中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

システムディの企業分析 ナンピン買いまでした理由

おみやげを買っている学生のイラスト(修学旅行)

先日システムディのビジネスについて書いた。今回は、この時期にナンピン買いまでした理由を書きたい。ポイントは以下の3つだ。

 

1.もともと切り替えの効かない業務用ソフトをつくっている
2.売り切りのソフトからクラウド型の移行が進んでいる。
3.2020年度の大学入試改革があり、大学向けソフトの切り替え時期

 

これをひとつひとつ順番に説明したい。

 

1.もともと切り替えの効かない業務用ソフトをつくっている

これは前回ほとんど書いた。システムディは、6つの領域でそれぞれのパッケージソフトを作って、企業や自治体、学校などに売っている。個人に売るのではなく、企業などの団体に売るわけだ。

ソフトを買った団体はそのソフトを使って仕事をしていく。書類作成も、売り上げその他のデータ入力も、そのソフトで管理されていく。そのソフトがないと仕事にならないので、一度導入されたソフトは入れ替えが効かない。だから一度お客さんになってくれた企業は、ずっとお客さんでいてくれる。

 

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このグラフは各領域の顧客数の推移だ。ソースは年に2回行われる企業説明会の資料だ。私が自分でエクセル入力して作成したので見にくいが、まあ我慢してください。

見ての通り、6つの領域すべての顧客数は現状維持しているか、伸びている。減少している領域は1つもない。入れ替えが効かない、という意味がよくわかると思う。そして伸びている領域はきちんと伸びている。

 

 

2.売り切りのソフトからクラウド型ソフトへの移行が進んでいる。

 

切り替えが効かないと言っても、お客さんが毎年必ずお金を落としてくれる訳ではない。パソコンに入れるWordも、パソコンを買い替えるときくらいしか買わないと思う。それぞれの大学がシステムディのソフトを導入したとしても、導入した時点でお金を払うだけだ。それでは本当の意味でのストックビジネスとは言えない。できれば毎年確実にお金を落として頂きたい。

そのためにはソフトのクラウド化が望ましい。

 

一般的な売り切りのソフトは、それぞれのパソコンにインストールして使用する。プログラムはそれぞれのパソコンの中に存在する。それに対し、クラウドソフトというものはネット上に存在する。ソフトを使用する時は、ネット上にあるソフトにアクセスする。それぞれのパソコンの中にはソフトもデータも入っておらず、ネット上のソフトにアクセスするための端末としてのみ使用される。

企業は毎月の使用料を払って、クラウド上のソフトの使用権を得る。

これなら毎月定期的にお金が入ってくる。システムディにとっては大変都合がいい。ソフトのクラウド化は、システムディにとって利益率を向上させるとてもいい方法だ。

 

クラウドソフトを使用する事は、企業側にも多くのメリットがある。

まず、ネットセキュリティの問題だ。それぞれのパソコンにソフトをインストールして使用すると、データがそのパソコンに残ってしまう。入力された個人情報その他の情報は、そのパソコンがハッキングされるだけで漏れてしまう。ハッキングまでされなくても、ぼんやりした職員がノートパソコンを通勤電車に忘れてしまうかもしれない。

情報漏洩が起これば企業は重大なダメージを受ける。しかしクラウドソフトなら情報漏洩のリスクは少なくなる。クラウドソフトに保管されているデータはシステムディが守ってくれるし、ぼんやりした職員のアナログ的な情報漏洩のリスクもなくなる。

 

また、クラウドソフトは更新がやりやすい。利用者は常に最新の状態に更新されたソフトを使う事ができる。それぞれの業界は、それぞれの業界ごとに規制する法律がある。その法律が改正する度に、業務はすこしずつ変わっていく。それに合わせてソフトが更新されるのは、利用者にとってとても便利だ。

 

クラウド型ソフトの契約となれば、完全なストックビジネスになる。毎月定期的な収入が見込める。売り切りのパッケージソフトからクラウド型ソフトへの切り替えはどんどん進んでいる。クラウド型ソフトの契約数のグラフを掲載する。

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 まさにこれから上昇していく所、というグラフの形に見える。

H30年6月の資料では、ストックビジネスの売上が約10億円となっている。総売上額の26.5%を占める事になる。26.5%なら、まだまだ割合が増える伸びしろがあるだろう。

 

 

3.2020年度の大学入試改革があり、大学向けソフトの切り替え時期

2.の続きだが、特に大学向けのソフトは大きな変化がある。2020年度に控えた大学入試改革だ。大学入試が変われば、大学向けのソフトは大きく変える必要がある。クラウドソフトなら制度の改革に応じてリアルタイムで更新を受ける事ができる。今まで売り切りのソフトを使っていた大学が、クラウドソフトに乗り換えるきっかけとしては十分だろう。

 

 

 

以上のような事実から、システムディの業績は半年以内に大きく伸びると考えている。本当はH30年12月の決算で上方修正が出るほど伸びると考えていたのだけど、思惑は外れた。でも時期がズレただけで、業績が伸びるという予想は変えていない。

それなのにこの安さで売られている。これはもう買うしかない、と思った。

そして買った。これがナンピン買いした理由だ。

 

昨年12月にあった決算時点での、クラウド型ソフトの契約数とか、各領域の顧客数とかの重要な数字はまだ公表されていない。1月17日に機関投資家向けIRミーティングがあったから、その資料には載せられているはずだ。それが一般に公表されるのもそろそろなのだが、まだ出ていない。

私の予想は当たっているだろうか。

 

あ、業績は予想するけど株価は知らないですよ。株価はいずれ業績に付いてくるだろうけど、短期的な騰落は私にはわからないです。