中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

マークラインズ・・・・興奮と共に買い進めた理由


車に乗った動物たちのイラスト(旗つき)

 

1.素晴らしい企業との出会いは投資家を興奮させる

私はマークラインズという企業の株を保有している。購入したのは2016年の9月だから、2年以上前からの株主だ。

 

この株を知って、すぐに購入を決定した。久しぶりに「完璧な株」を見つけた!そう思った。投資家にとって、素晴らしい会社と出会った時の興奮は特別なものがある。

買った株が予想通り上がっていく時も気持ちいい。でも、良さそうな株を知って調査を進めていく時も楽しくて仕方がない。このような快楽が存在することを、もっと世間の人は知ってほしいと思う。そうすれば日本の投資人口が増え、お金が回るようになり、景気もよくなるんじゃないだろうか。

 

その一方で、興奮して会社に惚れ込んでしまうと痛い目に合うこともある。売り時を逃したり、損切りが出来なかったりする。

惚れてしまったら負け、というのは恋愛にも通じるものがある。知らないけど。

 

 

2.マークラインズのビジネスモデル

マークラインズが行っている事業は、「自動車産業情報ポータルサイト」だ。

ポータルサイトとは、ネット上で情報を集めるための起点となるサイトの事だ。つまり、YahooやGoogleのようなサイトだ。Yahooからは様々な情報が検索できるし、メールや天気や株価などの情報にもすぐにアクセスできる。

マークラインズがやっているのは、自動車産業に特化したポータルサイトなんだ。

 

自動車産業というと、ホンダやトヨタなどの大企業を思い出す。しかし、それぞれの自動車メーカーの下には無数の部品メーカーが存在する。そして海外にも多数の企業が存在する。

これらの自動車産業に関係する企業が、業界内の事について調べるときに使うのがマークラインズのポータルサイトだ。

どのメーカーがどんな部品を作っているのか?部品の価格はどのくらいか?どこにどのような工場があるのか?その工場の生産高はどのくらいなのか?

自動車を作るときにはそんな情報が必要になる。マークラインズのポータルサイトを使えば、お手軽にこれらの情報が手に入る。マークラインズはポータルサイトを通じて情報を提供し、月額の使用料を受け取る。

これがマークラインズの中核事業だ。

 

この情報ポータルサイトの月額使用料に加え、自動車産業に特化した人材紹介事業やコンサルティング事業、市場予測情報販売やバナー広告なども行っている。

 

 

3.マークラインズの事業の長所

2年前に、私が興奮しながらマークラインズを買い進めた理由を順番に書いていく。

 

① 情報は売っても減らない

カレーは売ったらなくなる。100人分のカレーを売るためには、100人分のカレーを作る必要がある。カレーを作るためには材料費がかかる。

しかし情報はどれだけたくさん売っても減らない。情報を仕入れるのにはコストがかかるが、売れば売るほど利益になる。多くの企業にマークラインズの会員になってもらえば、その分だけ利益が積み上がる。追加の材料費はいらないんだ。

 

② ほぼ独占企業

このような自動車産業ポータルサイトは、他に存在しない。アメリカ国内に競合が1社あるのだが、日本国内は競合がゼロだ。独占が利益を上げるときにどれほど有利なのか、これまでさんざん書いてきた。

 

③ ストックビジネスなので定期的にお金が入る

カレーの売上はお客さんの数に比例する。来月からお客さんが激減する可能性もある。しかし有料会員が毎月使用料を払ってくれるなら、退会者が出ない限り売上は絶対に減らない。このような利益構造を「ストックビジネス」という。システムディの企業分析のときに書いたんだけど、覚えているだろうか?

マークラインズは毎月有料会員数を公開しているが、減少したことは一度もない。毎月、ばらつきはあるが12社~38社程度、会員が増加している。その分だけ毎月利益が増えている事がわかる。

 

④ 自動車産業は変革期であり、情報がより重要になる

自動車がガソリンだけで走るのは20世紀までだ。今後電気自動車や、水素で走る燃料電池自動車が増加していくのは間違いない。AIによる自動運転の技術もすぐに実用化されるだろう。自動車産業はまさに激変しており、どんな企業も安穏とはしていられない。

変革期で、より重要になるのは情報だ。情報を売るマークラインズにとって、変革期であるということは追い風だ。

また、アジア、アフリカの経済成長はすばらしく、今後一気に自動車保有数が上がると考えられている。そうすれば自動車産業に携わる企業はまだまだ増えるだろう。

 

⑤ 有料会員の伸びしろはまだまだある

マークラインズに毎月お金を払っている有料会員数は、2019年3月の時点で2,982社。その内、日本国内の会員数は1,632社で54.7%だ。

日本国内のみと、海外。どちらが自動車産業に携わる企業が多いか考えるまでもないだろう。同じ割合まで海外の企業の会員数が増えれば、利益は現在の何倍にもなる。マークラインズは日本語、英語、中国語の3ヶ国語で情報を提供している。

 

ちなみにマークラインズは、有料会員になってくれる可能性がある企業数を8万社と推定しているらしい。それはさすがに多く見積もりすぎだろうけど、伸びしろはまだまだあるのは間違いないと考えている。

 

⑥ 有料会員から更に売上を積み上げる可能性

 情報ポータルサイトの有料会員に、更に別のサービスを提供することも行われている。自動車産業に特化した人材紹介事業、コンサルティング事業、市場予測情報販売やバナー広告などがそれにあたる。

ポータルサイトがカレーだとすると、その上のトッピングでも利益が上がるようにしているわけだ。

 

 

長くなったので、このあたりで止めます。

具体的な数字などは次回に。

 

 

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