マークラインズ2Q決算分析・・・②、あるいはポジショントーク
1.その他の事業が存在感を増している
マークラインズの事業の柱は情報プラットフォーム事業だ。
今回は、情報プラットフォーム事業以外の5つの事業について書く。決算前に書いた記事はこちらです。
この記事の中にこんな事を書いた。
「マークラインズの事業の柱は情報プラットフォーム事業だ。
情報プラットフォーム事業が2018年度の売上高の77%、利益の81%を占めている。
情報プラットフォーム事業以外にも、マークラインズは5つの事業を行っている。
コンサルティング事業、人材紹介事業、LMC市場予測情報販売事業、ベンチマーキング事業、プロモーション広告事業の5つだ。
この5つの事業を足して、ようやく売上高の23%、利益の19%となる。」
決算後は以下のように書き直さないといけない。
「マークラインズの事業の柱は情報プラットフォーム事業だ。
情報プラットフォーム事業が2019年度上期の売上高の71%、利益の81.4%を占めている。
情報プラットフォーム事業以外にも、マークラインズは5つの事業を行っている。
コンサルティング事業、人材紹介事業、LMC市場予測情報販売事業、ベンチマーキング事業、プロモーション広告事業の5つだ。
この5つの事業を足すと、売上高の29%、利益の19.6%となる。」
「その他の事業」が、主力である情報プラットフォーム事業の伸び率を超えて成長している。
マークラインズの売上の3割、利益の2割を占めるようになっている。
2.月次がない予想はただの予想
「その他の事業」は月次がない。だから計算するのは難しい。予想するだけだ。
私は2Q発表前にこんな予想をしていた。
四半期ごとの各事業、売上の推移のグラフで、X軸の14のところが自分の予想。
全体として以下のように予想していた。
マークラインズの「その他の事業」の、
2Qのセグメント売上は377百万円。前年比+63.2%。
2Qのセグメント営業利益は114百万円。前年比+50%。
実際はこんな感じだった。
人材紹介とLMC市場予測が予想より良く、ベンチマークは予想よりずっと悪かった。
全体として以下のような結果だった。
マークラインズの「その他の事業」の、
2Qのセグメント売上は348百万円。前年比+52.0%。
2Qのセグメント営業利益は113百万円。前年比+52.7%。
売上は予想に達していなかったが、利益はほとんどピタリと当たっていた。
まあ完全に偶然なのでドヤる気にもならないんだけど。
それにしても、情報プラットフォーム事業が売上も利益も10%しか(!)成長していないのに、その他の事業は売上も利益も50%以上成長している。これは株主としてはやっぱり喜ばしい。
3.2Q後のそれぞれの事業のポイントとコメント
2Q前の記事に付け足して、2Q後のコメントだけ書いた。
① コンサルティング事業
・顧客企業の依頼に答えてコンサルティングを行う事業
・1Qの売上は58百万円、2Qの売上は56百万円。好調を維持。
・2018年5月より原価低減案を提案するコスト比較分析サービス開始。評判よさげ。
・2018年12月での従業員数は5名
・2018年度の利益率は36.9%、2019年度2Qまでの利益率は36.0%と素晴らしいまま。
② 人材紹介事業
・自動車業界に特化した人材紹介事業
・上のグラフから見ても、四半期ごとにデコボコしてる。
・デコボコの原因は、入社の次期が4月と9月が多いからか?
・1Qの売上は47百万円、2Qの売上は30百万円。今回あんまり下がらなかった!
・2018年度中に人員を増加している。売上増加につながる?
・2018年12月での従業員数は4名
・2017年の利益率は29%、2018年の利益率は18%、2019年2Qの利益率は42.9%!
・利益率すごく改善!自動車産業に特化しているからマッチングがやりやすいから?
・2018年の利益率が落ちたのは、人員増加の影響とのこと
③ LMC市場予測情報販売事業
・販売台数予測などの情報を売る事業
・イギリスのコンサルティング会社であるLMC Automotive Ltd. から情報を仕入れてる
・つまりイギリスの会社の、日本での販売代理店をやっている。
・1Qの売上は28百万円、2Qの売上は48百万円。2Qになって改善している。
・2018年12月での従業員数は2名
・利益率は21.1%。まあ代理店やっているだけだからこんなもんでしょう。
④ 広告事業
・マークラインズのサイトにバナー広告を出すサービス
・売上は実に少なく、まだまだこれから
・1Qの売上は3百万円。2Qの売上は4百万。もっとがんばれ。
・受注は好調に推移していると決算説明資料にあり。3Q以降に期待。
・自社のサイトにバナーを貼るだけ。原価はほとんどかかっていないはず。
⑤ ベンチマーク事業
・BMWやTeslaなどの車両を分解して分析したレポートを売っている
・調査のための、車両、部品調達代行サービスも行っている。
・1Qの売上高は59百万円、2Qの売上は14百万円。なんでこんなに下がった?
・セグメントとしては広告事業とまとめられている
・④と⑤の合計で従業員数1名
・④と⑤の合計で利益率39.5%、1人で稼いでますね。
いずれも売上規模は小規模なんだけど利益率がいい。小規模だけど利益率のいいビジネスを多数抱えている、というのは心強い。
どれか1つがコケても他がカバーできるし。
5つのいずれのビジネスも、情報プラットフォーム事業の上に存在している。
プラットフォームを握っているからこそできるビジネスなんだと思う。
上等なご飯があるからこそ、素材のいい海鮮丼が美味いんだ\(^o^)/
4.全体のまとめ
全体のまとめとして、私は以下のような数字を予想していた。
マークラインズの全体での2Qは
売上 1,226百万円 前年比 +22.4%
営業利益 430百万円 前年比 +23.5%
実際の数字は、
売上 1,199百万円 前年比+19.8%
営業利益 438百万円 前年比+22.3%
だった。
偶然だけど、営業利益は結構近かったと言えると思う。
というわけで、私の下手なポジショントークの時間を終わりにします。
お付き合いありがとうございました(^o^)。
←この本読んだけどやっぱりすごい。
娘と息子にも読ませようと思う。