テンバガーの3つのタイプ
1.ビッグチェンジとテンバガー
ネコが女の子に化ければ不良も思わず更生してしまう。そんな「ビッグチェンジ」が起こった会社を買えば儲かるよ。だけどどうやってそんな会社を探せばいいんだろう。
そんなところで前回の話が終わった。
今回はその続き。
だけど探し方について書く前に、まずテンバガーのタイプについて書くことにする。
2.テンバガーの3つのタイプ
買った株が10倍にまで値上がりする「テンバガー」。
非常に残念なことに、私はテンバガーをつかんだことはない。せいぜい4倍くらいだ。
ここ1年ほどは、1.5倍から2倍にも増えれば御の字だ。以前ほど気持ちよく上がってくれる株が少なくなってきている気がしている。地合いによってテンバガーが狙えるときと、狙ってもうまく行かないときがある。今はテンバガーは狙いにくい地合いなんだろう。
テンバガーとなる会社は3つのパターンに分けられる。
① 上場したばかりの時価総額が小さな会社が成長していく
② 落ち目の会社がビッグチェンジを起こして再成長する
③ 誰もが潰れると思っていた会社が生き残る
これ以外にもあるのかもしれないけど、 私が思いつくのはこの3つだ。
3.上場したばかり時価総額が小さな会社が成長していくタイプ
このパターンはわかりやすい。ちょっと前に例を上げた「かつや」を展開するアークランドサービスホールディングスが良い例だ。
店舗数が増えて、売上と利益が伸びる。それに伴って市場での評価も上がる。そのうちアークランドサービスHDはテンバガーを達成した。
これが成長株投資の王道だろう。
「もともとは時価総額が低い小さな会社だった」これがポイントの1つだ。
小さな会社だからこそ、大きく成長することができる。
例えば大企業の代表であるトヨタ自動車。本日の時価総額は22兆6,974億円だ。
このトヨタ自動車の売り上げと利益が5倍になり、それに伴って時価総額が440兆円になることは多分、ない。
上場したばかりの「小さな会社」と書いたのはそれが理由だ。小さいからこそ大きく成長する余地があるんだ。
4.誰もが潰れると思っていた会社が生き残るタイプ
②を飛ばして先に③を見てみよう。
「誰もが潰れると思っていた会社が生き残る」
代表的な例は「アイフル」だ。
アイフルは消費者金融の企業だ。「お金があまりない人や給料日まで待てない人に数万円から数十万円のお金を貸して、それなりの金利をとる」というのがビジネスモデルだ。
ペットショップでチワワと出会ったしまったサラリーマンが、チワワのためにアイフルに行く。かつてはそのような恐ろしいアイフルのCMが放送されていた。
ペットを飼うために消費者金融から借金をするなんて、正気ではない。
正気じゃない人を相手にしたビジネスは、途中でうまくいかなくなる。
アイフルの2006年から2016年までのチャートだ。
アイフルは「借金の取り立てが暴力的すぎる」と訴えられたり、「グレーゾーン金利」の問題があったりして業績が悪くなった。2010年度には3,000億円程度の赤字を出した。誰もがアイフルは潰れると思った。4,000円以上あった株価は20円まで下がった。
しかし潰れなかった。
潰れない事がはっきりすると、20円の株価は2年ほどで829円まで上昇した。なんと41倍の上昇だ。20万円投資していれば829万円になっていたわけだ。
しかしこのパターンはなかなか難しい。潰れるかもしれない、という会社の株を買うのは勇気がいる。決算書を読み込むくらいでは決して足りないだろう。とてもじゃないけど初心者にはおすすめできない。
5.落ち目だった会社がビッグチェンジを起こして再成長するタイプ
この例は前回あげたミクシィだ。
運営していたSNSの利用者がどんどん減少し、売上も株価も下がり続けていたミクシィ。
しかしモンスターストライクの大ヒットで、株価は宇宙ロケットのように空高く舞い上がった。
チャートだけで十分。解説は不要だろう。
6.まとめ
上がっていくチャートを見るのは楽しい。
自分が持っている株のチャートだった場合、その楽しさは何十倍にもなる。たぶん。
そんな楽しさを味わってみたくないか?
私は味わいたい。
テンバガーが起きるパターンはだいたいこの3つだ。
その見つけ方について、次回から考えていきたい。