中1の息子に教える株式投資の始め方

40代の兼業投資家です。2019年の秋に株式投資を始める予定の息子「くま」に、投資の心構え、決算書の読み方、ビジネスモデル等をやさしく教えます。

株式投資は経済的センスが身に付く

ファッションデザイナーのイラスト

 

平日に突然休みが貰えたとする。特にやることもないのでイタリアンのランチを食べに行くことにした。せっかくだから行ったことのない店を開拓したい。いろいろ調べたところ、2つのお店が候補にあがった。

 

1つは駅ビルのなかのイタリアン。

もう1つは郊外にあるイタリアン。

 

どちらもランチの価格は2,600円だ。どちらもオープンして10年ほど経っている。家から店までの移動時間も同じくらい。シェフの経験も同じくらいらしい。

さて、どちらに行くべきだろうか。

実際は「立地条件以外は同じ店」などあり得ない。でも立地条件以外が同じなら、私だったら郊外の店に行く。なぜか?

 

レストランには経営者がいる。シェフが経営者を兼ねている可能性も高い。いずれにしても儲けないといけない。遊びでレストランを経営している訳じゃない。生活(およびその他いろいろなもの)がかかっている。

儲けるためにお客さんに来てもらわなくてはいけないが、それだけではダメだ。きちんと利益を出さねば。ランチを出して2,600円の代金をいただくが、この2,600円の中には料理の材料費と店の光熱費、従業員の給料、店舗の家賃なども含まれる。これらを全部引いて、残ったものが儲けだ。

材料費や光熱費、従業員の給料は変わらないかも知れないが、家賃は違う。駅ビルの中にある店は、郊外にある店より家賃が高いのは間違いない。その家賃の差をどこかでカバーしなければ利益が出ない。

その分多くのお客さんに来てもらう、食材の廃棄を減らすなど、方法はいろいろある。しかし、材料費を抑えるのが一番スムーズだ。

 

他の条件が同じなら、材料費を抑える必要がない郊外のイタリアンの方が美味しいと考える事ができる。

2,600円のランチ代にもその店の土地代が含まれている。土地代はいくら払っても味に影響しない。一方材料費は味に影響する。材料費を十分かける事が可能な、郊外の店を選びたいと思う。

 

 

もう一つの例。

明日は遠くまで運転しなくてはいけない。気付けばガソリンがあまり残っていない。どこでガソリンを入れようか。

 

1つ目は街なかのガソリンスタンド。

2つ目は港近くのガソリンスタンド。

3つ目は山の中のガソリンスタンド。

どのガソリンスタンドも同じ距離にある。系列も同じエネオスだとする。どの店も売っているガソリンは全く同じだ。しかし値段は違ってくる。

どのガソリンスタンドに行くべきだろうか?

 

 

これは、2つ目のガソリンスタンドが安い可能性が高い。

土地代を考えると3つ目の「山の中のガソリンスタンド」が安いのかも知れないけど、山の中までガソリンを運ぶ輸送費がかかる。タンクローリーで運ぶ運賃が、山の中のガソリンの代金には含まれる。山の中に住んでいる訳でもない人が、わざわざ遠くまで運賃をかけて運んだガソリンを入れる必要はない。

 

 ちなみに日本で一番ガソリンが高い県は沖縄県だ。2015年4月に沖縄県に唯一あった製油所が閉鎖されてしまい、県外からガソリンを輸送するようになったからだ。その輸送するコストが沖縄のガソリン価格を上昇させている。

沖縄県ガソリン税がそれ以外の地域より1Lあたり7円安い。だから単純に比較することは出来ないが、税金が7円安くても輸送費がそれを上回ってしまうようだ。

ガソリン全国一高い沖縄 税が安いのになぜ…? 1リットル139円70銭 | 沖縄タイムス+プラス ニュース | 沖縄タイムス+プラス

 

 

 株式投資をやっていると、こんな事をつい考えてしまうようになる。これは経済的センスが身についていると言ってもいいだろう。将来店を持ちたいとか、起業したいとか思っている人にとってはもちろん、いち消費者としても多少は役に立つんじゃないだろうか。

 経済的センスを身につけるためにも、株式投資はじめよう。

 

なんでお店が儲からないのかを僕が解決する