最初に覚える数字は「時価総額」
数日前、息子にこのブログを書いている現場を押さえられた。
その結果このブログの存在が息子にバレた。
どういう反応が返ってくるか不安だったが、ちゃんと読んでいた。
というより、不安になるくらい喜んで読んでいた。周囲の友達やらに吹聴しなければいいのだが・・。
株式投資をやるメリットをまだまだ書きたいのだけど、少し具体的な話を始めることにする。
株式投資をうまく行うためには、様々な数字を理解する必要がある。ジェット機のパイロットが、コックピットの様々な計器が示す数字を理解する必要があるのと同じだ。
パイロットが高度計や燃料残量や速度計の読み方も知らずに、飛行機を飛ばすことはできない。計器の読み方を知らなければ、早々に機体を地面と衝突させて爆発・炎上させるだろう。
株式投資のために理解すべき数字はたくさんあるが、一番最初に覚えるのは「時価総額」だ。
まず、Yahooファイナンスというサイトを見てみよう。
上場されている多数の企業の数字が並んでいる。
試しに、息子にとっても身近なコンビニについて見てみよう。
(株)ローソン【2651】:株式/株価 - Yahoo!ファイナンス
H30/11/9のローソンの株価が出ている。
7,470円だ。
セブンイレブンを運営するセブン&アイ・ホールディングスの株価も調べてみる。
5,008円だ。
「なるほど。ローソンの株価はセブンイレブンの株価より高いのか」
こう考えるのは間違っていない。
しかし、
「セブンイレブンの方が大きな会社のような気がするけど、なんでローソンの方が高いんだろう。なんか理不尽な気がする。」
こう考えるのは、株価を間違ってとらえている証拠だ。
株価は、企業の価値とは関係ない。
企業の価値と関係するのは「時価総額」だ。
Yahooファイナンスの画面の下の方を見ると、上記の赤丸のように「時価総額」という欄がある。
ローソンの時価総額は、749,241百万円、つまり7492億円だ。
セブン&アイHDの時価総額は、4,439,301百万円、つまり4兆4393億円だ。
ローソンの時価総額の方がずっと小さい。つまり会社の値段が安い。
なぜこのような違いができるのか?
それは、発行済株式数が違うからだ。
(発行済株式数はYahooファイナンスの、時価総額の下に書かれている)
実際の企業の数字は大きすぎるので簡単な例を挙げる。
株価が100円で、発行済株式数が100株なら、時価総額は
100円 × 100株 = 10,000円 となる。
株価が50円で、発行済株式数が1000株なら、時価総額は
50円 × 1000株 = 50,000円 となる。
時価総額こそが、その企業の市場価格だ。
株を買うことは、その企業を買うことと同じだ。
企業を丸ごと買う事は高過ぎて無理なので、こまかく分割して買いやすくしている。
その企業をどのくらいの数で分割したかを表すのが、発行済株式数だ。
セブン&アイHDの発行済株式数は 886,441,983株
ローソンの発行済株式数は 100,300,000株
株価 × 発行済株式数 = 時価総額
セブン&アイHDの時価総額は 5008円 × 886,441,983株 = 4兆4393億円
ローソンの時価総額は 7470円 × 100,300,000株 = 7492億円
ローソンの場合、会社全部の値段が7492億円。
それを約1億個に分割した値段が7470円という訳だ。
買い物をする時は値段を確認するはずだ。
株を買う事は会社を買う事なので、株を買う時に会社の値段を確認するべきだ。
会社の値段は時価総額だ。
時価総額こそが、株式投資を始める上で一番最初に理解すべき数字だ。
残念ながら、この事実すら知らずに株式投資をしているらしい人もいる。
Yahoo掲示板などで時々見かける。
速度計の読み方すら知らずに飛行機を飛ばしているという事に、早く気付くべきだろう。