中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

初心者にバフェット流の投資を勧めない理由

 図書館の中のイラスト

ウォーレン・バフェットという伝説の投資家がいる。

バフェットは幼い頃からゴルフボールを拾って売るようなビジネスを始め、11歳の若さで株式投資を始めた。成長した後は投資の世界で働き始め、35歳にて「バークシャー・ハサウェイ」という繊維会社の経営権を握った。その後、バークシャー・ハサウェイの名義で株式投資行い、約50年間で運用する資産を2万倍に増やした。その結果バフェットは、2018年の段階で840億ドルの資産をもつ世界で3番目のお金持ちになった。(ちなみに1位はAmazonをつくったジェフ・ベゾス、2位はマイクロソフトビル・ゲイツ。)

 

 株式投資のみで世界有数のお金持ちになったバフェットの投資方法は実にシンプルだ。

1.すごく「いい会社」を探す。

2.その会社の株をなるべく安く買う。

3.安く買った株を、売らずにずっと持ってる。

 

 たったこれだけ。買った株を売る必要すらない。ずっと持っているだけ。シンプルで美しくて、とんでもない結果を残している。これは誰でもマネしてみたくなる。

 

 

しかし初心者がバフェットのマネをしようと思っても、まず上手くいかない。初心者にバフェット流の投資は勧められない。 

 

先に断っておくが、バフェットから学べることは本当にたくさんある。むしろ投資家にとって、バフェットの投資方法について学ぶことは必須だとすら思っている。

それでも初心者にはバフェット流の投資法を勧めない。その理由について書いてみたい。

 

 

1.初心者は「すごくいい会社」を選べない

バフェット流の投資を行うためには、まず「すごくいい会社」を選ぶ必要がある。バフェットの言う「すごくいい会社」とは、世界がどのように変わろうと、金利原油価格がどのように変化しようと、今後何十年も安定した利益を上げ続けられる会社だ。

 

そのような会社を、初心者は選ぶことができるだろうか。

もちろん、バフェット本には「すごくいい会社」の選び方についていろいろ書いてある。初心者が本を読んで、すごくいい会社の選び方がわかった気になる。いろいろ調べて、無事投資すべき「すごくいい会社」の株を買ったとする。

しかしその会社は本当に、何十年にも渡って安定した利益を上げる事ができる「すごくいい会社」なのか?どうやって確認する?

 

初心者が付け焼刃の知識で選んだ会社が、本当に「すごくいい会社」である可能性もある。しかしそれを芯から信じ続けないと、株を持ち続けることはできない。信じるためにはしっかりとした知識が必要になる。

株価が下がれば間違いなく不安になる。不安になり、もっと下がる前に売らなくては、と考えるようになる。せっかくすごくいい会社の株を買ったのに、暴落時に安値で売ってしまう。それでは株式投資に勝てない。

 

バフェットは11歳の頃には、地元の公立図書館にある会計や投資関連の本を全て読み終えていた。幼い頃から自分でも株式投資を行い、大学はコロンビア大学ビジネススクールを選んだ。卒業後就いた仕事は株式ブローカーだ。35歳でバークシャー・ハサウェイの経営権を握った時点で、既に投資歴24年の経験を持っていたわけだ。

 

少なくともそれなりの会計の知識とビジネスモデルへの理解がなければ、バフェットの言う「すごくいい会社」を選ぶことはできない。選ぶことができたとしても、それを確信をもって持ち続けることはできないだろう。

決算書の読み方も理解していないレベルの初心者が、投資の神様のマネをしてもうまくいく訳がない。

 

 

 2.安く買うのも簡単ではない

バフェットに限らず多くの長期投資家にとって、株とは安い時に買うものだ。私も長期投資家の端くれとして、なるべく安い時に株を仕込みたいと考えている。でもこれは簡単な事ではない。

 

私が安く買おうとして買えないパターンはこんな感じだ。

パターンその①

「おお、この会社はいい。業績もいいし、ビジネスモデルもいい。今後の伸びしろも十分ありそうだ。しかもなかなか安い。これは買いだ。株価は、、、更に下がりつつあるな。これはもっと下がりそうだ。よしよし、もっと下がれ。もっと下がったらおいしく買わせていただく。・・あれ、ちょっと上がってきたな。よし、次の押し目で買おう。」

そしてある日、会社の発表を受けてストップ高。ああ、これはもう買えない・・。

 

パターンその②

「おお、この会社はいい。業績もいいし、ビジネスモデルもいい。今後の伸びしろも十分ありそうだ。値段はまずまずだな。株価は、、、上がりつつあるな。今のうちに少しずつ買っておくか。」

そしてある日、為替だとか米中会談とか、その会社とはほとんど関係ないニュースで株価は全体的に大暴落。いまこそ欲しかった株を仕込む時!!でももう買ってしまったので現金がほとんどない・・。安くなったのに買えない・・・。

 

 

暴落時に現金をたんまり持っていないと、バフェット流で株を買う事はできない。

しかし、目を付けた株の株価がどんどん上がっていくのを、買わずに見ているのはなかなか辛い。暴落の時に備えて現金を持ったままにしておくのは、なかなか難しい事なんだ。

また、暴落中はあり得ないほど株価が下がる。十分安くなった株も、もっと株価が下がるかと思うと買いにくい。そうしているうちにリバウンドが来る。もう欲しい株は安くなくなった。バーゲンセールは終了だ。

 

安く株を買うのはなかなか難しいんだ。理屈通りに初心者が出来る事じゃない。

 

 

 まだあるんだけど、書ききれません。

続きは次回に。

 

↓ これは読んだ方がいいです。

 

億万長者をめざすバフェットの銘柄選択術