「子どもの投資教育・実体験プロジェクト」 エントリー失敗/仮名借名取引とは
1.エントリーは失敗に終わった
村上世彰さんの「子どもの投資教育・実体験プロジェクト」に参加するために手続きを進めていた。その経過と、娘と息子が実際に投資を行なうところまでをブログで記事にしていく予定だった。
だが失敗した。
この失敗は私にとってかなりダメージが大きい。せっかくの追い風は、あまり利用することができないままに通り過ぎてしまった。
私がどのようにしてつまずいて、エントリー失敗に至ったかを書きます。これから申し込む方が同じミスをして苦しまないために。
2.私はどこでミスをしたか
昨日の記事で申込手続きの流れを書いた。その前半を再掲する。
① 参加希望受付フォームから参加申し込みをする。
② 登録したメールアドレスにプロジェクト内容の詳細が書かれたメールが届く。
③ GMOクリック証券とGMOあおぞらネット銀行に親が自分の口座を開く。
④ 親が開いた口座から「未成年口座」の申込みをする。
⑤ 中高生名義のGMOクリック証券とGMOあおぞらネット銀行の口座ができる。
私がミスったのは上記の④だ。
自分自身のGMOクリック証券の口座を開いて、子ども名義の口座である「未成年口座」の申込みをしようとしたが、できなかった。
このように未成年口座の申込みの部分にずっと「現物取引規制がかかっているため、お申込みいただけません」という文字が表示され、申込みができない。
口座開設したばかりだからか?あるいはマイナンバーの提出が終わっていないからか?そう思ってちょっと様子を見たが、状態は変わらない。
ふと見ると、マイページの場所にメールが来ている。タイトルに「取引規制のおしらせ」という文字がある。そのメールを開いてみた。
登録した電話番号が、他の人と同一の携帯電話番号だったらしい。それで不公正取引や脱税、マネーロンダリングの疑いをかけられたようだ。
不公正取引!マネーロンダリング!そんな大層なことをやる訳ないし。
しかし、他の人と同一の携帯番号だって?
ここでようやく思い当たった。ずっと昔に妻の名義でGMOクリック証券に口座を開いた事があった。妻の名義の口座を確認したところ、やはりその携帯電話が私の番号で登録されていた。これとかぶったんだ。
妻の口座を開設するとき、面倒な電話がかかってくるのを嫌がった妻の意見を組み入れて、私の携帯電話番号で登録したんだ。
妻の口座の携帯電話番号の登録内容を訂正し、GMOクリック証券の窓口に電話した。携帯電話番号がダブった理由を説明し、凍結を解除してもらうように頼んだ。
窓口の人は「10日ほど待て」と言った。
しかし、2週間ほど経っても凍結は解除されなかった。
私はもう一度窓口に電話した。
「仮名借名取引のおそれが解消されないため、解除はいたしません。」
そう言われて凍結解除を断られた。
同様に妻名義の口座も凍結されたままだった。両親いずれかの口座からしか、未成年口座は申し込む事ができない。
つまりこれは、「子どもの投資教育・実体験プロジェクト」のエントリーが失敗に終わった事を意味した。
3.仮名借名取引とは?
仮名借名取引とは、仮名取引(かめいとりひき)と、仮名取引(しゃくめいとりひき)を合わせた言葉だ。
仮名取引は実在しない人間の、架空の名義で行なう取引のことだ。
借名取引は自分以外の名義で行なう取引のことだ。たとえ家族であっても、口座名義以外の人が取引を行った時は借名取引に該当する事があるようだ。
仮名取引も借名取引も、脱税やマネーロンダリングの手段になるから法律で禁止されているらしい。
そんなわけで、携帯電話番号の登録ミスで子どもの口座を開設することができなくなった。GMOクリック証券で口座を開かなければ、子供の投資教育・実践プロジェクトには参加できない。
せっかくの子どもの投資教育のチャンスを失ってしまった。
しかし、家族名義の口座を開設して株式投資を行っている投資家は多いと思う。
例えばNISAの制度は、投資金額が一人当たり年間120万円と決まっている。結婚している人なら、相方の名義で口座を開設すれば年間の投資金額が240万円に増える。そうやって非課税の枠を広げることが出来るのだから。
株主優待の制度も同じだ。株主優待は、100株持っている人にも10,000株持っている人にも同じものをくれる場合が多い(保有株数で優待内容が違う場合もある)。その場合、10,000株を持っている株主は、その中の100株を妻名義にする事によって2倍の株主優待券が貰える。
これらの方法はすべて違法なわけだ。
・・・気をつけよう。
4.終了のお知らせ
私が好きなことはたくさんある。そのなかのひとつに「新しい何かを企んで、それを試してみること」というのがある。
新しい企みを計画して、試してみてる。その結果をドキドキしながら待つ。これが楽しいんだ。
趣味の釣りでもそうだ。新しい釣りのアイデアを考えて、実行するために釣り場に向かうときが一番ワクワクしている。
このシーズンにこの時間帯に、このポイントでこの釣り方をすれば釣れる。そういう事が分かってしまったら楽しくない。釣れると分かってしまえば飽きてしまう。より大きな魚を狙って未知のポイントに向かったり、新しい釣りの仕掛けを考えたりする。
釣りはそういう事が楽しいんだ。
今回の「子供の投資教育・実体験プロジェクト」の参加という企みも、すごく楽しみにしていた。しかし、スタートする前に終わってしまった。
楽しみにしていた遠足が突然中止になったような、そんな苦しみが私を襲った。
というわけで、子供の投資教育・実体験プロジェクトのシリーズは、始まる前に終了しました。
皆さんは気をつけて下さい・・・。
一度紹介した村上世彰さんの本。お金は汗水垂らしながら稼ぐもの、という信条に凝り固まった人から弾圧され続けた投資家の魂の叫びが聞こえます。
「お金は大事な人を助ける事も出来る『ただの道具』だ」。