中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

巨大地震と株式投資①・・巨大地震が起きる場所

地震を気にしない人のイラスト

1.地震はこわいか?

地震はもちろん怖い。

 

地震・雷・火事・親父」と昔の人は言ったが、現代の世の中で地震以外の3者はほとんど怖くない。命を失うリスク、財産を失うリスクは地震だけが圧倒的に大きい。

 

地震については正しく危険性を評価して対策するのが正しい。むやみに恐れるのも、多分大丈夫だという根拠のない自信を持つのも下策だ。

リスクは正しく評価し、正しく対策しなければいけない。

我々は投資家なのだから。

 

という訳で、巨大地震のリスクについて調べてみた。

これは投資ブログなので、巨大地震の株式市場への影響のみ考える。生命や身体や自宅その他への影響については考えない。

巨大地震が起きた場合、どのくらい株式市場に影響するかのみを考えてみたい。

 

 

2.日本における巨大地震のメカニズム

巨大地震について調べようとすると、やたら危険性を煽る記事が目につく。センセーショナルなタイトルを付けた記事の方がアクセス数が多いのだろう。

 

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こんな記事もヒットした。

「これは絶対に来る!」「いますぐ逃げたほうがいい」という言葉が香ばしい。銘柄を煽る有料投資サロンのようではないか。

 

煽りに惑わされないためには正しい知識が必要だ。

だからやや冗長と感じると思うが、巨大地震のメカニズムから見ていく。

 

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地震の原因は地殻を構成するプレートの移動だ。

日本の国土のほとんどが、ユーラシアプレートと北米プレートの上に存在する。そこにフィリピン海プレートと太平洋プレートがめり込んで行くようにぶつかってきている。

この動きが地震を起こす。

 

① 海側のプレートは常に動いている。

② 陸側のプレートはそれによってひずみがたまる。

③ ひずみが元に戻るときに地震が起きる。

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ひずみは常に蓄積し、定期的にもとに戻る。

だから定期的に巨大地震が起きる。これは残念ながら間違いない。

 

 

3.巨大地震が起こる場所

上に載せた地図の通り、海洋プレートと陸側のプレートがぶつかる場所は3つある。

 

① 北米プレートと太平洋プレート(日本海溝

② 北米プレートとフィリピン海プレート(相模トラフ)

③ ユーラシアプレートフィリピン海プレート南海トラフ

 

それぞれのプレートの境界の地形は、日本海溝、相模トラフ、南海トラフという名前で呼ばれている。

それぞれの場所で過去に巨大地震が起きている。順番に見ていきたい。

 

 

① 北米プレートと太平洋プレート(日本海溝

北米プレートと太平洋プレートがぶつかる場所では、つい最近巨大地震が起きた。

2011年3月11日、いわゆる東日本大震災だ。マグニチュード9.1という日本観測史上最大の地震で、警察が発表した死者・行方不明者数は1万8,434人だった。

 

地震が一度起きているから、今後しばらくは起きないと考えられている。地震によってプレートのひずみが解消されているので、再びひずみが蓄積するには数十年単位の時間がかかる。こちらについては当分の間心配しなくてよさそうだ。

 

 

余談だが、内閣府のサイトには2006年1月に日本海溝で起こると考えられる巨大地震についての報告書が掲載されている。

 

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日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震対策 : 防災情報のページ - 内閣府 (bousai.go.jp)

gaiyou.pdf (bousai.go.jp)

 

「巨大な津波の危険性」「前回の発生から40年経過しており切迫性がある」などの文言がある。東日本大震災はある程度予想されていた。

ただ実際は想定の10倍ちかい規模の地震だった訳だが。

 

 

② 北米プレートとフィリピン海プレート(相模トラフ)

相模トラフによる巨大地震で直近のものは、大正に起きた関東大震災だ。

1923年9月1日に起きた「大正関東地震」、いわゆる関東大震災では10万5,000人が亡くなった。

 

関東大震災からは100年近く経過している。そろそろ次のやつが来るかもと考えたくなるけど、大丈夫そうだ。

相模トラフでの巨大地震が起きる間隔は220年~400年ほどだと考えられ、今後30年間で起きる可能性はほぼ0%と計算されている。

相模トラフ巨大地震 - Wikipedia

 

 

③ ユーラシアプレートフィリピン海プレート南海トラフ

今後起こる可能性の高い巨大地震の筆頭が南海トラフ地震だ。

終戦前後の混乱期に発生したためあまり知られていないが、1944年の昭和東南海地震と1946年の昭和南地震があてはまる。

 

南海トラフ地震は100年~150年毎で定期的に発生している。前回の地震から75年ほど経過しており、今後30年間で発生する可能性は70~80%だと言われている。

 

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千葉から宮崎までの広い範囲で津波が起こり、最悪のケースでは32万3,000人の死者が出ると予想されている。

当然、株式市場も無事では済まないだろう。

 

 

④ 首都直下地震

関東大震災のような地震は100年ほど起こらない?首都圏で地震が起きる可能性ってよく聞くけど?」

 

そう考えた方もいるかも知れない。

 

実は、地震はプレートとプレートの間だけで起きるわけではない。プレートの内部にも断層が多く存在し、そこでも地震が起こりうる。

特に東京周辺は北米プレートにフィリピン海プレートと太平洋プレートが重なってぶつかっているため、プレート内に歪みが蓄積しやすくなっている。その歪みに耐えきれずに断層がずれると地震が起きる。

 

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natural-disaster_05_01_l.jpg (1050×1050) (nhk.or.jp)

 

プレートの境界で起こる地震ほど大規模ではないが、東京は人が多すぎる。その結果被害も大きくなる。被害想定は諸説あるが、死者数は5,000人~23,000人。経済的被害は最大で95兆円という数字が出されている。

 

2012年2月に発表された発生確率に「4年以内50%以下、30年以内83%」というものがあった。いろんな説があって何が正しいのかよくわからなかった。

プレート間の地震より発生するメカニズムが複雑なので、よく分かっていないのだろう。

 

 

4.まとめ

・巨大地震はいつか必ず起こる

・投資を行う上で気にする必要があるのは南海トラフ地震と首都圏直下地震

・リスクを過剰に恐れるのも無視するのも良くない

・巨大地震が起きたときの投資上のリスクについては次回

地震については素人なので、気になる方は必ず自分で調べてください

 

 

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筋トレ後にどうぞ。