。
・大丈夫、鳥なんだから、飛べる。
↓ 私はひたすら音読して文章を体に染み込ませる方法で英語を勉強しました。文法を学ぶという勉強方法がどうしても合わなくて。それでも大学入試センター試験で9割以上取れます。まずはこの本を読む事をおすすめします。
まあ、あんまり英語が得意(以下略)
マークラインズ・・・真のプラットフォーマーへの脱皮を待つ
マークラインズ企業分析の最終回。前回までに書ききれなかったことと、今後の展開についての妄想を。
1.営業利益率が高い
マークラインズが運営する自動車産業情報ポータルサイトは、ほとんどライバルがいない。ライバルがいないので価格競争は起こらない。
だから毎月の使用料はマークラインズに決定権があり、十分な利益を上げることができる。顧客から「使用料をもっと安くしろ」と要求されても、「使用料が高いと思うなら使わなくてもいいですよ」と断ることができる。マークラインズ以外が運営している自動車産業情報ポータルサイトは存在しないのだから。
だから売上に対する利益率が高くなる。
マークラインズの2018年の売上高は20.4億円、営業利益は7.3億円だ。売上高に対する営業利益の割合を「営業利益率」というが、マークラインズの営業利益は35.9%だ。
営業利益率35.9%というのは、ものすごく高い。
伝説の投資家、ウォーレン・バフェットは「営業利益率が10%を超える企業は価格支配力がある」というような事を言っている。ライバルがいない企業は、自分の商品の値段を自分で決定する事ができるので利益率を高くすることができる。
営業利益率だけ見ても、マークラインズが独占的な事業を行っていることがわかる。
2.買った
そんな事を考えて、2016年9月にマークラインズの株を買った。2016年8月に発表された中間決算が期待はずれだ、と安くなっていたところをありがたく買わせてもらった。
その後の上昇は上記のチャートの通りだ。良い買い物が出来たと思っている。買った当時は「決算が悪くて暴落した」というような雰囲気だったが、長期のチャートを見るとほとんど変化していないように見える。
長期投資家にとって、短期の小さな値動きはただの「ノイズ」だ。
今もマークラインズの株の保有を継続しているが、高い所で売れなかったのはとても残念だった。2018年8月頃の、ピークをすぎた2,000円くらいで売ろうとも思ったんだけど、また上がっていくような気もして売れなかった。
売るのは買うよりずっと難しいんだ。
3.サブの事業
マークラインズの中核事業は、自動車情報のポータルサイトを運営しその有料会員から使用料を受け取る事だ。
それに加えて、自動車産業に特化した人材紹介やコンサルティング事業、市場予測販売、バナー広告、ベンチマークの提供なども行っている。こっちがサブの事業だ。
上のグラフは5つのサブ事業の2016年からの四半期ごとの売上高の推移だ。
色々やっていて少しずつ増えている印象はある。しかし「すごく変動している」っていう印象の方が強いだろう。
前々回も書いたが、この5つのサブ事業はストックビジネスではない。有料会員からの使用料は毎月決まった金額が振り込まれるストックビジネスだが、サブ事業はそうじゃない。サブ事業は、顧客から仕事の依頼がない限り売上も利益も上がらない。
だから変動が激しいんだ。
① たまたま、一時的に、サブ事業がいい数字を出すと株価は多分上がる。
② たまたま、一時的に、サブ事業が悪い数字を出すと株価は多分下がる。
一時的な変動だと確信できるのなら、②のときに株を買うべきだろう。
本当に一時的な変動か判断するのは難しい事も多いんだけど。
4.プラットフォーム、には足りない
マークラインズは運営している情報ポータルサイトの事を「情報プラットフォームサービス」と呼んでいる。
私はマークラインズの株主なんだけど「プラットフォームは言いすぎだろ」と思っている。
上の記事にも書いたが、プラットフォームビジネスの本質は「しくみ」を提供することだ。
メルカリは個人個人がお互いに商品を取引する「しくみ」を提供している。メルカリが自分で商品を仕入れて売っているわけではない。メルカリという会社は、あくまでも「しくみ」を提供しているだけだ。
マークラインズは自動車産業に関する情報を売っているが、その情報は自分で集めている。サイト利用者が情報を提供してくれるならそれはプラットフォームだけど、マークラインズは自分で情報を仕入れて売っている。
顧客に提供しているのは「情報」であって、「しくみ」ではない。
サブ事業でやっているコンサルティング事業や市場予測も、やっぱり「しくみ」じゃない。マークラインズがプラットフォームを名乗るには、少し足りないと思う。
しかし、自動車産業に携わる人々がマークラインズのサイトに集まる流れは出来ている。その人の流れを利用した、本当のプラットフォームビジネスを展開する土台は出来ているんだ。
実際、バナー広告のような本当のプラットフォームビジネスも始まっている。広告事業はまだまだ売上が小さいし、伸びてもいないのだけど。
今は自分で情報を集めて売っているマークラインズだが、やがてそのサイトで真のプラットフォームビジネスを展開できるようになると信じている。会員が自ら情報その他を持ち寄り、マークラインズはその仲立ちのみ行って取次手数料を稼ぐ。そうなれば更に次元の違う利益を上げていく事になるだろう。
その時こそ、セミが羽化して飛び立つように、株価も天高く舞い上がっていくはずだ。
幸いなことに、まだまだ有料会員数は伸びしろがある。メイン事業の成長をゆっくりと楽しみながら、マークラインズが大化けする時をゆっくり待つ事にしている。
マークラインズ・・・有料会員数の増加を追えば会社の成長が理解できる
マークラインズの中核事業は、自動車産業情報のポータルサイトを運営しその有料会員から使用料を受け取る事だ。
この情報ポータルサイトの月額使用料に加え、自動車産業に特化した人材紹介事業やコンサルティング事業、市場予測情報販売やバナー広告なども行っている。こっちがサブの事業だ。
それぞれの数字を順番に見ていきたい。
1.直近4年の四半期ごとの売上と営業利益
これは2015年からの四半期ごとの売上額のグラフだ。縦軸の数字の単位は百万円。相変わらずエクセルで作った手作り感満載のグラフだが、私が自分の理解のためだけに作った資料の転載なので許してほしい。
青が中核事業である有料会員からの使用料の合計、赤はそれ以外全ての売上の合計だ。
青の部分は、有料会員の増加に伴って売上がきれいに上昇している。会員数の伸びがそのまま売上の伸びにつながる、典型的なストックビジネスの売上グラフになっている。
一方赤の部分はやや変動が目立つ。なぜなら人材紹介やコンサルティングはストックビジネスではない。仕事の依頼が来ない限り売上は上がらない。
次は営業利益のグラフだ。縦軸の単位はやっぱり百万円。利益が「情報ポータルサイト」と「その他」に分けて発表された2016年からのグラフになるので、売上のグラフより期間が短くなっている。
四半期ごとの経費はややばらつくので、利益の方は売上ほど安定していない。
会社の事業が安定して伸びているマークラインズですら、利益はこのように変動することは覚えておくといいだろう。
利益は決算の「見た目」だ。長期投資家なら見た目に振り回されず、企業の本質に注目していきたい。本質の伸びている企業が「見た目」の悪い決算を出したとき、これは株が安く買える時だ。ありがたく買わせてもらうといい。
2.マークラインズの成長の本質は有料会員の増加だ
マークラインズの場合、有料会員数が伸びは会社の成長そのものだ。ちょっと難しい言葉を使うと「マークラインズのKPIは有料会員数だ」と表現できる。
KPIとはkey performance indicator の略だ。日本語で噛み砕いて言うと、「会社の業績をもっとも正しく表す鍵となる数字」という意味になる。
マークラインズの有料会員数が伸びていれば、間違いなく売上も利益も伸びる。という訳で、2015年1月からの月毎の有料会員数をグラフにしてみた。
見ての通り、ほぼ直線的に伸びている。
2015年からの月毎の有料会員増加数をグラフにしてみた。
4年3ヶ月間の有料会員数のグラフはほぼ直線に見えたが、月毎にかなり増加数が変動している。10月や12月の増加が少ない、という季節性もあるようだ。
こうやって見ると、2018年の7月頃から会員数の伸びが良くなっているように感じる。例年増加数が少ない10月や12月も、2018年はそれほど谷をつくらずに順調に伸びている。その流れは2019年の3月まで続いているように見える。
会社説明会資料などを読むと、最近営業の戦略を変えた事がわかる。
これまで地方都市を地味に営業してきたが、あんまり新規会員は獲得出来なかった。これからは関東や愛知県を中心とする、自動車産業が活発な地域に重点的に営業をかけることにしたと。
トヨタのお膝元であり、多数の関連企業がひしめく愛知県に新しく支社を置いたのもその一環だろう。そういった取り組みが有料会員数の増加につながっているのならとても嬉しい。
また無料会員登録数を増やすために、google等の検索エンジンに引っかかりやすいようにポータルサイトを改造したとのこと。これも効果があったのかもしれない。
そんなわけで、マークラインズの成長はまだ続くと期待している。
3.成長率を維持するのは後になるほど大変になる
マークラインズの有料会員数は直線的に伸びている。しかし、直線的に伸びるだけではちょっと心もとない。
お小遣い1万円が2万円になるのは嬉しい。倍に増えるわけだから。
しかし100万円のお小遣いが101万円になるのは、そんなに感激しない。もしかすると気付かない程度かもしれない。同じ1万円のアップなのに、こっちはたったの1%しか増えていないのだから。
同じように毎年有料会員が300社増えていても、もとの会員数が300社のときと30,000社のときでは、全然増加率が変わるのだ。
直線的に伸びるというのはそういう事だ。会社が大きくなればなるほど、直線的に伸びてもやがて気付かない程度にまで成長率が下がる事になる。これはもう成長企業とは呼べなくなる。
今後もマークラインズは有料会員の増加に力を入れていくだろう。それが会社の成長にとって基本となる戦略だ。
ただし年々ハードルは高くなる。
株主としては是非とも頑張ってほしい。
そしてサブの事業についても頑張らなくてはいけない。それについては次回に。
マークラインズ・・・・興奮と共に買い進めた理由
1.素晴らしい企業との出会いは投資家を興奮させる
私はマークラインズという企業の株を保有している。購入したのは2016年の9月だから、2年以上前からの株主だ。
この株を知って、すぐに購入を決定した。久しぶりに「完璧な株」を見つけた!そう思った。投資家にとって、素晴らしい会社と出会った時の興奮は特別なものがある。
買った株が予想通り上がっていく時も気持ちいい。でも、良さそうな株を知って調査を進めていく時も楽しくて仕方がない。このような快楽が存在することを、もっと世間の人は知ってほしいと思う。そうすれば日本の投資人口が増え、お金が回るようになり、景気もよくなるんじゃないだろうか。
その一方で、興奮して会社に惚れ込んでしまうと痛い目に合うこともある。売り時を逃したり、損切りが出来なかったりする。
惚れてしまったら負け、というのは恋愛にも通じるものがある。知らないけど。
2.マークラインズのビジネスモデル
マークラインズが行っている事業は、「自動車産業情報ポータルサイト」だ。
ポータルサイトとは、ネット上で情報を集めるための起点となるサイトの事だ。つまり、YahooやGoogleのようなサイトだ。Yahooからは様々な情報が検索できるし、メールや天気や株価などの情報にもすぐにアクセスできる。
マークラインズがやっているのは、自動車産業に特化したポータルサイトなんだ。
自動車産業というと、ホンダやトヨタなどの大企業を思い出す。しかし、それぞれの自動車メーカーの下には無数の部品メーカーが存在する。そして海外にも多数の企業が存在する。
これらの自動車産業に関係する企業が、業界内の事について調べるときに使うのがマークラインズのポータルサイトだ。
どのメーカーがどんな部品を作っているのか?部品の価格はどのくらいか?どこにどのような工場があるのか?その工場の生産高はどのくらいなのか?
自動車を作るときにはそんな情報が必要になる。マークラインズのポータルサイトを使えば、お手軽にこれらの情報が手に入る。マークラインズはポータルサイトを通じて情報を提供し、月額の使用料を受け取る。
これがマークラインズの中核事業だ。
この情報ポータルサイトの月額使用料に加え、自動車産業に特化した人材紹介事業やコンサルティング事業、市場予測情報販売やバナー広告なども行っている。
3.マークラインズの事業の長所
2年前に、私が興奮しながらマークラインズを買い進めた理由を順番に書いていく。
① 情報は売っても減らない
カレーは売ったらなくなる。100人分のカレーを売るためには、100人分のカレーを作る必要がある。カレーを作るためには材料費がかかる。
しかし情報はどれだけたくさん売っても減らない。情報を仕入れるのにはコストがかかるが、売れば売るほど利益になる。多くの企業にマークラインズの会員になってもらえば、その分だけ利益が積み上がる。追加の材料費はいらないんだ。
② ほぼ独占企業
このような自動車産業ポータルサイトは、他に存在しない。アメリカ国内に競合が1社あるのだが、日本国内は競合がゼロだ。独占が利益を上げるときにどれほど有利なのか、これまでさんざん書いてきた。
③ ストックビジネスなので定期的にお金が入る
カレーの売上はお客さんの数に比例する。来月からお客さんが激減する可能性もある。しかし有料会員が毎月使用料を払ってくれるなら、退会者が出ない限り売上は絶対に減らない。このような利益構造を「ストックビジネス」という。システムディの企業分析のときに書いたんだけど、覚えているだろうか?
マークラインズは毎月有料会員数を公開しているが、減少したことは一度もない。毎月、ばらつきはあるが12社~38社程度、会員が増加している。その分だけ毎月利益が増えている事がわかる。
④ 自動車産業は変革期であり、情報がより重要になる
自動車がガソリンだけで走るのは20世紀までだ。今後電気自動車や、水素で走る燃料電池自動車が増加していくのは間違いない。AIによる自動運転の技術もすぐに実用化されるだろう。自動車産業はまさに激変しており、どんな企業も安穏とはしていられない。
変革期で、より重要になるのは情報だ。情報を売るマークラインズにとって、変革期であるということは追い風だ。
また、アジア、アフリカの経済成長はすばらしく、今後一気に自動車保有数が上がると考えられている。そうすれば自動車産業に携わる企業はまだまだ増えるだろう。
⑤ 有料会員の伸びしろはまだまだある
マークラインズに毎月お金を払っている有料会員数は、2019年3月の時点で2,982社。その内、日本国内の会員数は1,632社で54.7%だ。
日本国内のみと、海外。どちらが自動車産業に携わる企業が多いか考えるまでもないだろう。同じ割合まで海外の企業の会員数が増えれば、利益は現在の何倍にもなる。マークラインズは日本語、英語、中国語の3ヶ国語で情報を提供している。
ちなみにマークラインズは、有料会員になってくれる可能性がある企業数を8万社と推定しているらしい。それはさすがに多く見積もりすぎだろうけど、伸びしろはまだまだあるのは間違いないと考えている。
⑥ 有料会員から更に売上を積み上げる可能性
情報ポータルサイトの有料会員に、更に別のサービスを提供することも行われている。自動車産業に特化した人材紹介事業、コンサルティング事業、市場予測情報販売やバナー広告などがそれにあたる。
ポータルサイトがカレーだとすると、その上のトッピングでも利益が上がるようにしているわけだ。
長くなったので、このあたりで止めます。
具体的な数字などは次回に。