中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

株式投資には多くの流派があり、初心者を混乱させる

カンフーのイラスト(女性)

 

株式市場には本当に沢山の参加者がいる。10万円程度のお金を握って入ってくる初心者もいれば、10億円を超える資産を運用してるベテラン個人投資家もいる。保険会社や証券会社、投信信託など、お客さんから集めたお金を運用する「機関投資家」もいる。国民から集めた年金を運用している「年金積立金運用機構」という組織は、32兆円を株式に投資している。

 

これらの参加者達は、みんなお金を増やそうと努力している。

30万円のお金を手にした中学生も、32兆円を運用するプロも、平等なルールで戦うことになる。中学生だとしても手加減はされない。

 

だからこそ株式投資には勉強が必要だ。勝つ可能性を上げるために。

勉強しようとして本を読む。マネー雑誌を読む。ネットで情報を集める。初心者がいろいろやってみると、最初はだいたい混乱する。本によって、書いてあることが全然違うからだ。

ある本には、「株価が下がってきたらすぐ売る必要がある。損切りこそ最も重要な生き残りの方法だ」と書いてある。

別の本には「株は安い時に買って高い時に売ればいい。株価が下がったならそれは買い時、バーゲンセールだ。安い時に売るのは間違いだ」と書いてある。

どっちが正しいんだ!と混乱する。そして自分にとって都合のいい解釈を始める。

 

たとえば買った株が下がった時。今のRIZAPグループのように、負けを認めて損切りしなくてはいけない場面だとする。

だが、損を確定させるのは辛い。損をした現実を直視せず、「いや、この株はいずれ上がる。安くなったのなら売らずに買うべきだ」と自分に都合よく考える。そうやって下がった株を買い増しして、更に損を増やしてしまう。行き着く先は退場だ。

 

本によって書いてあることが違うのは、流派が違うからだ。

相手を倒す、という目的が同じでも、柔道とボクシングでは方法が違う。柔道なら襟を掴むこが有効だろうけど、ボクサーが同じことをやろうとしても無意味だ。

それと同じように、お金を儲けるという目的が同じでも、長期投資と短期トレードでは方法が違う。長期投資なら買うべき所でも、短期トレードなら売るべき所だったりする。

自分がボクシングをしてるのか柔道をしてるのか、それすら知らずに戦う人はいない。しかし自分がどのような投資をするのか、わからずに投資をやっている人は実に多い。 

 

株式投資の流派はいくつもある。いくつかの要素で分類してみる。

 

1.投資期間による分類

ウォーレン・バフェットという伝説の投資家がいる。バフェットの好きな投資期間は「永遠」だという。buy and hold、一度買った株はずっと売らずに持っている。そのような超長期間を想定している投資家がいる。

その一方で、1日以上決して株を持たない「デイトレーダー」もいる。デイトレーダーは、買った株を必ずその日のうちに売ってしまう。市場が閉まっている夜間に株を持ち続けるなど、危険極まりないと考えている。

数日から数週間の投資を行うのは短期投資だろう。数ヶ月から数年を想定するのは長期投資家と呼べるだろう。それぞれが、自分に合った投資期間を選ぶ。

ちなみに私は数ヶ月から数年の投資を考えている長期投資家だ。

 

2.集中と分散

持っている銘柄の数も投資家によって様々だ。集中投資か分散投資か。

私は現在6社の株を所有している。普段投資している会社は5社から8社。10社を超えた事は一度もない。かなり集中している投資家に分類されると思う。

人によっては数十社、中には100社を超える株に投資している投資家もいる。更にはインデックス投資という、日本の株式会社全体に投資する方法もある。どちらにも一長一短がある。

 

3.チャート派とファンダメンタル派

ファンダメンタル派は、会社の数字を分析して株を買う。数字を分析して、会社の実力より安く買える株を探す。あるいは数字を分析して、これから成長しそうな会社の株を買おうとする。

一方、チャート派は会社の数字なんて見ない。チャートとは簡単に言えば、これまでの株価の推移を示したグラフだ。そのグラフの動きが今後の株価の動きを示すと、チャート派は考える。株価が上る前や下がる前にはチャートに特有の形が現れるから、それを見逃さなければ安全に儲けることができる。そういう風に考えるのがチャート派だ。

私はファンダメンタル派だが、チャートも参考にしている。

 

 

大きく3つの要素で無数の流派を分類してみた。それぞれの要素ももっと細かく分けられるし、それ以外の要素もいろいろ入り込む。そして無数の流派が生まれ、初心者が混乱させられる。

 

 どれがいいかは分からない。柔道とボクシング、どっちが強いかと議論するのと同じだ。それぞれの戦い方に意味があるし、どちらでも強くなる事ができる。

ただ、自分がボクシングをやろうとしているのか柔道をやろうとしているのか。これはちゃんと理解しておく必要がある。柔道家がボクシングのリングに上って前襟をつかもうとしても無駄だ。ボクサーは上半身ハダカだ。ボコボコにされて試合終了、退場となる。

 

 自分がやろうとしている投資は何か?よく自覚することが大事だ。

このブログでも今後、様々な投資戦略を考えていきたい。

 

 

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