アメリカと中国が貿易戦争をやるとかやらないとか。日産のゴーン社長が逮捕されたとか。ライザップの当期利益の予想が159億4,000万円の黒字から70億円の赤字に下方修正されたとか。ライザップに入会していないのにライザップの株を買っていたせいで痩せたとか。
最近株価を下げるような事件が続いている。私の持ち株もじわじわと下げている。私の持ち株は貿易戦争にもライザップにもゴーン社長にもほとんど関係ない。関係なくてもマーケットの雰囲気につられて株価は下がる。どうやら、マーケットは冬に向かっているようだ。
冬のマーケットでは、あまり株価が上がらない。下がる株が圧倒的に多い。決算内容が良くても容赦なく下がる。株価が下がれば、それが新たな売りを呼び寄せて更に下がる。どうやら良い季節は終わったらしいと、下がっていく株価を眺めながら投資家たちは気付く。
現実の世界でも、夏と冬ではサバイバルの難易度が違う。夏は半袖でも問題ないが、冬は凍死につながる。夏なら食料も比較的簡単に手に入るが、冬だとそうはいかない。野生生物も、あるものは冬に餌を変え、あるものは夏のうちに食料を貯め込み、あるものは冬眠し、冬を生き延びる。そしてあるものは死に絶える。
同じように、マーケットでも雰囲気がよかった時と同じ戦法は使えない。投資家がお金を失い、投資を止めてしまうことを「退場」という。マーケットが良い時に効率的だった投資戦略を続けている投資家は、もれなく退場する。10月以降、退場していった投資家も増えてきたんじゃないかと思う。
冬の正しい戦略は、あまり動かないことだ。クマのように冬眠するのも1つの手だ。眠っているうちに春がやってくる。春になればまた餌を探して歩き回ればいい。
永遠に続く冬など無い。かならず春が来る。
しかし現実世界なら数ヶ月で冬が終わるが、マーケットの冬はいつまで続くか誰もわからない。数週間で終わるかもしれないし、何年も続くかもしれない。そしていつから冬になるかもよくわからない。これから冬になるような気がすると書いたが、明日から株価が暴騰して真夏になる可能性もある。その可能性を捨てきれず、夏の思い出が忘れられず、多くの投資家が真冬に半袖短パンで雪山に挑む。そして退場していく。
まだ暖かいのに冬の準備をするのはバカバカしいかもしれない。今後株価は更に下がると読んで株を売り、その後に上がっていく株価を見るのはなかなかの苦痛だ。しかし、その苦痛に耐えるものだけが生き残る。
マーケットの冬はいつ来るかわからない。しかし、いつか必ず来る。その冬を乗り越える準備は常に必要だ。
そして冬は必ずいつか終わる。時々冬から氷河期になる事すらあるが、その氷河期もいつか終わって春が来る。冬を乗り越えるために、必ず春が来ることを忘れてはいけない。
世界のどこでも生き残る 完全サバイバル術 (ナショナルジオグラフィック)
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世界の秘境で取材するナショナルジオグラフィックの記者が書いたサバイバル本。なかなか面白いです。